Sumomanが残した感情のアウトライニング
みなさんはSumomanというゲームをご存じだろうか?
知らないという人はどうかそのままの君でいてくれ。こんな駄文を読むのは今すぐやめてYoutubeでも見ててほしい。
知っているという人はどのような経路で知っただろうか?
もし知人・友人などから教えてもらったならば、そいつは本当に友人かどうか考えたほうがいい。
ちなみに私は友人から教えてもらったパターンだ。
ことは約一年前、Sumomanがフレンドから贈られてきた。「サンタからのプレゼントだ」とのメッセージも添えて。
Sumomanであるということに目をつむれば実に粋な計らいだといえよう。
っていうかSumomanってなに?
ここにきてSumomanというゲームの説明をしてないことに気づいた。
SumomanとはSteamで販売されているインディーゲームだ。いや実際インディーかどうかはわからない。ていうかインディーの定義ってなに?まあ大体セール期間中に80%OFFの200円ちょいで売っているので多分インディーなんじゃないかな。
この安めの値段設定と衝撃的なビジュアルのせいで、Steamのフレンドからギフトと称しつつ、その実態としてはフレンド同士の開戦の狼煙として投げられる事が多いゲームでもある。
このSumoman、どんなジャンルか説明するのが難しいのだがあえて一言で表現するならば、「相撲系のタイムリープアクションパズルゲーム」だ。
何言ってんだこいつ?
百聞は一見にしかず、一応長々と説明はするが”プレイ動画”でも見てもらった方が手っ取り早いとは思う。
Sumomanってどんなゲーム?
ゲームはこの力士が自分の村に戻ってくると住民全員が眠りこけているシーンから始まる。簡単なあらすじは以下のようになる。
若い力士である主人公(スモーマン)は、相撲大会から故郷の島に帰ってくると、島の住人達たちが永遠の眠りの呪いをかけられていた。主人公は、持ち前の体躯とタイムリープ能力(?)を駆使して謎を解明すべく旅を始める。
……平然とタイムリープとかいう相撲ゲームらしからぬ単語が出てきた。ちなみに今後一切タイムリープについての説明が入ることはない。
なぜただの力士がタイムリープ出来るんだという令和史上、最大の謎に答えることができないのは私としても心苦しい。だがゲームも全編通してそれに触れることはないし、なんならストアページでも力士は、時間をさかのぼることができるなどと書かれる始末だ。
公式の説明の一部抜粋。(笑)じゃないんだよ
ともかく力士はタイムリープが出来るということは承知していただけただろうか?
ゲーム本編では力士が持ち前の身体能力とタイムリープを駆使してステージを攻略していく。タイムリープなんてメチャ便利な能力があるなら攻略なんて楽勝そうだ。
しかしこのゲームがすいすいと攻略できるゲームかといえば答えはNOだ。
理由はいくつかあるのだが、まず第一に力士の操作性がカスなのだ。
いや、確かにこの力士は大きな箱を動かしたり四股を踏んで地響きを起こしたり猛スピードで突進できる。しかしこの力士は一度倒れたが最後、自分で立ち上がる事が出来ない。
あとバランス感覚もない。すぐ転ぶ。こいつは力士の癖して踏ん張るという行為を知らないのか?
簡単にすっころぶし、小突かれた程度の衝撃でその場で身体を270度回転させて地面に這いつくばるし、そこから立ち上がることも出来ないのだ。
そして前述したタイムリープ能力はほぼこのカス操作性をカバーすることに終始する。
ちょっとの段差で転ぶ→自力で起き上がることは出来ない→タイムリープを行って転ぶ前に遡るという具合だ。
というかこのゲームの大半は、ちょっとの段差で転ぶ→自力で起き上がることは出来ない→タイムリープを行って転ぶ前に遡るという流れで構成されている。
これを歯ごたえのあるゲームと評するか、賽の河原の石積みにも匹敵する苦行だと評するかはあなた次第だ。
なおこのゲームは多少のパズル要素がある。箱を押したりスイッチを付けたりなどだ。これ自体はまあよく出来ている。
ただこのゲームはパズルで進むのか?アクションで進むのか?その区別が難しい。
Sumomanは自分はパズルで詰まったのか?アクションで詰まったのか?どっちなんだ?という判断に苦しむ
そして下手にタイムリープがあるせいで延々とトライ&エラーができてしまう。プレイヤーの心がすり減るまでゲームが中断されることはない。
要はゲームを中断する理由がプレイヤーの心が折れる以外ないのだ。
プレイヤーは心が摩耗しきるまでタイムリープを繰り返し針の穴を通すようなアクションや、ギミック解除に奔走する。
そしてそれらの試行錯誤が見当違いだったということは珍しくない。力士が横転しないことに苦心していたが、後ろにスイッチがありましたというケースは多々ある。恐ろしいゲームだよ本当に……
まだまだSumomanについては語りたいところだが、見返してみると黒縄地獄でのお勤め内容を解説しているのか?と見紛うような怨嗟の文章が2000字強綴られていたのでここまでにしておこう。
ちなみに私自身は半年ほど前にこのゲームをクリアしている。
喉元過ぎればなんとやらで。色々書いたけどクリアする程度には面白かったのかな。結構歯ごたえあるゲームだったしビジュアルも個性的で面白かったのかもなと思えてきた。
しかし先日、私同様にSumomanをフレンドから送りつけられた友人がSumomanを苦しみながらプレイしているのを目撃し、プレイ当時の鮮烈な愛憎混じった複雑な感情を思い出した。この感情を風化させるのは惜しいと思って本noteを綴った次第だ。
今後はその友人と供にSumomanギフト被害者の会(会員2名)を結成し、SuMoo運動を展開していきたい所存である。
気づいたらこき下ろし気味な文章になってしまった。誤解してほしくないので付け加えておくと。
Sumomanはクソゲーではない。
多分クソゲーじゃないと思う。クソゲーじゃないんじゃないかな。ま、ちょっとは覚悟しとけ。実際セールを狙えば200円ちょっとで買えるし遊んでみるのもいいんじゃないかな。
おわり
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