心に深みなんてない。思考も感情も発言も、全て即興演奏。
『心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学』を読んだ。
この記事の表題の通りのことが書かれているのだけど
結論から言うと、自分はめちゃくちゃしっくりきた。
本書では、フルカラーで鮮やかに見えている視界全体のうち実際に色彩豊かに細かく見えているのは視線の先にある僅かな部分だけである(つまり脳が連続的に見えているように錯覚させている)ことや
実験で写真2枚のうち美女・美男と思う写真はどちらか選択させた後、本人が選択していない方を「選択したもの」として理由を聞くと、実際には選んではいないのにそれっぽい理由を作って説明した(=後から自分の行動の理由をこじつけで即興した)ことなどをあげて、わかりやすく説明してくれている。
もちろん、これらも納得に至る理由の一部ではあるけれど
しっくりきたのは「自分が以前から時折感じていた違和感に説明がついた」のが大きな理由だと感じる。
その違和感とはー
以前から、時々人に何か聞かれて答える時(とりわけ、自分のある行動の理由を聞かれた時)に口からすらすらと出てくる内容が、まるで作り話のように嘘くさく聞こえることがあった。
そんな時、いつも話し終わった後に「あれ?こんな理由だったっけ?なんか違う気がするなぁ・・・」と思ったり
後からその理由を自分にとってしっくりくるものになるまで考え直してみたり、みたいな事をしている。
(そうすると、話した内容とだいぶ違ってくる事もある)
もし、人の行動や思考が常に一貫性を保っていて、揺るぎない信念に基づいているならば、その時出てくる言葉は常に一貫性があり、自分にとって納得感があるもの、なはず。
逆に「揺るぎない自我や信念」なんてものは存在せず、その場で解釈した事を口にしたり思考しているという事なら
この矛盾はあって然るべきものとなる。
なるほど〜〜!!!と、すごく腑に落ちた。
とはいえ、毎回即興しているとは言っても発言の度にすんごい矛盾した内容を口にしているのではない(つもり)だし、
一定の「こうありたい・なりたい姿」や「判断軸・価値基準」は存在している気はする。
(うーん。。。最後の一文カッコよすぎんか😍💓)
人は皆、生きてきた中で色んな出来事についての解釈や言動を積み重ねてきている。
過去が今の自分を作っている。
心の即興演奏は、ミュージシャンがソロパートで手クセですっと出てきたフレーズを弾くように、「解釈のクセ」「言動のクセ」を明らかにする。
(それが自分や周囲に取って良い影響を及ぼすものか・そうでないかには関わらず)
その「解釈した結果」を、「ありのままの事実ではなくあくまでこれは自分の解釈」とメタ認知する事で
「解釈のクセ」や「言動のクセ」を自分や周囲が心地良い方向に軌道修正していける気がしている。
(ごりらさん、ただいまメタ認知習得のしゅぎょうちゅう!📖 🦍🔥)
(えっと。。。これも、最後の一文素敵すぎんか😍💓)
「思考の牢獄」は人が陥りがちな罠だと思う。
人の発言や出来事を解釈する時、とりわけそれが自分にとってポジティブではない内容だった場合に
解釈の仕方やその後の発言・行動によっては何かを壊してしまうリスクすらある。
(誰かの信頼や人間関係そのものだったり、家族、社会的な立場、あるいは誰かを傷つけてしまうこと等)
そんな時には、自分の解釈のクセやバイアスを俯瞰してブレーキをかけたい所だが、(これまた即興された)感情に支配されていると難しい側面もあると思う。
だけど、心には深みとか無意識の力とかないんだから。
すぐには難しくても、過去の苦い思い出が邪魔してきても、
自分の解釈によって受け止め方を変えることぐらいはできるはず。
・・・むしろこの本にある通り脳はシングルタスクなんだから、「嫌だな」と感じる出来事があったら、いったん美味しいもの食べてお風呂入って早く寝よ!でいいのかもw
「ほんま何なん?」ってモヤモヤして解釈を変えるのがしんどい時は、「解釈を保留する」(=判断を先送りする)が、自分にも周囲にも優しい選択肢なのかもしれない。
何せ、毎日ワクワクしてたいから
なるべく良い解釈・良い思考をして、ええ方向に持ってこ〜〜😊🦍🎶
そんなこんなで、めちゃくちゃ興味深くて納得感もあり、ドッグイヤーを付けまくった一冊だった。
紹介したくだり以外にも印象的なパートはいくつかあったけど、特に好きだなーと感じた「愛とは何か?」についての一説を貼っておく。
どんな関係性であっても、丁寧に向き合って、感情を共有して、お互いがお互いを大事に思って育てていくことが人間関係の本質であるように思えたし
すごく素敵な言葉だな、と感じたごりらさんであった。🌷🦍✨