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視点の自由研究No.174「視点_映像の未来予想2025」
個人的日記的な要素と備忘録として書いているこのコラム。今年も恒例の来年の業界予想を書いてみようと思います。大きな流れとしての予想なので、傾向的な趣ですが、楽しみの一つでもあります。また予想していると実は過去を紐解くという行為でもあり、今年の総括的な意味合いも込めて書いてみようと思います。
「ホワイト化」
昨年の予想では、表現においてのコンプライアンス意識や差別的な表現の回避、平等性、多様性の尊重を予想していました。
今年の広告映像の作り方を振り返ってみても、やはりこれらの要素は欠かしてはいけないポイントになっていました。
最も顕著に現れたのは、ルッキズムだったなと思います。広告映像ではモデルを起用しての撮影が行われることも多い業界です。ローカルでは、予算的なことや契約面での諸条件からモデルを起用するということも積極的に行わない事例も多いです。
しかし今年は特に、モデル起用にあたり、ルックスの良さよりもリアルであることや個性などを意識することが多くなったと感じています。
具体的には、リクルート系の映像において、従業員などの働き手にモデルを起用しないことが多くなったこと。やはりその職場のリアルを伝えるにあたり、そこにいる人を起用するということの方が、より効果的であることが示されているからかもしれません。
「AIの活用」
今年のもう一つのトレンドといえば、AI。
AIナレーションに始まり、画像生成によるコンテ作成、字幕の自動生成、音楽の時間調整など、編集面では大きな効果を発揮してきています。
しかしAIのみのコンテンツは、やはりまだまだ味気ないとも感じています。
先日書いたコラムでも人間側の欲望の方がまだまだ底知れない点を考えていました。
このAIの活用は、来年を予想するためには欠かせない。
個人的な感覚や、世界の広告業界がどうAIを活用しているのかを見ながら、来年を予想してみようと思います。
「2025年AIの活用予想」
さて、ようやくここで個人的なお楽しみの来年予想です。先ほど書いたAIの活用を予想してみました。
編集ソフトなどで、より一層AIによる作業効率アップに加えて、画像合成などで加工できる範囲はさらに伸びるでしょう。
それとは別に注目しているのが、シュミレーションする機能。
・亡くなった偉人、アーティストの作品を元に、今の世の中ならどういった作品ができるのか?同じように過去のプロスポーツ選手のデータから現在の選手との対戦シュミレーションをしてみるなど。
・天候の変動による世界の経済動向の予測。
・地方の人口流動予想で起こるえる社会課題予測。そこに関連するキーワードの算出や解決の糸口の探り方。
など「if もしも」を検証する技術としての活用がよりなされると考えています。
これらの仮定予想は、広告的にも面白さがあり、実際には世界で広告活用された事例もあります。
こうしたシュミレーションする能力は、AIは人間よりも遥に優れているといえます。AIによるコンテンツ作成は、AIに指示を出す人間の言葉の能力値に左右されてしまいがちで、まだまだ面白みに欠ける。
「膨大なビックデータと結びついた時に考えうるシュミレーション予想」
そうしたAIの活用がされる2025年を予想してみました。
さてさて、来年はどこまでローカルでもこうした活用ができるのか?
ある種、人間側のアイデア、知恵の工夫も試されているのかもしれないなと考えています。
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