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視点の自由研究No.154「視点_ 広告の最終目標は売り上げアップ」
今回の見出し、広告を出資するクライアント側からすれば、何を当たり前のことを、と言えてしまうことです。ですが、時に作り手側、広告を制作する担当者までも巻き込み、この広告一体なんのためにやっているんだっけ??と迷い込んでしまうことにもなりがちな指針でもあったりします。
今回は映像制作の端くれながら、映像的に見た「演出」と「プロデュース」の視点で売り上げという最終目標を考えてみようと思います。
「演出視点」
東京の制作現場に限らず、CM映像制作などでは監督というポジションがあります。予算におけるクオリティを担保し、より伝えたいメッセージを鮮明化していく仕事を担う役職とも言えます。ただし、広告の場合、映画と違い、企画に対してより多くのスタッフが関わっています。広告映像において伝えたいメッセージを広告会社の方たちが総出で練りに練った企画アイデア。CM業界の監督たちはそのアイデアを受け取り、より伝わりやすい演出へと昇華していくことが仕事になります。
ここまで書けば、間違いなく監督たちは広告の意図を汲み取ってCMを作っていると思われるのですが、、
時に、演出的なこだわりとしてクライアントの意思と反してしまうことがあります。
撮影時に限らず編集時においても、クライアントが気にしているポイントと監督が気にしているポイントのズレ。制作者側の弁明に聞こえてしまうのは致し方ないですが、視聴者の目線に立った時に明らかに不自然な見え方や気持ちが離れてしまうような編集は演出として容認できないことはあります。
が、クライアントが見せたいポイントが演出とズレることもしばしばあります。
一つの広告映像としてよりスムーズに、より印象的にメッセージを見せる。CM監督は一つの映像を完成させるために日夜注力する仕事だと言えます。そのゴールがクライアントと同じであることが期待されているとも言えます。
「プロデュース視点」
一つの映像に対してミクロの視点に立つのが監督なら、マクロに立つのがプロデューサーです。広告の送り手側の一人として、その映像が世の中に出た時に、どう機能するのか?を考える職業です。
自分も若手時代に演出と制作で進路を迷ったとき、この言葉を先輩プロデューサーから聞き、大変印象に残ったことを覚えています。今も演出をすることはありますが、どちらかといえばプロデューサーという立ち位置に魅力を感じてしまうのは、この言葉の影響があります。まさにプロデューサーの醍醐味とも言える言葉だと思います。
そんなプロデューサー視点で広告映像を見た時に、やはり大切なのが、今回の見出し「最終目標は売り上げアップ」。
商品をより魅力的に見せる。クライアントが伝えたいメッセージをしっかりと把握して世に送り出す。
プロデューサーは監督たちを導きながら、その最終ゴールへ並走させる大切な役職です。今一度自戒も込めて、この最終目標を意識した映像作りをしていきたいと思っています。
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