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『ブルーマリッジ』を読んだ、わたしの言葉は・行動は?
本屋さんに行くのが好きだ。
職場の近くに2箇所ほどお気に入りの店がある。
昼休み腹ごなしがてらよく足を運ぶ。
その店ならではの配置やおすすめ本を眺め、
その時の自分に必要な本に引き寄せられる。
単行本は持ち運ぶのが大変だから、手に取るのは専ら文庫本。
なのについ読みたくなってしまった、
カツセマサヒコさんの『ブルーマリッジ』。
ポップに書いてあった「この物語から目を逸らしたかった」という一文と、
帯の「20代後半」に目を引かれ、
あらすじなんかを見てみると、
結婚というテーマを軸にパワハラやセクハラなど現代社会の問題に切り込んだ小説だった。
今、読まなきゃと思った。
物語は、若者世代と中年世代のふたつの目線から進んでいく。
話が進んでいくにつれ登場人物の誰もが被害者で誰もが加害者であることがわかっていく。
(被害者として描かれた人物にも加害をしてしまってる部分があるのではないかと、わたしはちょっと思ってしまった)
「もしかして自分も周りに何か加害してしまっているんじゃないだろうか」
「今まで無自覚にどれだけの人を傷つけて生きてきたんだろう」
後半に差し掛かるにつれてどんどん自分が責められているような感覚に陥っていった。
けれど、読む手は止められない。
どうにか、どうにかこの話に決着をつけてくれ…!と思いながらどんどん読んだ。
とてもリアルなストーリーだった。
少し救われた部分もあり、こうしたハラスメントが問題視されている現代社会において、
これから自分がどう過ごしていこうか考える機会にもなったと思う。
読んだ後は正直人間関係めんどくさすぎる…とちょっと人と関わることが嫌になった。
多分、気にし過ぎるのも良くないだろう。
人はどうせひとを傷つけながら生きていく。
その中で自分をなるべく生きやすいように、他人とのいい距離を保てるように、
こういった小説なんかで自分にはない考え方を知って、
ちょっとでも意識出来たらいいのかなと思った。
帯の永山瑛太さんの言葉が読了後だとさらに響いた。
大人になったら、幸せになるはずだった。
呼吸して生きてるだけなのに、人の隣にいるだけなのに、人は人を傷つけてる。
もう少しだけ、簡単に生きたい。
どうか、赦してください。
わたしもどうか赦されたい。
そして大事な人を赦しながら、自分を守る選択をしていきたいと思った。
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