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保険の勧誘、年の瀬に思うこと、この先の人生

諸用を済ませに、夜勤明けの怠い体を無理やり起こし、朝食も摂らずに近所の銀行へ。14:53に窓口へ滑り込んでミッション完了。「さ、お腹空いたし帰ろう」と思いきや、窓口のおばさまから「税金の控除が受けられる保険があるのでお話だけでも」と持ちかけられる。特に断る理由がなく、話だけ聞いてみることに。

人気の少ないカウンターに移動して、「ライフアドバイザー」的な肩書きのお姉さんに交代されて話を聞く。個人年金代わりにも出来る終身保険が幾つかあり、お好みであれば利率の良いドル建てもおすすめとのこと。最終的にそのお姉さんが自分と同い年だということが判明してすこし驚きつつ、「正月休みにゆっくり検討します」と言ってパンフレットをもらい銀行を出た。

私は今30代前半だが、生命保険や医療保険には一切入っていない。

突然の勧誘だったけど、そろそろ真剣に検討すべきなのかもー

今から加入すれば、10年後に受けられるリターンは十分メリットがあり、その頃には持病の一つもあるかもしれない。加入するのであれば今の年齢が最後のタイミングかもしれない。

大気汚染がひどい国に何年か住んでいたし、その他海外旅行などなど、色々好き放題してきた。不眠に悩まされたり、目を酷使したり、耳に悪いくらい大音量で音楽を聴いたり、脂質や乳製品を食べすぎ、ジャンクフードばかり好んで食べていた時期もある。

生まれ持った遺伝子と環境、食生活、生活習慣、肺に取り入れたもの、衛生概念、そして運と偶然の要素ーそれらをすべてランダムに掛け合わせて、弾きだされるものが疾患や病気なんだと思う。だから基本的に病気になってもそれはしょうがないことだと思うし、自分が不幸だと騒ぎ立てようとは思っていない。むしろ30年以上も健康に生まれて暮らせたことに感謝したいとすら思っている。

この思想と保険の加入はギリギリ矛盾しないと思っているので、正月休みにはパンフレットを熟読して、自分なりにリサーチもしてみるつもり。


この話から少し思考が飛躍してしまうが、年の瀬はこの先の人生について考えてしまう。仕事が落ち着いて時間的余裕が出来るのと、「年の瀬」という非日常感、リミナルな時期にあるという強い自覚のせいだ。

思えば、日々些細なことでイライラする自分が本当に情けなくなるくらい、私は幸せだ。職場で思うようにいかなくてイライラするのも、それはちゃんと働ける心身があってこそ。体と心が健康で、ちゃんと就活をして、面接に受かって選んだ道だ。道が渋滞してイラつくのも、自分が車を持っていて、免許も持っていて、行くべき場所があるからこそ。そう思えばイライラも落ち着いてくる。こういう意味で年の瀬は自分に新たな気づきを与えてくれる、神聖な時期だと思う。

私は今独身で、結婚する予定の人もいない。両親を不安にさせているのだけが気がかりだ。でも両親は私に結婚して欲しいのではなく、漠然と「幸せになってほしい」と願ってくれていると信じている(というかそう思うようにしている)ので、あまりとらわれずに自分の道を歩いて生きたいと思う。

この「幸せ」というのは、私の中では「充実した、意味のある」という言葉に置き換えられる。「幸せ」が何を指すのかあまりわかっていないが、上滑りするだけのような物的幸福、経済的幸福は不要だ。高級な食事も家具も服飾品も不要だ。また、「笑顔」=「幸福」とも限らない。己のやるべきこと、そう自覚しているものを着実に実行している時の真剣で、苦しい表情のほうがよっぽど「幸福」に近いこともある。女性は笑顔の方がいい、というが、私は笑顔ではないときの自分も大好きだし大切にしたい。今の仕事は好きだから、まっすぐに向き合って普通にちゃんと頑張りたいって思う。(語彙力)「仕事は給料をもらうための手段」と割り切っている人もいるし、それも悪いことではないと思う。でも私の場合は幸いにして「好きなこと」を仕事にできたし、それで給料が発生しているし、自分に出来る質/量でアウトプットを継続できているので、所謂「天職」に近めなんじゃないかと思っている。だからこそ、「お金をもらう手段」と割り切って考えたくない。割り切った瞬間に私は幸せではなくなると思う。

人生がどう転ぶかなんてわからない。今の仕事をずっと続けてもいいなと思うし、気が向けば転職もありだと思う。ある日突然病気が発覚して入院生活になるかもしれないし、普通に明日にでも災害が起きて死ぬかもしれない。

どんな人生だって物語性がある。生きている本人が意識せずともだ。だから生きているだけで、本当にみんなOKだと思う。広告やメディアはやたらと「人生を前に進める」っぽいことばかりを宣伝してくる。脱毛、転職、婚活、英会話、最新の携帯、などなど。でもそれはあなたのためじゃなくて、利益のためだ。無理やり人生を前に進める必要なんかない。自分の奥底から湧いてくる欲求、不満、渇望、退屈に飽きた気持ち、そんなものによって人生は不意に回転数が上がってグンと一気に進む。中途半端な外的刺激によって無理やり前に進めるなら、それには無駄な馬力を使うことだろう。

だからもしあなたが今「今の状態を維持したい」「今ある幸せをもっと噛み締めたい」と思うのであれば、思い切って人生を前に進めないことをおすすめしたい。勇気を持って停滞し、いつか退屈や不満があなたを満たすまでそこでじっとしていたらいいと思うし、私もそうしているつもりだ。実際に上司から数年前より東京の本社で広い世界を見ろ、と言われているが、今のポジションが今の私には一番幸福だという自負がある。軽やかにキャリアチェンジする同僚や後輩を見ると少し焦るが、その焦りを原動力にして得られるものは、大したものではないと思う。私は今の仕事に引き続き励みつつ、いつか自分の内側から大きな火山が噴火するのを待っている。何かを変えたい、変えねば、という強い義務感がいつか私を襲うのを待っている。それまでは今与えられた役割を十二分にこなして楽しんでいたい。

最後まで読んでいただき、アリガトビーム!!(ノ・_・)━━━━━━

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