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vol.10|子どもたちに広い世界を見せたい

2023年3月20日公開記事の再掲となります。

学校でのICT活用に訪れたさまざまな変化を、Google との出会いを切り口に語る本シリーズ。
今回は、小学生から高校生まで指導経験のある、学校法人神奈川学園 精華小学校(神奈川県)の髙橋 茉奈先生にインタビューしました。

教員自体は現在6年目で、精華小学校に来てからは2年目になりました。卒業後は2年ほど映像業界で小道具の仕事をフリーランスでやっていたんです。もともと教員になることは考えてはいたんですが、学校は狭い世界だな...と感じていたため、外の世界をまずは経験してみようと思いました。

私自身の短い社会人経験からではありますが、子どもたちには広い世界を、本物の世界をできるだけ見せてあげたいと考えています。高校3年生の進路指導の時などには社会人経験が活きたように感じました。

Google とわたし

髙橋先生と Google との出会いは何がきっかけだったのでしょうか?

向井 崇博先生(精華小学校教諭)ですね。
前任校ではiPadを使い、Classiやロイロノートといったアプリを中心に使っていましたので、精華小学校に来るまでは Google のツールはほとんど使ったことはなかったんです。

コロナ禍ど真ん中での着任だったのですが、同僚が Google のツールを日常的に使っている状態の中に入ったので、戸惑いも大きかったです。

とにかく、教員間のやりとりではほとんど紙が出てこないのには驚きました。これまでは会議の時には大量の紙が配られる...その印刷にもかなりの時間がかかる...それが当たり前だと思っていたので。

会議資料を事前に読めるし、コメントまで書き込めるというスタイルはかなり画期的でした。若手にとっては会議で意見を言いづらいけれど、コメントを書き込むことができれば意見も言いやすいので、とても良いスタイルだと感じました。

あらかじめ意見を吸い上げた上で会議も進められますし、会議前にコメントでのやり取りで疑問が解決することもありますからね。会議は基本的には1時間を超えないですね。

なるほど。それは良いですね。コメント機能を使えば、他の人の質問やそこへの回答から議案についての理解も深まりそうですしね。

本校では 有償版ライセンスである Teaching and Learning Upgrade を導入しているので、Meet上位機能を対面での会議で利活用することも試してみたいことのひとつです。それぞれが会議資料を見るのではなく、発言者が資料を画面共有をすることで説明も聞きやすくなるし、コメントだけでなくQ&Aやアンケートなども効果的に使うことができればより活発な意見交換が可能になるのではないかと考えています。

そのようにして、一人ひとりが学校に対して考えて、意見を持った方が良いと思うんです。
学校って、数字目標みたいなのがわかりづらい業界だからこそ、多様な意見を交流し合える場があった方が良いし、その環境があるのは幸せだと感じています。

Chromebook が広げる可能性

小学生対象だとまだまだ紙の優位性があると感じていますが、子どもにとっては Chromebook は新しいものなので、ゲーム感覚で「やってみたい」というプラスの感情を生みやすい部分があります。

さらに、地図帳から情報収集して資料を作成したり学校の歴史年表をつくる学習では、紙で実施していたときよりも Chromebook では共有や共同編集がよりしやすくなり、協働学習の質が高まったように感じています。

また、フォームで確認テストを行なったときには、すぐに結果を返すことも可能となり、満点を取るまで何度もチャレンジをする子どもたちの姿が見受けられましたし、使い方次第だと思います。

ローマ字を習うのが3年生なので、キーボードを使って文字入力ができないというのはやりづらさはありました。でも子どもたちは、使っているとすぐに慣れてできるようになるんです。子どもたちの感覚とか吸収力とかってすごいんです。

もう「 Chromebook はあるのが当たり前」なので、「あるから使わなきゃ」を超えていかないといけないと感じています。あくまで一つのツールとして、有効な場面を見極めて使うことが必要です。

あとは、やはり「制限」ではなくて、マナー・モラル・ルール面での「付き合い方」についても同時に扱って、子どもたち自身が「判断」できるように啓蒙していく必要があると考えています。せっかくの Chromebook ですから、あれもできないこれもできないじゃ、悲しいですからね。

髙橋 茉奈
精華小学校 教諭(社会科)|GEG Yokohama
大学卒業後はフリーランスで映像の現場にて美術(小道具)の仕事に従事。その後、東京都にある私立中学・高等学校に勤務し、2021年に恩師の背中を追って精華小学校に勤務。テクノロジーは、なくてはならない当たり前のものであり便利なものであるが、一方で初等教育では〈ホンモノ〉に触れる価値がある。そのバランスを見極めながら、子どもたちと楽しく学ぶことを目指している。

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