続・ロシア(核保有国)ウクライナ戦やイスラエル(核保有国)イラン戦で小型核兵器が使用されると . . . NUKEMAP(核兵器による被災予想シミュレータ)
大統領選挙前から予告されていた通り、昨日、ロシア軍が戦術核兵器部隊による軍事演習を開始したそうです。
少し前の記事『もしロシア(核保有国)ウクライナ戦やイスラエル(核保有国)イラン戦で小型核兵器が使用されると . . .』の中で、映画『トータル・フィアーズ』および『アメリカン・アサシン』で小型核兵器が爆発する様子が描かれた場面を引用しましたが、この記事では "Restricted Data: The History of Nuclear Secrecy in the United States"
の著者であるスティーブンス工科大学のアレックス・ウェラースタイン教授
が開発・運営している核兵器による被災予想シミュレータ NUKEMAP(hosted by College of Arts and Letters, Stevens Institute of Technology)を紹介します。
例えば、ウクライナの首都であるキーウ(キエフ)(人口は約300万人)中心部にある旅客駅の上空でTNT換算20キロトン(長崎に投下された原子爆弾と同じ程度の威力)の核爆弾が爆発した際の死傷者数をシミュレータは次のように予測します。
新宿副都心(東京都庁)の上空で同様の核爆弾が爆発した際の死傷者数をシミュレータは次のように予測します。
尚、NUKEMAP は、昼間の労働人口ではなく、LandScan Global Population Database の(少し旧い版の)ambient population(周辺人口、24時間の平均値)に基づいて被害を推定しているので、昼間の労働人口と夜間の居住人口の差が数十万~数百万人に達する日本の大都市中心部で週日の昼間に核爆発が起きた場合の死傷者数はシミュレータが予測する数字よりかなり多そうです。
https://landscan.ornl.gov/about
40年前に放送されたNHK特集『世界の科学者は予見する・核戦争後の地球(1)-地球炎上-』の中で描かれた東京タワー上空(高度 2,400メートル)で爆発した1メガトン(TNT換算)の核爆弾で東京が壊滅する様子ほど詳細な被災予測ではありませんが、有用な資料であると思います。
もしロシアがウクライナ領土内で核兵器を使用しても、ロシア対NATO・アメリカ対中国の全面核戦争に繋がることはないと信じますが、戦争や外交の一寸先は闇であり、ロシアかウクライナのトップが交代しない限り、無益な戦いは続きそうです。
NUKEMAP に加えて MISSILEMAP も提供されていることを末尾に書き添えます。
追記
一つ前の記事
でも引用しましたが、『ゴジラー1.0』(GODZILLA MINUS ONE)(2023年)の中でゴジラが放出する熱線はまるで小型核兵器のようでした。
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