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視点の自由研究No.179「視点_見えないものを描く」
映像制作をしていく上で大切にしていきたいこと。
今回は、広告を作る端くれとして意識していることを書いていきます。
改めて言語化することで、自分の考えを整理してみます。
「五感」
映像は言わずもがな「視覚」と「聴覚」の二つの感覚に訴えかけるものです。
そこには「味覚」「嗅覚」「触覚」を入れ込むことができません。
ですから、この入れ込めない感覚を
「美味しそうなシズル感」
「調理の音による匂いを感じさせるような音」
「食べた時の噛む音による素材感」
などによって描き出すわけです。
この一例は食べ物に関して書き出したものですが、他にも観光地の風景を描くときに「風の音」や「海を泳ぐ」などの映像で五感を表現しています。
広告映像では、インバウンドの影響もあり観光を意識した映像を作ることもあります。やはり旅に行きたいと思わせるために、こうした入らない五感の感覚を描くことを意識していると、いい映像として仕上がると考えています。
「感情」
さらに深堀していくと、そこには人を動かす「感情」があります。
「喜び」「怒り」「哀しさ」「楽しさ」。その他にも日本語は多くの感情を表す言葉を生み出しています。
こうした「感情」もまた目に見えない情報と言えます。
映画が代表的なコンテンツかもしれませんが、広告映像でも同じように見た人の心を動かしたいと考えて作られています。
個人的な理想としては、心を動かすときに言葉にもできない感情を生み出せたら最高だなと考えています。
コンテンツと呼ばれるほとんどの創作物は、五感全てを網羅することができません。だからこそ、描くことができない感覚を代替して伝える技術が磨かれています。
映画が大好きな自分だからかもしれませんが、目に見えるだけの情報ではなく、目に見えない情報をどれだけ表現できるか?
そんなお題を意識しながら映像を作っていきたいと考えています。
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