USCPA試験では仕訳が大事?簿記2級が必要?
USCPA試験のFARで2回不合格になってしまったUSCPA受験生の方から、再受験対策について相談をいただいた。
「仕訳が大事だと思うので、仕訳が全部書けるようにしようと思うが、その進め方でいいか」という相談。
「USCPA試験では仕訳が大事」というのはたしか。
それは否定しない。
でも、USCPA合格者が
「仕訳が大事、全部の仕訳ができるように」
「簿記2級の勉強をしてからUSCPAに挑戦した方がいい」
とおすすめしているのは、
ちょっと違うというか、
認識を変えた方がいいというか、
USCPA合格には遠回りな気がする。
ちなみに、私は簿記は3級しかもっていなかったが、FARは特に困らず合格した。
そして、今回のご相談者は簿記1級をもっているが、FARで困っている(英語力もかなり高いし、経理の実務経験者でもある)。
簿記1級に合格していてもFARで不合格になるということは、簿記2級の仕訳の学習をすればいいという問題ではないことの証明になる。
USCPA試験は、CPA(公認会計士)になるための試験。
CPAには監査という独占業務権限があるので、基本的にはUSCPA試験では、監査業務をするための知識が問われる。
もちろん、会計業務(経理業務)や税務業務をすることになる人もいるが、メインは監査業務と思っていい。
USCPA試験の科目の必須科目は、以下の3科目。
FAR(財務会計)
AUD(監査論)
REG(税法・ビジネス法)
AUDがメインかつ一番重要な科目。
FARでは、監査をするために必要な会計知識が身についているかが問われる。
REGのビジネス法では、監査(と税務)をするうえで必要な法律知識が身についているか問われる。
つまり、USCPA試験のFARで仕訳が大事と言っても、経理をやる(記帳をやる)ために必要なのではない。
経理をやる(記帳をやる)ために必要な知識を試すのは簿記検定。
USCPA試験は経理になるための試験ではないので、仕訳が大事と言っても意味合いが異なる。
USCPA試験のFARで必要なのは、監査をするために必要な会計知識。
流れから言うと「財務諸表→仕訳」となる。
上から下を見下ろす感じ。
簿記検定で必要なのは、取引を記録して積み上げていくための記帳スキル。
流れから言うと「仕訳→財務諸表」となる。
下から上を見上げる感じ。
USCPA試験と簿記検定で必要な知識・スキルは一致していない。
やることの流れも逆になる。
「USCPA試験では仕訳が大事」の意味が独り歩きしている。
USCPA試験のFARで簿記検定と同じような勉強法をすると合格できないという話。
ご相談者が簿記検定と同じようにUSCPA試験の勉強をしようとしていたので食い止めた。
USCPA試験に適した勉強法をお伝えできたつもり(主に、論点整理をやっていただく)。
ちなみに、この「USCPA試験では仕訳が大事」の意味を誤解していると。
AUDでも沼る可能性があるので気を付けてもらいたい。
USCPA試験のFAR対策については、こちらを参考にしてください。
「USCPA試験では簿記検定2級が必要か?」「試験科目はどうつながっているのか」など『USCPAになりたいと思ったら読む本』でも説明しているので参考にしてください。
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