見出し画像

今の若者に、仕事の「攻略法」をいつ渡すのか?


「とりあえずやってみて」とか「まずは自分で考えて」が若者にはあまり響かない。なぜか?という話。

「どうすればいいのか知ってるんだから、出し惜しみせず教えてくれればいいじゃん。」

「とりあえずやってもどうせ失敗してやり直しだし、自分で考えてやっても上の人にいろいろなおされて結局相手の希望通りにさせられるなら、最初から教えてよ。」

今の若者は大抵そう思うんですよね。

ただ、「最近の若者はすぐ答えを知りたがるんだよ」と、上の世代の人たちからはすこぶる評判が悪いんです。


「無駄なく最短ルートで成長したい」若者たち

「世代論」についての本を読むと、どの本でも必ずといっていいほど、「若者はすぐに答えを知りたがる」と書かれています。コスパ・効率重視で試行錯誤を嫌い、なんでもかんでも他人に聞いて解決してもらおうとする。それが、「若者」。

『なぜ最近の若者は突然やめるのか』という著書にも以下のように書かれています。

オトナは時折、若者に修行の機会を与えようとします。
「まずは1回、自分で考えてみてよ。それから打ち合わせしよう」
なんでもすぐ答えをほしがるな。自分で考えるようになってほしい。そうした悩みの時間や、立ち止まって考えること、それが経験値となって成長につながる。そんな想いで、あえて課題を与えるわけです。
しかし残念ながら、若者にその想いは届きません。「なんだこの無駄なやり取り」と思われるのがオチです。彼らは「無駄なく最短ルートで成長したい」と考えているのです。
インターネットやSNSには、さまざまな情報が存在します。そこには仕事の解もたくさんあると、彼らは信じています。自らが難しいことに挑んで無駄に時間をかけるより、SNS上の友達から答えを聞けばいい。そのほうが仕事も捗るとナチュラルに考えているのが若者です。

確かに、私自身も「まず自分で考えてやってみたら」と言われても、チャットや過去のログから似たようなケースを探し出し、真似できるところはパクる側の人間なので、気持ちはわかるw

そしてここで話を終わらせると、「若者は楽して答えを貰いたがる」「若者は試行錯誤が嫌い」という結論になってしまいます。

でもそうじゃない、というのがこの話なわけで。

若者は、正解を探すまでの過程じゃなくて、正解を見つけた「あと」に試行錯誤する。


ポケモンの四天王を倒したあと

ポケモンといえば、ルビーサファイアからやり始めた世代なのですが、当時の進め方はせいぜい攻略本を買って読みながら進めるくらいのものでした。なんとか四天王を倒して殿堂入りしたい、みたいな。

ただ、この令和の時代、「最速で四天王クリアしてみた」みたいな動画が出回っており、裏技に気づいたらツイートし、、と最近のゲーム界隈はこんな感じ。

でもそうやって「若者はすぐ答えを知りたがる」が、大半のゲームは飽きられておらず捨てられていない。なぜか?

それは、ゲームを「クリアすること」ではなく、「やりこむこと」を前提に進めている(作られている)からです。

最近のポケモンは色や大きさがレアなものがあって、出現率はだいぶ少ないらしい。国際大会では100レベなのは当たり前で、ポケモン同士の組み合わせで戦略を考えたり、他の言語のポケモンと国際孵化とかするらしい。マジで。

そう、別に若者は「試行錯誤」や「ムダ」自体が嫌いなんじゃない。「試行錯誤」するタイミングが、オトナたちとちがうだけである。


若者は「答えを知ったあとの応用で差別化する」世代

「とりあえず資料つくって」「まずは自分で企画を考えて」のように、「答えを見つける過程で努力しろ」というのは、まあ若者には響かないんです。

でも、
「サンプル3つあるからそれを見て資料つくって」
「過去の企画の記録を参考に新しい企画出して」
というように、
「答えを与えたうえでその応用のための試行錯誤」
であれば、たぶん多くの人は喜んでやると思う。

わざわざ情報を遠ざけて、なにも知らずに突っ込んで連敗する必要なんてない。さくっとジムリーダーを倒しちゃえばいい。試行錯誤は、そのあとにはじまるのだ。

「こいつはなんでもかんでも答えを知りたがる。向上心がないイマドキの若者だ」

なんて嘆く前に、

「答えを教えたあといろいろ試行錯誤するのかもしれない。まずは模範解答を示して様子を見よう」

と思ってみてもいいんじゃないだろうか。

と、おもう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?