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【エッセイ】自転車漕いで

 パートナーと私の二人とも仕事が休みだったから(私たちは職場も一緒だ)私の役所の手続きに付き合ってもらってから、歩いて商業施設へ行った。晴れていたから歩いて向かった。役所も含めたら一時間ほどの道のりだが二人で歩くとあっという間だ。
 手続きもスムーズに進み、またひとつ社会参加した気分で、とてもいい心地だった。この間の雨で緑も力を得たようで、陽の光に向かい伸び伸びとしていた。

 パートナーは洋服はシンプルで安く、動きやすく楽なものを好む。そしてほとんど新しい服を買わない。私はもちろんシンプルなのも好きだが、派手なものも好きだし、モードも好きだしとにかく洋服全般が好きで、かなりの数の服を今まで購入していた。
 流石に今は結構考えて買うようにはなったし、この前の引越しでかなりの数の服を捨てた。今も洋服は大好きだし買えるものならもっと買いたいが、前より少し考え方は変わった。家の中にある洋服をしっかり把握して、本当に必要なものや好きなものを買おうと思っている。

 私たちがよく行くのはGUだ。どんどんデザインも素敵になっているし、パートナーの目的は部屋着で、私は今使っているボディバッグが小さめに感じたため、何かいいのがあればなと思っていた。思っていたのとぴったりのものが二人とも見つかった。ただ、私のバックは欲しかった色が店舗には売り切れになっていた。
 パートナーから私は「我慢ができない人」と評されているが、やはりまた今回も我慢ができない。展示品を買おうかと思っていたところ、現地店から自転車で30分くらいのところの店舗に在庫があるとパートナーが見つけてくれた。

 私はたまに最近増えているレンタサイクルを使っているが、パートナーは初めて使ったのだが、ここ最近で一番テンションが上がった!ととても喜んでいた。少年のように楽しむ彼をみて私もとても嬉しくなった。
 彼も私も同じように、学生時代は自転車ばかり使っていたらしい。自転車があればどこへでも行ける、そう思っていた、と言った。私もそうだった。地元での交通手段は自転車ばかり。思春期の夜更かしも自転車がお供だった。近くに見える山の近くまで、自転車で走ったこともあった。特別大きく月が見えた夜も、近づける訳もないのにその月のそばまで行きたくて自転車を漕いだ。川へ行くのも好きで、友人ともよく自転車で川沿いを走った。

 冷たい風を思い切り浴びても、身体は熱く爽快だった。自分の足でどこへでも行ける。そんな事をとても大切に思った。

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