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視点の自由研究No.182「視点_制作たる者、主役たれ」
このコラム内でも何度か出てくる「制作」という職種。
やってることだけを見てみれば、ほぼ雑用です。今回は、この制作の仕事に携わる者としての矜持を書いてみようと思います。
「プロジェクトの主役」
突然ですが、映像を作っていく際の主役は誰でしょう?
映像の企画を考えたプランナーや脚本家でしょうか?
全体の演出を管理する監督でしょうか?
撮影現場でカメラをふるカメラマンでしょうか?
最後の仕上げを行う編集マンでしょうか?
いえ、違います。あくまでも個人的な意見ではありますが、映像を作る世界の主役は制作です。
制作は、企画がスタートする最初の一歩から立ち会い、映像が完成する最後のゴールまで走り続ける仕事だからです。
制作していく全ての過程において、制作と呼ばれる人間は関わる必要があります。プロジェクト進行と呼ばれるのは伊達ではありません。
自分が止まると全てが止まります。それくらいの影響力があるのです。
どんな仕事もそうかもしれませんが、現場の最前線に立つにあたり、全体を最後まで見続ける必要がある仕事は主役であるべきなのです。
プロジェクトマネージャーに関わらず、営業と呼ばれる方たちもまた、プロジェクトの主役だと考えています。
「仕事を止めるな!」
プロジェクトマネージャーという仕事は、行う仕事のほとんどが雑用です。スタッフへの連絡から、現場の黒子として決して表舞台に立つことはありません。ですが、この雑用を滞りなく行うことこそが、プロジェクトの潤滑油となります。
監督にしろ、カメラマンにしろ、役者にしろ、その分野の各プロフェッショナルの力は絶対に必要ですが、それらをどう繋ぎ、どう一つにしていくか?が最大の仕事であり、醍醐味でもあるのです。
「自分事化しろ!」とよく言われますが、それは仕事全体を俯瞰して見ることでもあります。
全体を見通した上で、必要なスタッフに必要な言葉を投げかける。スポットライトが当たる花形の仕事とは縁遠い単なる雑用の連続だとしても、主役だと捉えるだけで仕事の進め方、進み方も断然違うはずです。
世の中につまらない仕事はない。
つまらなくしているのは自分なのかもしれない。
ミクロの視点ではなく、マクロの視点で仕事を見直してみるのも一つのアイデアだと思います。
かつて先輩の監督から言われた言葉
「現場の主役はお前だ!」は今も胸に刻む大切な言葉になっています。
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