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プーチンのロシア(2009年)強まる国家資本主義・膨張するロシア正教・グルジアの苦悩・復活する軍事大国(全4回)揺れる大国(NHKスペシャル)

1.プーチンのリスト~強まる国家資本主義~ 2009年3月1日(日)
2.失われし人々の祈り~膨張するロシア正教~ 2009年3月2日(月)
3.離反か 従属か~グルジアの苦悩~ 2009年3月22日(日)
4.プーチンの子どもたち~復活する“軍事大国”~ 2009年3月23日(月)


揺れる大国プーチンのロシア(NHKスペシャル)


(岸田首相)襲撃事件は新興宗教等とは関係がなさそうですし、旧統一教会との関りが統一地方選挙に立候補した候補者の当落に大きく影響した事例も報道されないので、この週末はロシアやプーチン大統領に関する記事や映像を閲覧していました。

中でも(昨年5月にまとめて再放送された)NHKスペシャル『揺れる大国 プーチンのロシア』(全4回、2009年3月放送)は、その後、クリミア半島の併合を経て現在に至るプーチン大統領と彼を取り巻く官僚や軍人や新興財閥(オリガルヒ)の言動を素人なりに解釈する上で役に立ちそうです。

4本まとめて再視聴するのに3時間以上かかりましたが、ロシア国内で学校に通っている子供たちの多くは軍国少年少女ではないかと推測される一方、プーチン氏が初めて大統領に就任した当時に幼児や青少年であった若者たちも既に20代から30代に達しており、ソヴィエト連邦時代を懐古する高齢層も含め、今後も大勢の老若男女が特別軍事作戦(ウクライナへの侵攻)を支持し続けるのではないでしょうか。

お時間があれば、ソヴィエト連邦の崩壊後、ロシアの市民が歩んできた道程を理解する一助として、是非ご覧ください。


揺れる大国 プーチンのロシア
プーチンのリスト~強まる国家資本主義~


2009年3月1日(日)午後9時00分~9時49分

オイルマネーの流入で、いちやく経済大国となったロシア。去年秋の金融危機以降、プーチン首相のもとで進む経済対策、支配の強化によって、財界はかつてない大混乱に陥っている。

ロシア経済の繁栄を支えてきた外国資本が一気に去り、頼りは国家が貯めこんだ資金だけとなった。ソ連邦崩壊後、市場経済化の中で急成長してきた新興財閥は巨額の負債を抱え、国の支援を受ける代わりに国から送り込まれた監視役を受け入れざるを得ない状況に陥った。プーチン首相は、国家が蓄えた巨額の資金を振り分ける企業を選別する「プーチンのリスト」の作成を指示。財閥たちはリスト入りをかけて熾烈な争いを繰り広げ、そのことがプーチンによる財界支配を強化していく。

取材班は、リーマン・ショックの前から財閥に密着。激動の瞬間をカメラに収めながら、ロシアの内部で起きている知られざる闘争と変貌を見せていく。

この20年、社会主義から資本主義へと転換し、国の財産を我がものとした財閥が跋扈した時代から再び国家の統制する時代へと舵を切ったロシア。そして今、「プーチン流の国家資本主義」ともいわれる異質な大国へ姿を変えようとする様を、経済の最前線の取材から明らかにしていく。

https://www.dailymotion.com/video/x8b7my1


揺れる大国 プーチンのロシア
失われし人々の祈り~膨張するロシア正教~


2009年3月2日(月)午後10時00分~10時49分

強い国家を目指すプーチン時代に、新たな役割を担い、完全復活を遂げているのがロシア正教だ。格差が広がるロシアでは庶民の荒廃が猛スピードで進み、各地の教会には連日悩みを抱えた人たちが殺到している。極寒の12月、モスクワ市の繁華街の教会では、ホームレスや年金生活者が給食サービスに列をなしていた。また教会の救済講座には、家族を捨て犯罪に走った中小企業の元経営者や、生きる望みを失ったソ連時代の著名科学者らが神に助けを求めてもがいていた…。さらなる求心力の強化を狙う政権側は、このロシア正教に接近。教会側も、小学校での愛国道徳教育や独自メディアを使った大量布教を目指してまい進している。番組は、ロシア正教に救いを求める庶民たちに完全密着し、人々がロシアの伝統に回帰し、強い国家を求め始めている現実をルポルタージュする。

https://www.dailymotion.com/video/x8b7ncj


揺れる大国 プーチンのロシア
離反か 従属か~グルジアの苦悩~


2009年3月22日(日)午後9時00分~9時49分

世界を震撼させた去年8月のグルジア紛争。ロシアと周囲のCIS諸国との亀裂を深めることになった。爆撃に曝された町・ゴリの中学校には紛争後300人を超える、家を焼かれた難民の子供たちが転入してきた。この中に、モスクワで暮らしてきたグルジア系住民の子供たちが一緒に学ぶことになった。夏休みで一時帰国していて紛争に巻き込まれ、ロシアに戻れなくなったためだ。モスクワには、100万人のグルジア系住民が出稼ぎなどで暮らしており、その仕送りはグルジア経済を支えている。今回の紛争とその後の国交断絶は、多くのグルジア人の仕事を奪い、家族を引き裂く結果となった。最大の被災地ゴリとグルジア系住民が暮らすモスクワを舞台に、政治対立によって翻弄される家族のドラマを、国家の思惑や歴史的な視点も織り込みながら描いていく。

https://www.dailymotion.com/video/x8b6vwm


揺れる大国 プーチンのロシア
プーチンの子どもたち~復活する“軍事大国”~


2009年3月23日(月)午後10時00分~10時49分

ソビエト崩壊後は弱体化の一途をたどってきたロシア軍が、いま、際立って存在感を取り戻しつつある。プーチン政権は強い軍隊を「大国復活への拳」と位置づけ、軍の再生に力を入れてきた。ロシア全土で次々と新設されているカデット(軍人を養成する学校)。ロストフ州にある「プラトフ将軍記念カデット」では12歳から17歳までの男女300人が学ぶ。カラシニコフ銃の組み立てや手投げナイフの特訓などの「軍事訓練」とともに、「国家を守ること」の絶対的価値をたたき込まれる。アレクサンドル・マスレイニコフ君は「アメリカに対抗するため、最強の戦略核ミサイル部隊に入隊したい」と目を輝かせる。

20世紀初め「世界最強の陸軍国」と恐れられたロシア。急速に膨張する民衆の愛国心、そしてその上に形作られようとしている“覇権主義”の危うさを最前線から報告する。

https://www.dailymotion.com/video/x8b736q



何が戦火を招いたのか 〜ウクライナ侵攻への軌跡〜

NHK BS1 2023年4月19日(水)午後11:20~午前0:10

ロシアによるウクライナ侵攻を、欧米諸国はなぜ止められなかったのか。仏・オランド前大統領ら関係者の証言で検証するとともに、暮らしを破壊された市民の声を伝える。

ロシアによるウクライナ侵攻を、欧米諸国はなぜ止められなかったのか。EUとウクライナの連携協議が行われた2013年以降の過程を、仏・オランド前大統領ほか関係者の証言で検証。また親ロシア派が一方的に独立宣言し、これを反政府勢力とみなすウクライナ軍との間で戦闘が続くドンバス地方を長期取材。紛争の狭間で苦悩する住民を追った。

原題:UKRAINE: THE ROAD TO WAR(フランス 2022年)

https://www.dailymotion.com/video/x8jlcn8


Leaders of Germany, France, Russia, and Ukraine first came together in 2014 to sign the Minsk Agreement in an attempt to end the conflict occurring in Ukraine.


特別軍事作戦(ウクライナへの侵攻)が始まる1週間前の新聞記事
(2022年2月17日 日本経済新聞 朝刊)

2022年2月17日 日本経済新聞 朝刊

2015年 ミンスク合意 - ロシアの論拠 親ロ派地域に自治権
1994年 ブダペスト覚書 - 米欧「ロシアが違反」

2022年2月17日

ウクライナ情勢を巡り、多国間による2つの「合意」が焦点となっている。ロシアはウクライナ東部紛争の和平への道筋を示した「ミンスク合意」の履行を迫る。一方の米欧はロシアこそが過去に結んだウクライナの安全を保証する「ブダペスト覚書」に違反していると批判する。緊張緩和に向けた外交交渉は難航が予想される。

国連安全保障理事会は17日の会合でミンスク合意の履行状況を議論する。議長国のロシアが呼びかけた。同国はウクライナが合意を履行していないと批判しており、その主張に国際社会の賛同を促す狙いがある。

ミンスク合意はロシアとウクライナ、独仏首脳が2015年にまとめた。ウクライナ東部で14年から続く同国軍と親ロシア派武装勢力との紛争について、停戦と和平への道筋を示した内容だ。独ロ首脳も15日の会談で、同合意の枠組みが重要との認識で一致した。

履行に向けた最大の争点が親ロ派が占領する東部地域に広範な自治権を持たせる「特別な地位」の付与だ。ウクライナは事実上の連邦制とロシアによる実効支配につながると警戒する。同地域での地方選の実施についても、親ロ派を支援する名目で侵攻してきたロシア軍の撤収や、ウクライナによる国境管理が条件だと主張してきた。

ウクライナには合意がそもそもロシアに有利な内容で結ばれたとの不満がある。ロシアはウクライナが訴える項目の修正を拒否してきた。ウクライナが合意を守らず、武力解決を試みているとの立場を取り、同国への圧力を強めた。

ロシアには緊張をあおり、米欧が合意の履行を促すように仕向けたい思惑もある。プーチン大統領は15日の記者会見で、どこまで緊張緩和を進めるかは「状況次第」と言い放った。部隊撤収を国防省が発表し「良い兆候だ」(ショルツ独首相)と期待する見方が出た矢先だった。

ロシアによる揺さぶりは続く。下院は15日、親ロ派武装勢力が実効支配するウクライナ東部2地域を独立国家と認めるようにプーチン氏に求める決議案を採択した。

ブリンケン米国務長官は16日の声明で、国家承認すればミンスク合意に違反すると明言した。「米国が同盟国やパートナー国と完全に連携し、迅速かつ断固とした対抗措置を講じる必要が出てくる」と警告した。

ロシアは同国こそが国際合意に違反しているとの批判は受け入れてこなかった。特にウクライナを巡り、1994年に同国とロシア、米英が署名した「ブダペスト覚書」に違反した行為を続けているとの指摘がある。

覚書はウクライナがソ連崩壊時に国内にあった核兵器を放棄する代わりに、同国の主権を尊重し、武力行使や威嚇をしないと定めた。ロシアが14年にクリミア半島の併合を一方的に宣言したのに続き、今回の国境近くでの軍備増強もこの覚書に違反すると米国は批判する。

プーチン氏がこの覚書に言及することはミンスク合意に比べて圧倒的に少ない。ロシアに有利な合意は利用し、不都合な覚書は黙殺する。同氏の姿勢はそんな「ご都合主義」にも映る。国際的な合意を軽視する強権国にどう対抗できるか。軍事圧力によってロシアとの交渉を強いられた米欧は難しい対応を迫られる。



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