教訓を何か得たいと思って読んだ本
僕は今日、何か教訓を得たいと思い漠然とした気持ちで「ノモンハン事件の真実 」 星 亮一著に手を付けた。まずはこの手の本に関わった背景について触れておく必要があるだろう。なぜ今、ノモンハンに関する本を読もうと思ったのか、過去の戦争について調べたいなら他にも色々あった筈だろう。ただしこの点に関しては、あまりに深入りするような、僕の心理を探るような真似は辞めて頂きたい。教訓を何か得たいと思っているのは、何も今日だけに限った事ではないし、日記を書き始めてからはいつも考えている事である。ただ真面目一辺倒でやっているのかと思うと別にそういう訳でもない。KindleUnlimitedの0円で読める範囲でお手軽に話題作りが出来れば良いなといった、ちょっとしたスケベ根性でやっている側面もあるのである。今日が8/6というちょっと特別な日だったから、Kindleを巡回していたらそこにたまたまノモンハンという単語が目に入った、ノモンハンは未だに評価の別れる戦争であるという知識が僕の頭には元々存在していた、星亮一という人は全く知らない人ではない、明治維新に批判的な人ではあるけど喋っている様子を見ていると別に悪い人でも無さそうだ等といった、明確な背景とも到底言えない様な理由が幾つも積み重なってこの本に手を出すに至ったのである。
なぜこんな回りくどい事を色々書いているんだ?と読者は思った事だろう。答えは簡単で、僕がこの本を途中まで読んで一番に思ったのは「えっ?なんでこの人こんな書き方してんの?」だったからである。どんな書き方であったかを簡単に記すとこうである。まず冒頭に、具体的包括的な損害規模の記述が無いにも関わらず、日本が下手な戦争をしたという書きぶりなのである。書かれたのが2010年らしいので仕方が無いのかもしれないが、ソ連と日本の発表している数値が双方で大分食い違っており、ソ連がロシアに変わった現在、ソ連側の戦果が下方修正された新情報も最近出始めているらしいのだ。2010年に飛び付いた僕の責任なんだろう。この点は反省している。
また、作中の視点がある1個人ものであって、その人から見た戦場の生々しい現場が小説風に書かれているのだ。だから、この本は殆どが抜粋なのだろう。辻政信参謀も小説風の体で記録に残したらしい。全く不真面目な人だ。僕は別に感動したい為本書に手を出した訳ではない。人の目から見た詳細な地形、風景の描写もそれ程必要ない。あの山の影からソ連軍の数十台の戦車が突如姿を表し、味方を無惨にも踏み潰していった…みたいな事ばかり書かれても仕方が無いのである。
辻さんだって仮にも役職が参謀だったのなら、様々情報が事前に入って来ていた筈だ。その辺を重視して、ソ連側の思惑を明らかにして欲しかった。現場の戦禍より裏の真実である。そもそも日本だって、何故満州から遠く離れたモンゴル国境で田舎のノモンハンまでわざわざ出張って行ったのか、相手がちょっと越境したからと言ったって、そもそも草原の上に線がひかれている訳でもあるまいし、待っていれば良かったろうに、意図がはっきりしないのだ。
またしても読書を放り投げたので途中からどうなったかは知らないが、もっと客観的に全容と双方の思惑を明らかにして欲しかった。唐突な事ばかり書いたって読者が面食らうばかりである。だから今日の日記は回りくどく書いてみた。