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希望の見つけ方(76):ただ一点に絞れ

あれもしたい
これもやろう
の誘惑があるけれど
 
ちょっとだけ勇気を出して
 
これだけは!に絞り切ろう
 
広大な砂漠で水源を掘り当てなければならないとします。さて、あなたならどうしますか?気まぐれにあちらこちらを掘ってみても、たいへんなムダを食ってしまうことでしょう。目当てのエリアを決めたら、ただ一点を掘り続けることです。そうしてようやく、水脈に遭遇することができます。
 
仕事の世界でも、一点に絞っているところが成功しています。東京の台東区に、かっぱ橋道具街と呼ばれている商店街があります。その一角にある飯田屋は、「日本で一番相談したくなる店」を標榜していて、従業員のスキルを相談力一点に絞っているのです。その方針の通り、お客の困りごとには何時間でも付き合って相談に応じる。こんな料理を作りたいのだが、どんなフライパンがいいのだろうか?…など顧客の相談事はいろいろです。けっして急いで商品を売ろうとしない。買わない客がいても嫌な顔をせずに接客する。
 
飯田屋は、かつては売上至上主義だったといいます。売上を伴わない接客には、会社も評価しなかった。すると半数の社員が「会社を辞める」と言い出しました。仕事に喜びを感じなくなったのですね。そこで大反省した社長は、先述のように、相談力一番!の店を掲げたところ業績は上昇し始め、11年間で3倍にもなったといいます。
 
私は「一点観光」というものを実行しています。不器用で、あれもこれもを同時進行でできない私は、観光でも同じです。たとえばある日、出張で一泊した帰りの午前中、京都で途中下車しました。織田信長の面影をもっともよく伝えているという木像が公開されていたからです。人を射るような眼差しは、思わず身震いするほどでした。さてそこは大徳寺総見院というところ。時間的にはまだまだ他の観光地を見物できるのですが、あえて私はそのまま京都駅に戻り、帰途につきました。
 
信長の印象を、一点だけ心に刻み込んでおきたい。ほかのアレコレを見てしまうと、その印象が薄れてしまう。人からは「せっかく京都まで行ったのにもったいない」と言われますが、私にとっては、一点に絞ったほうがあとあと自分のためになると思っているのです。
 
一点に絞り切るには、ちょっとした勇気が必要です。いらないものに手を出さない。あれもやらなきゃ、これもしなければという誘惑をしりぞけ、「ただこの一点」に集中するのです。私の仕事のテーマはただ一つ。人の「元気」。今もなお、この一点を追い求めています。
 
 
◎「カイゼンひとくち英語」
Focus on just one thing!
ただ一つに絞りきる!
 
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