クルマは凶器だけど、自由を奪う権利は誰にもない。
4月19日、東京池袋で起きた87歳男性が運転するクルマが歩行者をはね、母娘が死亡する事故が発生しました。そのニュースをネットを開くたびに目にし、都度、苦しく、切なく、痛くなってきます。
このニュース自体はマスメディアはもちろん、ネット上でも大きな話題になっており、特にネット上では「運転免許を高齢者は返上、もしくは剥奪すべき」などといった過激な意見も散見されるため、なんだか物悲しい気持ちにもなります。
どうして物悲しいのかと言えば、「禁止や返上、もしくは剥奪」などと人の移動する自由を略奪する権利など誰にもないわけで、それを感情論に任せて事故を起こしてしまった人物に、何でもかんでもぶつけていいものではないと思うからです。
ただ、現状を映す数値、つまり「事実」としてどうなのか把握した上であれば、相互に発言権が生まれるのではないかと思ったので少し調べてみました。
以下のファイルは警察庁が出している『高齢運転者の交通事故防止対策に係る警察庁の取組等について』と題されたファイルで、その内容は「75歳以上を高齢運転者」として定義し、「それ(75歳)未満の運転者」との間で交通事故の内訳比較をしている資料となっています。
免許人口10万人当たりでの統計を見てみると、75歳以上、さらに上の世代である80歳以上の運転者が起こす交通死亡事故の比率は、75歳未満の運転者と比較してみると多い傾向にありますが、年々減少してもいます。
年々減少をしているとはいえ、75歳未満の運転者と80歳以上の運転者との間にある差は2倍以上あり、10人に1人が事故を起こす計算になっていますから、数値をみる限りは対策を講じる必要があるわけで、人口動態的に見ても日本は高齢者が増え続ける現状を踏まえると、その対策は急務であると言えます。
資料内には警察庁が防止対策を出しており、中には法改正なども視野に入れて動く旨を記載していますが、急いで対応が必要なのは理解していながらも、それが叶うのはいつの頃になるのか、と寂しい風が吹き背中が寒くなります。
ただ、実情としての数値は、高齢運転者にとって不利なものである以上、法改正などと合わせて、民間企業としても何かしらの対策と打出しが必要なのは言うまでもなく、日本全体的な課題とも言える状況になってきているのだと感じざるを得ません。
では、「禁止・返上・剥奪」などの「つよい言葉」と「きまり」で縛る方法しかないのかどうかを実際に掲載されている資料を見ながら考えてみます。
資料内の比較項目「死亡事故の人的要因」の中で、今回の池袋の件でも取り沙汰されている「アクセルとブレーキ問題」の数値も掲載されており、75歳未満の運転者と比較して、比率的にいえば9倍弱上回っています。
これは、事実として75歳以上の高齢運転者はブレーキとアクセルを踏み間違えた結果、高い比率で死亡事故を起こしていることを指しており、事実です。
ただ、身体操作を伴う「運転技能」は高齢運転者が危険な運転をしてしまうことは事実としても、操作不適以外の項目、つまりは「技能」ではなく、運転者の運転「意識」の怠慢によって起こる事故の比率に目を移すと、少し考え方を整理する必要性を感じます。
死亡事故の類型比較を示す資料に目を通すと、高齢運転者が起こす死亡事故は「車両単独」で起こっている比率が高く、「人対車両」で起こってしまった交通死亡事故は「75歳未満の運転者」が人の横断中などに起こしていることが高く、明らかに「意識の怠慢」によって75歳未満の運転手の方が交通死亡事故を起こしており、これをみる限りはどっちもどっちなのだと思わざるを得ません。
つまり、これらから言えることは「操作不適な状態を防ぐこと」が整備できれば、一律に高齢運転者の免許を「禁止・返上・剥奪」などといった強権発動の上で「移動の手段を奪う」といった自由を奪う行為をせずに済む、とするのが現段階で考えるぼくの意見。
では、具体的にどうするか、なのですが、成毛 眞さんがFacebookで書いていた施策に対し、ぼくは大いに賛同しました。
喫緊でできる最善の手なのではないかと思ったこともあり、以下、その全文を引用掲載させていただきます。
以下の文章は、池袋の事故をシェアしながら書かれている内容であり、成毛さんがシェアを薦める内容でもありますので、賛同した方はぜひシェアしてみてください。
官・民で相互にできる最善を尽くして行こうとドライブしていくことで可能になるものだと思いますし、これが実現すれば事故がなくなるなんてありえませんが、少なくとも今の混沌とした中で不安を抱きながら生活をするよりはよほど前向きではないでしょうか。
地方ではクルマがないと生活が成り立たないということもあるだろう。しかし、高齢者による交通事故や逆走が増えてきているのも事実だ。となると、制度を改正するしかない。一律に、とりあえず80歳で運転免許を返上してもらうべきだ。そのうえで、反射や判断などの試験を受けて、合格なら1年間毎に更新するという期間限定運転免許制にするべきだ。いまより少しハードルを上げるだけだ。
同時に損保会社も80歳以上は対人無制限を契約条件にするべきだ。さらに、80歳以上のドライバーについては、レーダー・センサー付きの自動ブレーキ車じゃなければ、保険料は倍にするということにするべきだ。金融庁のご指導があれば、損保会社は来月からでも喜んで、各社一斉一律ならばと、開始できるはずだ。彼らも高齢者ドライバー関連事故への保険金の支払いで困り始めるはずなのだ。
結果的に運転を控える高齢者は増えるであろうし、そして何よりもクルマが必要な高齢者は安全なクルマに切り替える。いまは軽自動車でも新車であればアクセルブレーキ踏み間違いを検知できるのだ。そして、万が一の事態でも補償ができるようになる。免許よりこの政策のほうが効くであろう。
自動車会社の経営陣もこの問題に真剣に取り組まないと、そのうちにクルマは凶器というイメージがまたまた作られて、販売は低迷するであろう。80歳以上のドライバーの車買い替え大幅割引をするべきだ。5年間の期間限定で利益なしで販売しても、長期的にはペイするはずだ。その場合、もっとも安い軽自動車は50万円程度になるだろう。
そして上記すべてを2020年4月に同時に開始するのだ。社会に対する強いメッセージが必要だ。なにしろ情報接触が少ない年齢層に到達する必要があるからだ。要するに警察だけでなく、損保も自動車会社も含めて社会問題として考えないとならない。絶対に母子の死を無駄にしてはならない。
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本日もお読みいただき、ありがとうございます。自動運転がインフラとして整備される世の中になったら、こんな悲しい事故が減っていくのでしょうか。そうであるならば、一刻も早くなってもらいたいものです。
ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo)
#スポみら (元 #スポーツの未来に僕たちができること )オーガナイザー。 第一弾、新潟経営大学イベントの資金調達を目的に行ったクラウドファンディングは3サイトで募集し、すべて目標達成(総合達成率140%)#新潟 を #前向きな空気の溢れるエリア にすべく活動中。