ティーバッグの紅茶を飲みながら
いつの間にやら梅雨入りしていたらしい。昨日も雨、今日も雨。明日も雨。
梅雨時の部屋干しには神経を使うし、湿気がまとわりついて髪の毛が現代アートみたいになるのも困る。けれども雨音は好きだし、夜中にザーと土砂降りがやってくるのは爽快だ。良いものも悪いものも、ぜんぶ水に流そう。そして自分のこともいつか許すのだ。
巨大なマグカップに紅茶のティーバッグをふたつ投入してお湯を注ぐ。牛乳もたっぷり入れて。私の朝は大容量ミルクティーから始まる。
が、ティーバッグを取り出そうとしてひもを掴んで持ち上げたとき、急に不安になる。そういえば最近、なんかネット記事を読んだっけ。「ペットボトル飲料を避ける医者が続出中」とかなんとかーー。
つまりはプラスチックの話だ。MPとかNPとか微細なプラスチック粒子が及ぼす健康被害についてだ。
数年前からそういうことはちらほら聞こえていた。人間が消費したプラスチック製品が分解され、果ては海水に流れ込んで生態系に影響を及ぼしている、とかいう程度に理解していたのだけれど、海を汚染する以前にどうやら人間の体のほうがヤバいですよ、ということらしい。本当かどうかはわからないが、毎日カード1枚分のプラスチックが体内に取り込まれているのだとか。どえらいことだ。
詳しいことは覚えていないけれど、様々な病気の原因がそのMPやNPであったという論文が発表され、世界中の医者たちがプラスチックを避けるようになっているらしい。
目に見えないことだから、徹底的に避けるのは難しいけれど。でも意識はしておくべきだ。
ペットボトルの飲料をなるべくやめることとか、タッパーごとレンチンせずお皿に移すこととか。食品だけでなく衣類や洗剤などにもプラスチック粒子は潜んでいるそうで、なによりマスクもダメらしい。PM2.5など空気中の粒子を吸い込まないようにガードしてくれていると思いきや、マスク自体から我々はプラスチック粒子を吸い込んでいるというのだから、がっかりだ。なるべく麻や布製品を選ぶのが良い。
いちばんショックだったのが、ティーバッグである。紙のような見た目をしておきながら、かなりのプラスチック粒子を有しているものらしい。ましてやお湯を注ぐので、溶け出す量も多いのかも知れない。
敏感な人なら気づくだろうが、料理をしたり食べたり飲んだりしていて、ふとした拍子にプラスチックのような悪い匂いや味がすることはよくある。まさにそれだったのだ。溶け出している。吸い込んでいる。摂取している。毎日カード1枚分ものプラスチックの粒子が体内を巡る。血管の壁に付着したりする。心臓近くの動脈に居座ったりする。ティーバッグの紅茶を飲みながら、今朝はそんなことを考えていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?