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非日常が日常化した暮らし

たとえば、外食をすること。

たとえば、家族全員で出かけること。

たとえば、父親が参観日に来ること。

知っている人は知ってる「ハレとケ」。「晴れ」の日や「晴れ」着として特別な日にを表す「ハレ」と、普段の生活や特別なことのない日常を表す「ケ」のことです。

今では当然のように可能になっていることが多くなっていますが、それがいいかどうかは置いておきます。

冒頭でも書いているように、外食をする、なんてことは圧倒的に特別なことだったのにもかかわらず、今では24時間空いているファミリーレストランがあり、コンビニのイートインでも食べることができますので、家の外での食事を外食とするなら立派なそれです。

家族全員で出かける、なんてことも、ぼくが幼少期には経験があまりありません。

実家が飲食店を経営していたこともあり、両親の休日は平日のみで連休なんてありませんから、周りの友人たちが土日でどこかへ出かけたことを月曜日などに聞くのが面白くはありませんでした。

それも小学校の高学年なんかになれば、大したことではないように思えていましたが、それでも、いわゆる「普通の家庭」に憧れを覚えていたのは事実です。

父親が参観日に来る、なんてことも上で書いた実家で営んでいた商売の関係で数回ありましたが、それも理解ができるようになった年齢からで、それまでは父も余裕がなかったのでしょう。

それだけ必死だったのは当時の表情を見ていればわかりますし、それを思い起こせば納得もできます。

そして、外食に話を戻せば、ぼくは実家がそば屋を営んでいましたから、基本的に食事は外食で、一般的な家庭料理など味わったことがありません。

母親の味、なんてものはぼくの味覚の中には存在せず、記憶に定着しているのは父親が作った鰹節の出汁をベースにした料理の味なわけです。そのおかげで、料理の美味しいかどうかの判断をつけやすくなりましたが。。

ただ、これは現代においてはさほど問題ではなくなってきているような気もしています。

非日常が日常化しているとぼくは思ってまして、外食なんてものも、上でも書きましたが、いつでもどこでもある程度楽しめるようになりましたし、家族旅行なんてことも土日にふらっとどこかへ車を走らせてみたら寄る場所がそこかしこにあるものです。

そうなって来ると、何が特別で何が特別でないのかを判断するのが難しくなります。つまり、要求の敷居が高くなる。

満足をしていないわけではないのに、不満に思えてしまったり、大して不満を感じているわけでもないのに、文句を言いたくなってしまったり...

ぼくも子どもと生活をさせてもらうようになってから、妻と二人では足を延ばすことのなかった場所へ連れ出してくれる彼らの存在に大きく感謝をしているところなのですが、ある程度の場所へ行ってしまったら、途端に満足するようになった自分に疑問が湧いてしまいました。

なんで。

どうして。

こんなはずじゃないのに。

自分はそれで満足したいんじゃなくて、もっと工夫をしたいはずなのに。

そんな風に考えてみて、ふと気づいたことがあって、非日常が日常化してきているのであれば、日常を非日常化させて行けば楽しいじゃないか。

もっと言えば、日常の中でも、本当に小さくて見逃してしまいそうな変化やイベントを察知して、それを共有するようにすれば、日常が平坦なものではなく、常に凹凸や昇り下りのあるジェットコースターのように感じられるんじゃないか、と。

ぼくが子どもたちとの時間を「期間限定で与えられる最高の贅沢な嗜好品」だと感じられたのも、そんなことを考えたからでした。

最近、ここ3ヶ月ぐらい、もうすぐで一歳になる三男を寝かしつけています。当初は泣いて泣いて仕方のなかった三男も、今ではゴロゴロ転がり、最終的にはぼくにピタッとくっついて寝るようになっており、そんな関係になれていることが嬉しく思うわけです。

それだって、ぼくだけではなく、三男に起こっている変化を毎晩ともにするからこそ感じ、味わうことができるわけですから、それほど嬉しいことはありません。

そんな風に、微細だけど、見逃したら損をしたような気分になることって、子どもたちだけでなく、大人たちにだってあるでしょうし、どこにだって転がってるんだってことに気づきました。

それをどうにか工夫をし、もっとよくするためには、もっと楽しむためには、もっとその時間を確保するには...そんなことを考えて生活をしていたら、日常が非日常化できるのだと思います。


本日もお読みいただき、ありがとうございます。

小さな変化を起こすようにすること、それを見逃さないこと、簡単ではないですが、やってみると楽しいです。


ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo

#スポみら (元 #スポーツの未来に僕たちができること )オーガナイザー。 第一弾、新潟経営大学イベントの資金調達を目的に行ったクラウドファンディングは3サイトで募集し、すべて目標達成(総合達成率140%)#新潟 を #許容度の高い エリアにすべく活動


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