オーケストラ(とくに弦セクション)のエチケット
今年の学校は12月20日でおしまい。同じ日に某ブリッジの Youth Orchestra のクリスマスコンサートがありました
このコンサートには学習児の学校からも先生がお越しになられて、学習児にも励みになったかと思います。このレベルで音楽をやっている子どもたちは、公立の学校でやる音楽の授業では抜群にできて当然とみなされて誰からも褒められず、放置されています😂でもこういう子どもたちが学校の外で公立の学校では考えられないようなレベルでやっていることが、いつも通っている自分の学校のだれかから認めてもらえるということは、やはり嬉しいことです
コンサートは(準備不足で付け焼き刃っぽかった割には😂)それなりにキマったのですが、内輪ではそれなりのドラマがあったようです😂
まず、座席に関するもの。オーケストラをやったことがある方はご存知でしょうけれど、この人類皆平等という建前の現代社会でも、オーケストラの座席(とくに弦セクション)では上下関係がはっきりしていますので、座席が発表されると不満がある人も出てきます。学習児はまず最年少で、さらにチェロではグレード試験を(本人が嫌がって)受けていませんから、座席が後ろのほうになるのはしょうがありません
弦セクションはダブルベースを除くと2人で一つの譜面台をシェアし、その2人のうち技術的および経験的に上の人が客席に近いほうの座席となり、そうでない人が反対側でページめくりをするという決まりがあります。また、同じ楽譜でもセクションが高音部と低音部の半々に分かれることがあり(divisi と言われます)観客側に座る人が高音部を担当します。そして弓の動き(ダウンなのかアップなのか)は決められたことが絶対です、どんなに自分が不服でも
学習児は少なくとも観客側の座席を指定されたので、少しは気をよくしていましたが😂
しかしリハーサルをこなしていくうちに学習児が、自分の前の席の2人は自分より年上でソロで弾く分には自分より上手いのかもしれないけれどオーケストラの経験があまりないように思う、と言っていました
そのときは、きっと学習児は自分はもっと前に座りたかったから負け惜しみのようなことを言っていたのかと思って、毒親の私はそれはしょうがないね〜くらいで流してしまったのですが
コンサートが終わって詳しい話を聞いたら、学習児の前に座っていた人が divisi で違うパートを弾いていたので、自分が間違ってしまったのかと思ってパニックになりそうだったとか、弓の使い方を自己流でやっていたとかで、自分の座席はリーダーと同じ直線上にあったのでリーダーの動きが全く見えずに困ったそう
学習児のチェロの先生はこのオーケストラで低弦セクションの指導をしていますが、コンサート当日は他用があって欠席されていました
本日、学習児のチェロのレッスンがあったので、先生に実はこんなことがありましたと報告したら、先生はショックを受けていました
学習児の前に座っていた人は本来は客席から遠いほうに座るべきだったのに、最近グレード8の試験に受かったこともあって、自分は客席側に座るべきだと感じていただろうとは先生も感じていたそうです。が、オーケストラをやったことがある方はわかりますよね。オーケストラの常識に従わずに他人にストレスを感じさせるって、そうとう良くないのです
オーケストラの弦セクションは他の楽器と比べて人数が多いですが、それだけチームワークが重要です。列の前の方で技術的に十分でない人や常識に従わない人がいると、その人の後ろ全員が被害を受けます。ストレスを感じながらどのセクションよりも多い楽譜の量を長時間にわたって集中力を失わずに弾き切るってどれだけ大変なのか、考えてみてくださいよ😂
学習児はチェロのリーダーのことはとても尊敬していて、もし自分がリーダーの隣とか真後ろに座れていたらもっと自分の実力を発揮できたのにと残念がっていました
学習児はオーケストラの経験は年齢相応に積んできていて、私も話で聞く限り、どこのオーケストラでもセクションのリーダーは技術的に優秀なのは当然ですが、必ずと言っていいほど人格的にも人に信頼されるような雰囲気の人です。自分の優秀さにこだわりすぎる人はオーケストラには不向きです(←個人的にはこういう人はソロでもパッとしなさそうに思います😂)
でも若いって素晴らしいですね。陳腐なフレーズなのは承知ですが、若いうちは上手くいくこともいかないこともたくさん経験することに価値があります。上手くいかなくても再挑戦の余地があるのだから、自分の実力が発揮できなかったことも、チームメイトに失望してしまったことも含めて尊い期間です