【読書感想文】傲慢と善良 (2019)
本書は辻村深月の著書だから読んでみたいと思っていたところ、お友達が貸してくれた🍀
タイトルが Jane Austen の Pride and Prejudice を彷彿させる感じなので思い出したこと(けっこうどうでもいいこと)なのですが、その昔、私はちょっと見栄を張って Pride and Prejudice あたりは読んでおいたほうがいいのかなと思って手に取ってみたことがあります。そして冒頭のここ
を読んで、一気に読む気が失せてそれっきりでした😂
また、同じ著者の 1816 年の作品 Emma では主人公の女性が聡明で自立心ありげという設定なので読み進め、19世紀の女性の人権などないに等しい時代にこんなに既成概念にとらわれない女性がいたのかと感心しましたが、最後がやはりよい結婚相手を見つけて幸せになったというオチだったので、騙された💢こんな本を読んで損した💢時間返せ💢って思いました😂
それから200年経った時代の日本での婚活話。辻村深月がイケてる作家だと知らなかったら読みたいとは思わなかっただろうな
そのくらい婚活話には興味がわかない私ですが、本作品は私にも刺さりました。なぜなら、これは婚活話のようでストーカー被害話のようで、根本にあるのが毒親問題だからです
主人公の坂庭真実が毒親に支配されてきた二人姉妹の妹の方で、姉のほうは毒親に反抗して脱獄したパターン。私も毒親に反抗してきたクチなのでよい子の真実ちゃんには心の底から共感できるわけでもないのですが、毒親の干渉がひどすぎると自分で考えて選択することができない人間ができあがる例が多々あることは(他人事として)認識しています
子どもが婚齢に満たないときは子どもの行動を制限しまくり、婚齢になったら結婚しろと脅迫してくる毒親😩
一人の人間として自立する練習の機会を徹底的に奪ってきて、自分が自立させなかった子どもの後見人探しに必死になる毒親😩
しかも田舎の狭い社会の話だなんて、田舎出身の私にはわかりすぎて余計に刺さります😂
しかしこれは日本だからそうなのでしょうか、そこはよくわかりませんが、なんで人の結婚話にみなさんそんなに口を出したがるのでしょうかね
私は好きな人ができたら一緒に生活してみるなんて当たり前だし、一緒に生活しても結婚という形式にこだわりがないのなら結婚しないというのもありだと思うし、好きな人がいないのなら結婚したいという感情は生まれようにもないですし、他人様の価値基準で自分の結婚を考えるなんてありえないし、他人様の恋愛、結婚話なんかも正直なところどうでもいいのですが
縁がなかったので結婚しないなんて別に普通にあること
某国だと、他人のことに思うことがあっても、プライベートなことに口を出したら即アウトです。他人のことについ口が出てしまう人のほうが人間性疑われます(ゆえに私にはたいへん住みやすい、食文化が昭和枯れすすき並みに貧しくても😂)
婚活をしている人は、よさそうな相手が見つかったら、この人でいいのだろうか、実はもっといい人がいて自分はそんな人を逃してしまうのではないのだろうか、と思って躊躇するようなのですね
そういう心理が働くというのは、私はけっこう最近知りました
私は自分が好きだと思って相手もそう思ってくれるということがあることだけで嘘?まじ?ラッキー😎だと思うので、実はもっといい人がいるのかもしれないのになんて言い始めたら、もっといい人などいないのかもしれないのにとも言えるわけです。私は自分にはウマい話は降ってこないと思い込んでいるタイプなので、ありえないようなラッキーなことが起こったと気づいた日にはビビビと来て結婚しました。しかも2度も😂
「いい人」「いい子」と言われる善良タイプ(←私は言われたことない😂)には実は自分のことを過大評価している傲慢な面もあります、というのがタイトルに込められた意味なのかと受け取りました
「俺は絶対に落ち込まない
落ち込む人は自分を過大評価しすぎやねん
だからうまくいかなくて落ち込むのよ」
と明石家さんまさんはおっしゃるそうです
私は婚活で落ち込む経験はありませんでしたが、別のことで落ち込むことがあったら、どこかで自分を過大評価しているのではないかと疑ったほうがいいという教訓を得ました