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キャリアブレイクを選ぶなら「王道を選ばない人間だと思われる」覚悟は持とうね

NewsPicks経由で、Forbsがこんな記事を挙げているのを見つけましたので「キャリアブレイクをした本人」かつ「採用担当経験者」の目線で少し語ってみようと思います。

キャリアブレイクの現実

まず、採用する側の本音から話をしましょう。
業務経験のブランクがある人を採用するとき、面接官は必ずこう考えます。

「この人は、組織の中で普通にやっていくタイプではないな」

これは、まだ、良いことでも悪いことでもありません。
ただの事実です。状況によって、その評価はプラスにもマイナスにも振れるでしょう。

ですが、この記事を読んでいるあなたは、きっとキャリアブレイクによるメリット/デメリットに関心があると思いますので。
その事実を元に、いくつか裏側を紹介します。

採用目線:なぜそう見られるのか

組織の中で働く、というのは結局のところ、「みんなと同じように」働けるかという話です。

毎日決まった時間に出社し、決められた業務をこなし、組織の意思決定に従い、焦り過ぎず一定のペースでキャリアを積んでいく。そういった「暗黙の前提」に従える人かどうかを、組織は常に判断しています。

なぜなら、組織をつくり人を束ねていくには「価値観」が揃っていなければなりません。
「何をするか分からない人」と一緒に仕事をしたい、ましてや責任を分かち合いたいと思う人はいないからです。

キャリアブレイクを選んだ人は、この「みんなと同じように」という部分で、すでに違う選択ができてしまった人なのです。

採用目線:とはいえ、悪い話ばかりでもない

ここで重要なのは、「普通ではない」ことが、必ずしもマイナスではないという点です。

むしろ、現代のビジネス環境では強みになり得る可能性があります。

私の経験から言えば、キャリアブレイクを経験した人には、以下のような特徴があることが多いです。

・組織の価値観ではなく、自分の価値観を優先できる
・結果として、既存の枠組みとは違う発想ができる

これらは、実は現代のビジネスシーンで中途採用で求められている要素です。

例えば、ある製造業の中途採用面接で印象的なケースがありました。 その方は1年間のキャリアブレイクの後、応募してきました。

面接で「なぜこの会社に興味を持ったのか」と聞くと、こんな回答が返ってきたのです。

「御社の製品は、実はBtoCでも勝負できる可能性があると思います。工場見学で拝見した技術は、実は一般消費者にとってもメリットがある。ただ、BtoBの文脈でしか語られていないのがもったいない」

これは、その会社の社員からは決して出てこなかった視点でした。

なぜなら、その会社は創業以来、BtoB一本で仕事をしてきました。社員は皆、「うちはBtoB企業だから」というのが、口癖だったのです。。

しかし、この応募者は、キャリアブレイク中に世界中の工場を見学して回った経験から、その技術の新しい可能性を見出したのです。

実は、この提案がきっかけとなって、その会社は後にBtoC市場への参入を決定することになりました。

このように、「普通ではない」経歴を持つ人だからこそ、組織に新しい視点をもたらすことができるのです。

採用面接で気をつけること

ただし、面接では、この点についてとても慎重に説明する必要があります。

良くない例:
「自分の可能性を追求したかったので…」
「会社の方針に違和感があって…」
「もっと自由に働きたくて…」

これらは全て、「組織に馴染めない人」という印象を強めてしまいます。

代わりに、こう説明するのはどうでしょうか。

「○○を実現するために、計画的にキャリアブレイクを選択しました。その経験は、△△という形で今の業務にも活かせると考えています」

ポイントは:

  1. 主体的な選択であること

  2. 目的が明確だったこと

  3. その経験を組織にどう還元できるか

を説明することです。

さいごに:覚悟を決めること

キャリアブレイクを選ぶということは、「王道を選ばない人」というレッテルを貼られることを意味します。

でも、それは必ずしも悪いことではありません。
むしろ、そのレッテルを逆手に取れる可能性もあるのです。

大切なのは、
・なぜその選択をしたのか
・その経験で何を得たのか
・どう活かしていけるのか

をしっかりと言語化できることです。

キャリアブレイクは、ある意味で「自分で自分の価値を定義する」選択です。
その覚悟と自負を持って、面接に臨んでください。

きっと、あなたの選択を評価してくれる組織に出会えるはずです。


『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略』 北野貴大著

『これからのお金の教科書 年収の伸びしろがケタ違いになる視点65』田端信太郎著

『「言葉にできる」は武器になる。』梅田悟司著


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