吃音持ちの看護学生

吃音を持ちながら看護師を目指した人の日記。吃音と向き合いながら看護学校に通う中での日々のできごとや、患者さんとの出会いを文章として残していく場所。

吃音持ちの看護学生

吃音を持ちながら看護師を目指した人の日記。吃音と向き合いながら看護学校に通う中での日々のできごとや、患者さんとの出会いを文章として残していく場所。

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からあげクンのレッドが注文できる吃音のない世界。

辛いものが割と好きなタイプだからからあげクンはレッドが食べたい。 「からあげクンの、、レギュラー1つ下さい。」 なぜだ?なぜレッドが良かったのにレギュラーにした? 言えなかったのだ。「レッド」が。 吃音があると普段の生活がこんなことばかりだ。 吃音を持つ人は言葉が出ないと感じたらその場で違う言葉に言い替えて話すことがよくある。 例えば、患者さんに対して「体温測りますね。」が言えない時は、「お熱測りますね。」と言い替えたり。同じ意味の違う言葉を瞬時に考えて話している

    • 消耗品

      必要以上に明るく振る舞えば充電の減りは早い、 携帯も、人間も

      • 過去の経験の総体を

        幼い頃からある病院の入院生活で経験したこと。 慣れない環境で病気と闘う恐怖。血管が細くてなかなか点滴が入らない苦痛。手術前日の夜の最悪な時間。手術台の上の眩しすぎる光。退院できずに学校に通えない、友達に会えない苦痛。 挙げていくとキリがない。 たくさんの苦痛を経験したある病院の就職試験が終わった。 吐き気がするほど嫌いだった入院生活を送った病院に看護学生となった今、就職を希望した。 幼い頃、この病院で様々なことを経験したことがきっかけとなり、私はいま看護師を目指して

        • 20代に自信は要らない

          20代に自信なんざ要りません。 自信が無いから勉強しようと思える。 自信がないから、人の優れた部分が見える。 それを真似ようと思える。 盗もうと思える。 改良したいと思える。 自信がないからこそ、目の前の相手を笑わせたい、喜ばせたいと思う。 自信がないから動こうとする。 その過程で痛い目、酷い目に遭うでしょう。 でも、その失敗と経験の総体が才覚となり、不変の根拠となり、不動の自信になる。 私の大好きな本。 20代で得た知見より。

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        からあげクンのレッドが注文できる吃音のない世界。

          トラバーチン模様の天井が。

          大っ嫌いだった病院の白黒の天井。 子どもの頃、身体が弱く入退院を繰り返していた自分は目が腐るほどこの天井を見てきた。 学校に行けない平日の昼間も。全然寝付けない消灯後の真っ暗な夜も。不安で心が押しつぶされそうだった手術の前日も。いつもこのうじ虫のような模様の天井が目の先にはあって、そんな変化のない毎日が嫌だった。 病院の天井でよく使われているこの模様。トラバーチン模様って言うみたいですよ。10分前に知りました。この模様が好きな人っているのかな。 なんでこの模様が多くの

          トラバーチン模様の天井が。

          吃音とはなんぞや。

          「吃音」それは、どもりとも言われたりする。 簡単に説明すると、頭の中では喋りたい言葉や文章が整理されているにも関わらず、それがスムーズに言葉となって出てこないこと。 吃音には大きくわけて3種類ある。 連発→「あ、あ、あ、ありがとうございます。」 伸発→「あーーーーーりがとうございます。」 難発→「、、、、ありがとう、、ございます。」 みたいな感じかな?ちなみに自分はほとんどが難発で、たまに連発が出る。吃音は緊張した場面で特に出やすく、人前で発表する時はもう吃音が出

          吃音とはなんぞや。

          去年の話。失語のある患者さん。

          "運動性失語"ってみなさん分かりますか? 運動性失語はブローカ失語とも言われるんですけど、まあ簡単に言うと、人の言葉や文字は理解できるけど、言いたいことが言葉にならないということです。この運動性失語を持つ患者さんは、失書という書く能力が障害される方もいて、僕が去年の実習で受け持った患者さんも失書がみられました。 上で述べた運動性失語。言葉を思うように伝えられないって、まるで僕の吃音みたいですね。 患者さんとお話してる時、なにか話そうとしても、モゴモゴってなっていて(医療

          去年の話。失語のある患者さん。

          吃音持ちの自分が看護学校の面接でぶつけた思い

          高校時代、何回も何回も教員と面接練習をしたけど吃音が酷く出て全く喋れないまま迎えた一般試験当日。面接が始まって直ぐに面接官に「吃音というものを持っていて、緊張した場面でスムーズに言葉が出てこないことが多々ありますが、一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」と伝えた。まあ流石に看護学校の教員だからすぐに理解してくれた。そんなこんなで始まった面接、在り来りな志望動機やら自身の長所・短所、男子が少ない世界だけどどのようにして頑張っていきたいか、とか色々聞かれたけどもうなんて答

          吃音持ちの自分が看護学校の面接でぶつけた思い

          吃音持ちの男子が看護師を目指した話

          「ちゃんと喋れや」「口パクパクすんな魚かよ」 なーんて色々言われた小・中学生時代。物心ついた時から吃音があって、小学生の時はよく 言葉の教室 ってところに通っていた。言語聴覚士の方がいておもちゃがいっぱい置いてあって、その遊びの中で少しずつ話すことに慣れていく?みたいな場所なのかな。結論から言うと全く効果はなかったな笑(あくまでも自分は効果がなかった。と言うだけで言葉の教室自体を批判しているわけではない) まあそんなこんなで結構苦労した日々を送っていたんだけどね、生まれつ

          吃音持ちの男子が看護師を目指した話