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「絶対に失敗したくない家づくり」を楽しく

「絶対に失敗したくない家づくり」で成功する人は、少ない。
なぜなら、家づくりは、難しいからである。
どんなに情報が発達し、インターネットで調べられる世の中になってもそれは、昔も、今も、大きくは変わらない。
これから家づくりをする人は、そんなに目くじら立てて住宅会社を調べるのではなく、方の力を抜いて気軽に家探しを楽しんでほしい。
また、すでにお家を最近建てた人も、だいぶ前に建てた人も、過去を後悔せずに、前向きに暮らしを楽しんでほしい。
なぜ、家づくりが失敗するのかをまとめてみた。

住宅設備はだいたい同じ。

「こだわりのキッチン」
「こだわりの書斎」
「こだわりの間取り」
それはどれだけ、こだわりのモノで、どれだけ違いますか?
キッチンは、料理をつくるための機能を有した四角い横長の2~3mくらいの物体であり、水やお湯が蛇口からシンクへ流れ、ガスやレンジのコンロで温熱調理ができる。
下部のはだいたい収納できる引き出しがついている。
そのような機能において、どこの住宅会社で見られるキッチンは同じである。
少し色が違ったり、推薦のカタチが違ったり、素材が違ったりする。
住宅会社の営業マンやキッチン製造メーカーの担当者はそれをとても重大な違いのように説明する。
お客様もひとつひとつ学ぶ。
しかし、住宅会社の営業マンは裏では「結局どれも一緒。違いはお客様のイメージや印象。」まさにである。
どこのメーカーの製品も同じようになってしまった現代において、普及価格帯の商品はどれもほとんど同じである。

一方で、違いが出るものもある。メンテナンス性。もっと言えば長持ちする性能である。
住宅は35年、いやもっと長くするものである。
そのため、どんなパーツも交換が発生する。
そうなると、なるべく長くきれいに使えるものが優れている。
前段でキッチンはみんな同じと書いたが、それは価格が同じ場合である。
一方で、価格が異なる場合は、メンテナンス性と長持ち性能が異なる場合が多い。

そんなこんなで、多くの人は住宅につかわれるパーツ(建材や設備)の仕様・性能について、毎晩ネットを叩き、よく調べられる。
そして、住宅のパーツでいうとお風呂、キッチン、トイレ、洗面化粧台、建具、床材、壁紙、玄関ドア、窓、換気、構造材、断熱材、屋根材、外壁材といったところだろうか。
それぞれが、それだけをつくっている大手の会社がいくつもあり、その情報を一通り手に入れるのは大変ご苦労なことである。
そして、その知識を入れても家づくりはうまくいかない。

暮らし方は人による。

それでも、長持ちするものが長持ちしなかったり、使い勝手の評判が良かったものが思いのほか馴染まなかったりもする。
家族の暮らし方は家族によって異なるからである。
キッチンを例に出せば、5人家族と3人家族は、きっとキッチンの使い方が違う。
ご主人が料理をするのかしないのかでも違う。
そうやって、いろいろなモノを選んでも、本当に自分の家族の暮らしにマッチするかは使ってみなければわからない。
そんな事例は星の数ほどある。
「意外に使わなかった」というものが一家に1つや2つは、必ず出てしまう。
これは、仕様や性能だけでなく、自分の家族の暮らし方についても考えてみなければいけない。
個人的には食洗機がなくても、子供たちが自分のお皿を洗ってくれる家族を”目指してみる”のも悪くはないと思う。

それでも、将来はわからない。

設備・仕様の機能を勉強し、自らの暮らし方を振り返ってみる。
それでも、家づくりはうまくいかない。
暮らし方は時間の経過とともに変化するからだ。
将来のためにと思った子ども部屋にはいかずいつも1階にいた長女。
中学になってからは、部活と塾で、家にいる時間も少なく、結局、子ども部屋は荷物を置くだけになったりする。
1部屋6畳とすると3.3坪。坪50万円のお家であれば165万円分。
頭金や金利の設定で言えば、住宅ローンで言えば月々6,000円くらいはかかっているのではなかろうか。
それくらいなら良いが、子ども予定人数が変わってしまったり、転勤や転職があったり。
新しい趣味をはじめたり。
コロナがきて、巣ごもりになったり。
将来のことなど、誰にもわからない。
人生で普通は一度きりの家づくり、しかも住宅ローンは30年35年、その家で暮らすのはさらに長く。
だから、家づくりを失敗しないなんてことはないです。

失敗しても暮らし方を変えたり、家具を買ってみたり、リフォームしてみたり、いろいろ変化する方法はあります。
何よりも大切なのは、楽しく暮らすという考え方なのかもしれません。
「絶対に失敗したくない家づくり」をほどほどに楽しむ気持ちを忘れずに。


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