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【ネタバレ有】ジョーカー フォリ・ア・ドゥの感想

ジョーカー フォリ・ア・ドゥのめちゃくちゃネタバレを含んだ感想を書きます

ジョーカー1を観てないのにフォリ・ア・ドゥを観てるので、1を観た人とは感想が異なるとは思います



個人的にはとても面白かったです
一言で言うならば、1を観て感化された人に冷や水をかけるためにあえて丁寧に作られた蛇足ということでしょう
裁判でジョーカーになった時や、爆発の時など、何度か幕を下ろすことのできるタイミングがあったにも関わらず、ミュージカルや夢物語では終わらせないぞという執念で最後まで描ききったのを感じました
劇中で何度も引用された「舞台上では何でも起きる」という言葉は、我々の人生は舞台ではないという皮肉で、
アーサーはジョーカーなんてカッコつけてたけど、なんてことない小物だったんだと知らしめなければいけないという強い意思を感じました

1が好きな人が嫌いになるように作られた作品という珍しい作品ではないでしょうか
丹精込めて作られたドラゴンクエストユアストーリーという感じかしら(ドラゴンクエストユアストーリーも観てないけど)


ただ、捻くれ者の私の見方では、アーサーは真のジョーカーである(になる)とも読み取れました

考えてみれば、アーサーの信用できなさはジョーカーらしくもあります
フォリ・ア・ドゥの世界ではジョーカー1は誇張された再現ドラマとされているので、言うなれば、1を観た人の知るアーサーの過去は虚構であるわけです
裁判で証言される過去も一面的な事実でしかないわけで、アーサーの内面や来歴はどこまでもぼやけており信頼がおけません
また、物語の後半でアーサーは、かつての友人に心を動かされたり、ジョーカーであるのはつらいと陪審員に漏らしますが、ジョーカー特有の感情の異常な振れ幅とも捉えられ、本当のところはただの命乞いだった可能性が否定しきれない
思えば、ハーレクインに愛想を尽かされるのも何だかジョーカーらしい
また、最後にアーサーはサイコパス野郎にいかにも殺されたように見えましたが、本当に死んだかどうかは描かれていないわけで、それから先は我々に託されているのです
(大体ただのサイコパス野郎が本当のジョーカーなんて心底つまらないじゃないか)


ここで、冒頭のアニメーションを振り返ってみれば、ジョーカーがその影から己を取り戻すというテーマが読み取れます
つまり、この物語は、ジョーカー1で何らかの象徴となってしまった"ジョーカー"をジョーカー本人(アーサー)が取り戻す話だったんじゃないかと読み込めるわけです

というわけで、私の頭の中では、刺された怪我から復帰したアーサーは真のジョーカーとして目覚め、よりを戻したハーレクインと楽しく犯罪を繰り広げているのです
これもまた象徴としてのジョーカーへの期待なのかもしれませんが

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