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大家さんから『大家さんと僕』を渡される。
11月10日。秋がだんだんと深まり、ちょっと肌寒い日。
今日は牛丼が食べたくなって、「さんかく」に行く前にランチに寄った。期間限定の文字に踊らされ、メンマがのっている牛丼を頼んでみる。いつもの高菜マヨにすればよかったと、食べてからちょっと後悔。
昼過ぎに「さんかく」に着くと、顔なじみのふたりがお隣のお店の前で談笑中。ひとりは92歳のおばあちゃんで「今日はお早いご出勤で」と、皮肉っぽく挨拶をしてくれた。これは毎度のことなんだけど、なんだかそれが心地よくも感じる。
外で話していると、中からお隣の店主さんが出てきて、「郵便物を受け取っといたよ」と小さな段ボール箱を受け取る。ぼくは毎日商店街に来ないので、こうしてご近所さんが郵便物の受け取りをしてくれることがある。もちろん、逆にぼくが受け取ることもあるけれど。これは商店街の良いことだと思う。
段ボールを開けると、一箱本棚オーナーの宮崎さんからぎんなんの贈り物だった。宮崎さんは東京圏にお住まいで、参議院事務局にお勤めの一箱本棚オーナーさん。マニフェスト大賞のお祝いにと、ひとつひとつ丁寧に「参ぎんなん」と書かれたシールが貼られていることに愛を感じる。
開館準備をある程度して、一息ついたところで「ごきげんよう」と、お隣の雑貨屋さんに卸しているSさんがやってきた。知り合いが挿絵を描いたという本を寄贈しにきてくれたのだ。ちょうど自分も島田潤一郎さんの『あしたから出版社』を読んだばかりだったので、本づくりについて盛り上がった。
Sさんと話しているときに「はいっ」と声が聞こえて、入り口に目をやると大家さんがこちらに向けて本を差し出していた。大家さんは自分に次ぐ本の寄贈者で、コンスタントに4−5冊を持ってくる。本のジャンルもいろいろで、ちょっと前には子どもが読むだろうと、わざわざ名探偵コナンの漫画を古本屋で探して買ってきてくれたこともあった。
今日も4−5冊あって、ニコニコしながら差しだされた1冊は、まさかの『大家さんと僕』だった(笑)
その場にいたSさんが「わたしSNSやっていないけど、大家さんからこの本を受け取る場にいるわたし、なにかに投稿したい」と感極まっていた。ぼくは
「"さんかく"でも大家さんと僕をつくりましょうか?(笑)」と冗談を言ってみる。大家さんは笑いながら「まず漫画を描いてみて」と言い残し、そそくさと帰って行った。
今日はほかにも某テレビ局のプロデューサーがやってきて、某有名タレントIさんの番組で取材にきても良いか?と相談をされたり、自分の低い会計力を支えてくれる我らが事務局長がやってきて、「また現金が合わない」と怒られたりと、賑やかな1日だった。会計力はちょっとずつ高めたいとは思っている。
外は寒くなってきたけど、「さんかく」のなかは暖かい空気がいつも流れている。しましまコーヒースタンドの三浦さんが淹れてくれるコーヒーが、いつもより美味しく感じる。