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Make Gaza Great Again - 第二次トランプ政権と中東問題 - イスラエル・パレスチナにおける2000年間の人口の推移

前置き(引用)が長くなりました。お急ぎの方は本文へ進んでください。


イスラエル・パレスチナにおける人口の推移
(1世紀前半〜2000年)(単位:千人)

(単位:千人)

ユダヤ人とパレスチナ人の居住地域
(1948年5月15日 vs 2000年1月1日)

(単位:千人)

大統領に再度就任する前から、内政についても、外政についても、Flood the Zone 戦略・戦術で休む間もなく新しい政策を発動し続けるドナルド・トランプ大統領ですが

今週はウクライナをめぐって(戦争の直接の当事者ではない)アメリカとロシアが近日中にヤルタ会談(のようなもの)を行う旨を発表し

先週はガザに関する様々な発言で各国を騒がせました。

以前の記事に記した内容を下記に再掲しましたが、ユダヤ人が離散した以降の年月に比べれば極めて短い第二次世界大戦後の80年間の歴史を振り返るだけでも、イスラエルとパレスチナが共存することは不可能であると考える第三者は少なくありません。

ガザを一旦空にするというトランプ政権の方針(?)は荒唐無稽な提案ですが、共存が無理であればどちらかを他所へ移転させるしかないと不動産業者が発想するのは自然な流れかもしれません。ただ、アメリカ・ファーストのトランプ政権がガザの市民・難民が他所へ引っ越して暮らすのに必要な費用を負担するはずはなく、周辺各国にも(点在する既存の難民キャンプに加えて)場所を提供する動きはないので、現時点ではガザを一旦空にするという提案は絵に描いた餅に過ぎません。

エルサレムの管轄問題も含めて、遠い将来、カナンの地で暮らす人々に平穏な日々は訪れるでしょうか...


以前の記事からイスラエル・パレスチナに関する部分を再掲します。

QUOTE

(2022年)2月から続くロシアによるウクライナ侵攻に続いて、イエス(ユダヤ人)がイスラエル(パレスチナ)の荒涼とした大地を歩まれた頃、あるいは(古代)イスラエル王国の成立まで起源を遡る紛争の拡大が世界を揺るがしています。

(イスラエルに居住する約600万人を併せて)1,500万人余りいると言われるユダヤ人ですが、その1/3はアメリカで暮らしています。無宗教のユダヤ人(例えば、フロイトやマルクス)や、他宗教に改宗したユダヤ人もいるようですが

世界各地へ離散してから十数世紀・数十世代を経ても、言語、宗教、伝統、慣習、他が守られています。

20世紀初め、当時はロシア領土であったウクライナの架空の町アナテフカ(原作のショーレム・アレイヘム作『牛乳屋テヴィエ』ではボヤベリク)を舞台とする作品ですが、物語の終盤、テヴィエ一家は、ユダヤ人排斥の難を逃れ、アメリカ(原作ではイスラエル)へ向かいます。

https://youtube.com/watch?v=VQXcXY0h95Q&t=185s

19世紀末、当時はロシア領土であったウクライナ北東部にあるショストカで暮らすマウスクビッツ一家は、(ロシア)コサックの猫の大群に襲われ、棲家を焼かれます。一家はハンブルクを経由してアメリカを目指します。

芸術(文学や音楽や美術や演劇や(ハリウッドを含む)映画)に秀で、自然科学や人文科学でも目覚ましい業績をあげ

アメリカやヨーロッパの財界や政界の中枢で権勢を誇り

最先端のIT産業をも牽引する

ユダヤ人に、(20万人ほどのキリスト教徒を含む)パレスチナ人は、第二次世界大戦の終戦以降、ずっと押され続けてきましたが、長年に渡る血で血を洗う争いを理解する上で(推計)人口の推移が一助となるかもしれません。

Demography in Israel / Palestine: Trends, Prospects, Policy Implications
(Sergio DellaPergola, August 2001)

日本の幕末頃まではイスラエル・パレスチナに居住する人口の大半はアラブ人であり、ユダヤ人は極めて少数派でした。

(前略)

ウマイヤ朝がアラブ帝国の統治権を奪ってシリアのダマスクスに遷都したのは661年であったが、これに反対する勢力は683年に対抗ハリーファを立ててマッカとマディーナを693年まで支配した。

この間、2大聖地(マッカとマディーナ)を失ったウマイヤ朝はそれに匹敵する聖地をパレスチナのイェルサレムに求めた。そこはイスラームが兄弟宗教であると認めたユダヤ教とキリスト教にとっての最大の聖地であったし、また、『クルアーン』には預言者ムハンマドがマッカから「夜の旅」(イスラー)をして「遠隔のモスク」(イェルサレム)に至ったと記されている。さらに、『預言者伝』などでは大天使ガブリエル(アラビア語ではジブリール)に導かれて、そこから「昇天」(ミウラージュ)して神に対面してきたという伝説も記されている。しかも、最初期のイスラームでは信者はマッカでなくイェルサレムに向かって礼拝していたほどだから、ここをマッカに代わる枢要な巡礼地とすることには十分意味があった。

(後略)

1947年に起きたエクソダス号事件に基づいたレオン・ユリス作『エクソダス』を原作に、イスラエル建国を目指すユダヤ人達と彼等を支援する人々の苦難が描かれています。

それが百数十年のうちに様変わりしたわけですから、争いが容易に終息するはずはありません。

UNQUOTE




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