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ある女の一日

朝5時に目が覚めた。
愛犬に起きたことがバレたが、そっと目を閉じて二度寝。
愛犬からの顔面ぺろぺろ攻撃により7時に起床。

時間に余裕があったので大阪城公園を一周しようと決めて向かうと、愛犬が4回もうんぴをしたので、形はしっかりしていたが散歩をし過ぎても良くないので半周ほどであきらめて家に帰った。

家に着いたのが9時。
ふと1人映画したくなってネットで空席状況を確認しているうちに飽きてきて、ヨギボーにもたれてティックトックを流し見ること1時間。

時刻は10時。
ティックトックも飽きてきて久しぶりに本屋にでも行って、気になる本を1冊だけ買ってスタバで一服するかと思い立ち上がるとなぜか足は冷蔵庫に向かった。
枝豆を解凍して愛犬とわけ合いっこしながら、近所の本屋というと梅田になるので、さすがにすっぴんはまずいかと思い、少しでもメイクしようと鏡に向き合うも誰かに会うわけでもないし、めんどくさくなって眼鏡からコンタクトにして日焼け止めクリームを塗ってメイク完了。

ジュンク堂書店に行ったら気になる本が思いのほか多く買い物かごに入れたのは全部で5冊。全部買うか悩んでいたら、トイレに行きたくなった。不思議なことに本屋さんいくとトイレに必ず行きたくなるのは私だけかな。トイレの出入口にかごを置けるスペースがあるので、そこに置いて用を終えて戻るとあんなに気になってた本が急に欲しいと思わなくなるのも不思議。結局買ったのは大好きな作家さんの新刊1冊とエッセイを1冊の2冊。当初の予定は1冊だったけど、いいのだ。


本屋の向かい側にスタバがある。本屋と近くて有難い。行くと決まって私は抹茶フラペチーノのクリーム抜きと抹茶スコーンをお願いする。
ただ今回は、店員さんにミルクをソイにすると美味しいですよと勧められたので初めてソイに変えてクリームは抜かずに注文してみたら、これがめちゃくちゃ美味しかった。店員さんは美人で溌剌としていて、最後お釣りを渡し忘れていたようで謝られた時に赤く染った頬がかわいいくて、来世は男に生まれたいと思った。だがすぐに来世は犬になりたいとも思った。


まずはエッセイ本から。スイスイ読み始めると懐かしい一節が引用されていた。

「世に恐るべきものは、目あれど美を知らず、耳あれども楽を聴かず、心あれども真を解せず、感激せざれば、燃えもせず…の類である」

窓ぎわのトットちゃんの一節なんだが、二十歳の時に読んだ本だったので、6年振りにこうして思いもよらぬところで出会うなんて嬉しい気持ちになった。街中でばったりお世話になった方と出会って嬉しく穏やかな気持ちになる感覚。

この一節を読み、自分は最近何に感動したかなと思い出しながら、抹茶フラペチーノを飲んだ。

そういえば2日前に実家になんとなく帰りたくなって愛犬のまるおと一緒に1泊だけ実家に帰った。父が夜ご飯にすき焼きを作ってくれた。いつも父は鍋しか作らないのだが、鍋以外の料理が珍しく私はテンション上がった。

次の日、家族みんな朝5時に目が覚めた。なんせ前日22時には全員寝ていたからね。
天気も良いので急遽ハイキングすることになり、早朝ハイキングした。とても気持ちよかった。
ただ、父は腰があまり良くない(過去にぎっくり腰で2回救急車運ばれている)ので、頻繁に休憩を挟んでいて、こうして家族と歩いたりお出かけできるのも今のうちだなと少しの緊張と寂しい気持ちになった。

ハイキングの後はそのまま私とまるおは自分の住む家に帰った。腰が良くないのに運転までしてくれた父に運転ありがとうってメッセージ送ったら「ありがとう いつでも家に来てね」と返事が来て、メンタルが特にやられているわけでもないのに父の優しさに泣きそうになった。

自分は人の優しさにめっぽう弱い。

私は旅行が大好きなのだが、旅行先で出会う人の優しさ、温もりに触れられるから大好きだ。やっぱり世界は美しいなぁとか人として生まれてよかったなぁとか大袈裟だが思ったりするのだ。

読書していたが、頭の中でかなり脱線した。まあいつも読書しながらよく脱線するのはあるあるだ。

なんだかんだ、時刻は15時。

今日は16時から雨予報だったので、早めにまるおと散歩を終わらせるため家に帰った。

散歩するついでに犬同伴OKのカフェに行こうかなと思った。しかし、私はお腹いっぱいで食べ物を口に入れたい気分では無かったため、さすがにカフェに行って犬用メニューとお冷だけだと店側に申し訳ないので、まるおのおやつを買いに犬のフード専門店に向かった。

道の途中、大阪市中央公会堂で結婚式の写真撮っている2組のカップルを横目で見ながら、綺麗だな、素敵だな、微笑ましく思った。
ふと、羨ましいとは思わなかった自分がいた。素敵だと思うし、両親を見ていても仲良くていいなぁとか、いつかは生涯を共にするパートナーが欲しいとも思うのに、何故だろう。羨ましいと思わなかった。人生において結婚に対する優先順位が低いこと、今は今で充実していることとやりたいことに向かって走っていること、私もまるおも健康でいること、心がある程度に満たされているからだな。

1ヶ月のほとんどが余裕無くて、一瞬で一日が終わるのを感じる。だけど、たまに繊細なところに目を向けれて、はぁ…美しいなぁと思える日もある。先月は中之島美術館でモネ展を見た日がそうだ。

私の大好きな小説家の吉本ばなな先生がなんで小説書いているのかという質問に「世界をほんの少しでも美しい場所だと思い出せるように」と答えている文を読んで、今年1番感動した。 どこで読んだか忘れてしまったぁ…!もう二度とその原文には会えないかもしれないが、この一文だけは忘れない。お守りのような1文。

私は自分自身が誰かにとって感動を与える人になりたいから自分自身が感動し続ける人生を歩むことを大事にしている。感動を与える範囲はどれくらいかを書こうとしたがお恥ずかしいことながら、寄り道しまくりなのでこんなマイペースでスローペースだといつ夢は叶うやらと思うので書くのは控えよう。

と、散歩しながら頭の中で思いながらお店に着いた。家から歩いて片道大体40分ほどの距離で散歩には丁度いい。まるおはポメラニアンで小型犬になるのだが、運動量は半端ないのだ。

おやつを買う予定が、犬用のお惣菜(鮫)とお試しドックフードが気になって買っちゃった。今日一日で何回予定変更しているだろうかと自分に笑っちゃう。それでいいのだと言い聞かせる。

家に帰ると17時半。
まるおも私も晩御飯を済ませて、再びごろごろタイム。ごろごろタイムと書いて終えるのには勿体ない、まるおとイチャイチャする至福の一時だ。

撫でるのをやめるとちょいちょいと手を動かしてきて、もっと撫でるのだとアピールしてくるまるおが愛おしすぎる。まるおがうとうとし始めたので、最近Netflixで配信されたシティーハンターの実写映画を観ようと手を離すとまた撫でてとアピール。尊い。尊すぎる。世界一尊い推しと暮らせているだけで、人生オールオッケーとこの瞬間は思える。単純なところ嫌いじゃないで、自分と言い聞かせる。
今日は映画を観れないかもしれない。
それで、いいのだ。

時刻は21時。
撫でているとトイレに行きたくなり、トイレに行った。百発百中、私の生存確認しにまるおもトイレまで来る。確認するとまた部屋へ戻っていく。
たまに終わるまで待ってくれる。そういう時は散歩か飯の催促だ。全てが尊い。


まるおがいびきをかき始めたので、今日はここまでにしよう。


私は愛おしいいびきに耳をすませよう。

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