【参加を迷っている人向け】ヒョロガリ引きこもりSEがスパルタンになる話
このnoteは社会人になってほとんど運動らしい運動をしていない、SEとしてずっと椅子に座ってるような30代おじさんが一ヶ月でスパルタンレースの準備をして出走する話を通して「スパルタンレース出たいけど過酷そうだしなぁ...」と参加に迷っている人に踏ん切りをつける一助になればと思い書いております。
そのため、もう参加を決心している方にはたいして有益な情報はないかもしれません。
むしろ、詳しい話は私のような初心者よりも熟練者の方がまとめてくれているものがGoogle検索すればいくらでも検索できるのでそっちを見てください。
因みに、私が参加したのは2021年「ガーラ湯沢スキー場」の「SUPER」で、約5時間半ほどかけて完走しております。
1.初めに
私がスパルタンレースに興味を持ったのはyoutubeでたまたまフィッシャーズさんの動画を見たことが始まりでした。
表題や前述のとおり、社会人になってからは全く運動らしい運動をしていませんでしたが、学生時代は運動していたので、こういったアスレチックのようなものはやっぱり面白そうに見えちゃうんですよね。
参加の動機に「楽しそう!」くらいの突発的なもので全然良いのだと思います。
8月頭に動画を見て参加を思い至り、今年はいつやるのかと調べたらなんと開催日は9月18日、つまり、準備期間が約1ヶ月しかありませんでした。 突発的にも程がありますね。しかも、ぼっちで参加だったので不安なこと山のごとしでした。
でも、そんな突発的な衝動での参加でも全然問題がないのです。 とはいえ、それなりに「こうしておけばよかった...!」と思う点があるので、私の失敗を踏まえて紹介できればと思いますので、今参加を悩んでいる方は私の事をロイター板にでもしてもらって、次回のスパルタンレースに参加してもらえればと思います。
2.参加するために必要なこと
繰り返しになりますが、私は社会人になってから運動らしい運動を特にしておらず、身体も特に鍛えていないヒョロガリ人間です。
そんな私でもスパルタンレースを完走できたのだから、だれでも気軽に参加できる!!・・・と無責任に言ってしまうことは簡単なのですが、流石に誰でも無条件で参加できるというほど甘いものではありません。「あきらめない心」みたいな根性論はひとまずも置いておくとして、少なくとも以下に記載した3つが出来ないと物理的に完走が出来なるなるため必須となります。(理由については後述します。)
逆に言えば、この3つさえクリアできれば、後はあきらめさえしなければ完走を目指すことが出来るはずです!
因みに注意する点として、スパルタンレースは基本的に制限時間がないのですが、レース終了時間(私が参加したレースでは17:00)までに走り切れないと途中で止められてしまうと聞いたのでそこだけは注意が必要です。
1.出走するレースと同じ距離を平地で良いので走りきる(歩ききる)肉体 2.20Kgくらいを持ち上げる事が出来る筋力 3.5mくらいの高さまで登れること(高所恐怖症でないこと)
3.参加申し込み前に第一の障害物
さて、「2.参加するために必要なこと」さえ乗り越えられればもうほぼ完走したといっても良いでしょう。
「ほぼ」と表現したのは、これから紹介するものが最初にして最大の壁として存在する為です。
それが、参加費と開催地です。
まず参加費ですが、これがなかなかいいお値段で、参加するレースによって多少前後しますが、チケット代+保険証+消費税でだいたい20,000円ほどかかります。
次に、開催地についてですが、会場はその時々によって変わるため、自宅から通える距離の場合もあれば、前日入りしなければ参加が難しい開催地の可能性も当然あります。その場合、旅費や宿泊費、仕事がある場合はタスクの調整が必要となるため、これがなかなかの障害となるかと思います。
4.参加申し込み
第一の障害を乗り越えましたか?であればあなたはもう「完走」したも同然です。おめでとうございます。
ここではその「完走」を確かなものとするため、参加申し込みについて記載します。
まず、申し込むレースについてですが、以下のように3種類のレースと3種類のカテゴリに分かれており、その中から自分に合う組み合わせで申し込みをすることとなります。(レースについては本来はもっと細かく分かれているようですが、ここでは基本的なものを紹介します)
【主な3種類のレース】
・SPRINT(スプリント):距離約5km以上、障害物約20個
スパルタンレースの中で最も短いレース。スパルタンレース初挑戦者や、前回より高いパフォーマンスを目指す参加者の間で人気のレースです。
・SUPER(スーパー):距離約13km以上、障害物約25個
フィットネスに打ち込むタフアスリート向きのレース。スパルタン・スーパーはスパルタン・トライフェクタ(スプリント、スーパー、ビースト)の中で2番目に過酷なレースです。
・BEAST(ビースト):距離約21km以上、障害物約30個
スパルタン・トライフェクタの中でも最も過酷なレース。筋力、持久力、揺るがない決意が試されます。予測不可能かつ巧みに設計されたコースや障害物は、自身の限界を打ち破らなければ達成することのできないレースです。
※スパルタン・トライフェクタとは、1年の間に世界各地で行われるスプリント、スーパー、ビーストを各1回ずつ達成すると獲得できるメダル。
【カテゴリ】
・Elite(エリート):
賞金レース。レフリーやビデオ判定があり、男女それぞれ上位3位には賞金と表彰楯が贈呈されます。
・Age Group(エイジグループ):
年齢グループごとに競うレース。エリート同様にレフリーやビデオ判定があり、各グループの上位3位には副賞があります。
・Open(オープン):
チームを結成し、チームメイトと助け合いながらレースに挑戦できます。個人参加も可能です。
私はほとんど下調べをせずに申し込んでしまった結果、上記のことを知らずに初参加にも関わらず「SUPER」の「Age Group」に参加してしまいました。カテゴリについてはぶっちゃけぼっち参加なので問題ないのですが、レースの種類は初参加だし「SPRINT」でもよかったかもと思います。
なので、初参加でスパルタンレースがどんなものかを体験したい場合は「SPRINT」の「Open」に参加するのが一番敷居が低いので良いかと思います。
参加申し込みの方法は以下のサイトを参考ください。
5.事前準備(道具編)
ここではレースに向けて私が用意したもの、また、実際の経験を踏まえて用意した方がよさそうなもの紹介します。あくまで私が走った「SUPER」が基準なので、しょっぱなから「BEAST」を考えている人は別途情報を収集してください。
1.栄養・水分補給アイテム
過酷なレースとなるため、「飲み物(ペットボトルで良い)」、「塩タブレット」、「inゼリーのような手軽にエネルギー補給が出来るもの」はあった方が良いと思います。飲み物については給水所が何か所かあるのですが、私は最初の給水所にたどりつく前に一本消費してしまうくらい水分を欲しましたので、最初から1本は持っておいた方がいいと思います。また、塩タブレットがあると本レースで致命的となる足の痙攣や熱中症を防ぐことが出来るので、走る前に1個くらい食べておいて、走ってる最中にも食べられるくらいは持っておいた方がよいと思います。inゼリーについては無くても大丈夫だったとは思いますが、持てる余裕があるなら1個くらい持っておいた方が良いかと思います。私は午前中からずっと走っているので途中でお腹が減り食べました。
2.ランニングポーチ
上記で記載したペットボトルや塩タブレット、inゼリーを持って走る為にあった方が良いです。ランニングバッグを背負って走っている方も大勢いたので、そちらでも良いかもしれません。
3.手袋
バケツ運びや綱登り、縄引きや壁越えをやる場合にあった方が手を傷めないので良いかと思います。私は指抜きのものをもっていきましたが、ボルダリングっぽく壁を渡る時やモンキーバー(雲梯)では指ぬきじゃないグローブの方が良かったかもと思いました。特に壁を渡るやつは雨の影響で手で持つ部分についた泥が滑ってしまったので、指ぬきじゃなくて、濡れた箇所でもグリップ力が保てるグローブがあればそちらの方が良いかもしれませんね。ちなみに、軍手は水を吸い過ぎてしまうのでやめた方が良いらしいですよ。
4.服装
泥だらけになっても問題がない服装で動きやすい物であればなんでも良いと思います。私は普通の運動服の下に吸汗速乾でロングタイプのコンプレッションウェアを上下着てきました。上半身裸で短パンの人も走っていますが、獣道等を走ったり、匍匐前進が必要になったりするので肌を保護できるロングタイプのものを上下で着ていた方が安全だと思います。
5.下着、靴下
こちらはあまり気にしませんでしたが、私はパンツはユニクロのエアリズム、靴下はTabioのランニング用の靴下を履いていきました。靴下は泥だらけになることを考えて使い捨てでも問題のない物の方が良いかもしれません。ただ、くるぶしより上まで保護してくれるタイプの方が良いです。
6.シューズ
トレイルラン用のものが良いと思います。あとは泥で汚れても問題がないもので、排水性能が良い物がいいかと思います。(私が参加したレースではコ水に入るものがなかったので排水性能はあまり必要ではありませんでしたが。)Reebockからスパルタンレース用のシューズが出ているのでそれでも良いかもしれませんね。私は割引されていたSauconyのトレイルラン用シューズを履いていきました。
6.提出物
レース当日に提出する顔写真付きの身分証明書(免許で良い)+書類3点「参加同意書」、「健康状態申告書(今回だけかな?)」、「Eチケット」を印刷、記入のうえ持参ください。同意書、申告書は当日記入できるようですが、スムーズな受付をするためには記入しておいた方が良いです。
7.その他(レース後使用)
汗拭き用のタオル、着替え、替えのシューズ、ビニール袋は必須です。 レース後は必ず全身泥だらけとなるため、替えの服や靴、泥だらけの装備を入れられるビニール袋は用意しておいてください。
因みに、私は以下の情報を参考にしました。
6.事前準備(肉体編)
そろそろ紹介するものもなくなってきましたね。
ここでは、私が1ヶ月の間に行った準備を記載しておきます。正直この部分はほんとに参考程度で見てもらえればと思います。
正直、1ヶ月でできることは付け焼刃以外のなにものでもないので、あくまで体を慣らすことと自信をつけることが目的ということを忘れないでください。
実際、レースではひたすら坂だったので、一瞬でスタミナ切れを起こして歩き8割でしたし、雲梯系は軒並み失敗、成功したのは壁やら綱やらを昇ったり超えたりする系だけでしたから。ただ、事前に少しでもやっておいたおかげで足を攣ったりケガをしたりして走れなくなるような事態は回避できたので、やはり事前にある程度身体は動かしておくべきだと思います。
1.平地を12km走れるようにする。
これは、自分がどのくらいのペースで走れば良いのかを確認するためと、実際に走り切ることが出来る自信をつけるために行いました。私は「SPRINT」に参加するため12kmですが、この辺は参加するレースに合わせて調整してください。
最初は4km走っただけで息切れしまくって焦りましたが、毎日仕事終わりに少しずつ走り、休日の度に4km, 8km, 10km, 12kmと距離を伸ばしていきました。また、走り切った後や途中で30回バーピーもやったりしましたね。
2.障害物を想定したトレーニング
これは、近くの公園で動画で見た障害物を想定して行いました。とはいってもやったのが壁超えや雲梯、綱登りくらいでしたが。
本番では雲梯系は軒並み失敗してしまったので腕の筋肉が必要なものはもっと前もって準備が必要ですね。物運び系も練習、トレーニングしてなかったのでえらい目にあいましたし。
ただ、綱登りについては以下の動画をみて実際に軽く練習しただけで本番でも余裕でできるくらい効果がありました。腕だけではなく足も使うのですが、やっぱり正しい上り方の知識有無は大きいですね。
7.補足
ここまできたら後はもう参加するだけですね。
レースに参加するために私が必要だと思うことはすべて書いたので、最後の補足として「2.参加するために必要なこと」で記載した3つの必須事項について補足しておこうかと思います。
1.出走するレースと同じ距離を平地で良いので走りきる(歩ききる)肉体
これはいわずもがな、指定の距離を走りきれないことにはどうにもならないので最低でも平地であれば走りきれる、もしくは歩ききれる必要があるためですね。本番では会場によっては獣道、上り坂になるのでさらにきつくなること必至です。ですので、最低限平地では走り切れる肉体が必要となります。
2.20Kgくらいを持ち上げる事が出来る筋力
障害物は基本的に失敗したらバーピーをやれば次に進むことができるのですが、それが出来ない障害物がいくつかあります。そのうちの2つがサンドバッグの運搬とバケツの運搬です。重さ的に20㎏ぐらいあるので、最低でも持ち上げることが出来ないとどうしようもありません。(女性用はもう少し軽いみたいですが)少しでも持ち上げることが出来ればあとは牛歩で良いので少しずつ気合で運んでください。
3.5mくらいの高さまで登れること(高所恐怖症でないこと)
これもバーピーで回避できない障害物での話となります。屋根型のハンモックを乗り越える障害物があるのですが、高さが5mくらいあるうえ、下にマットも引いてないので高いところが苦手の場合、この障害物を超えることが出来なくなってしまいます。そのため、高いところでも問題ない必要があるわけです。
8.最後に
ここまで、私のnoteを読んで頂きありがとうございます。スパルタンレースに参加するための不安を少しでも取り除くことが出来たでしょうか?
最後に、私がスパルタンレースに参加した時の話を記載して締めたいと思います。この部分は大した話でもないので興味がなければ読み飛ばしてください。
前述したとおり、ノリと勢いでスパルタンレースに参加し、しかもたいして調べもしなかったので初心者のくせにSUPERのAge Groupeに参加してしまいました。申し込んだ後にいろいろ情報を調べてSPRINTのことやOpenのことを知り、結構後悔していたんです。レース変更には手数料に5,000円がかかるうえ、1ヶ月前までなので、申し込んだ次の日には決断しなければいけなかったのでそれはもう悩みに悩みました。
結果、一人での参加だし、だれにも迷惑かけるわけじゃないからこのまま行こうと思ってSUPERに参加したわけです。
そうと決まれば準備をするだけとその日から業務後、休日とひたすら走りまくりました。最初から10km走るつもりだったのですが、4km走った時点で息切れ起こして気持ち悪くなった時にはマジで大丈夫かと不安しかありませんでした。やっぱり日ごろから運動してないのは厳しいですね。
ただ、少しずつ距離を伸ばしていくうちに体が慣れていくのか、レースの前週には目標の12kmを走り切れるようになっていました。
また、走るだけではなく雲梯や綱登りの練習、バーピーをこなしたことで、結構いけるだろうという謎の自信を良くも悪くもつけていくのでした。
そんなこんなでレース1週間前になったわけですが、ここで思わぬトラブルが発生します。そう、台風がすさまじい角度で曲がってきたのです。台風がきたらレースが中止にならなくても移動手段や安全性的に棄権しないとなぁと考えながら毎日天気情報とレースの情報を集めていました。
そしてレース前日、祈りが通じたのか新潟にはあまり影響しなさそうなコースとなり、喜びながら私は眠りにつきました。
そしてレース当日、朝3時、土砂降り、神も仏もありません。まじかよ。ただ、会場の天気を調べると降水量のそこまででは内容でした、地獄に仏です。そんなわけで、私は土砂降りのなか駅に向かい始発を待つこととなりました。駅のシャッターが開くのを初めて見たかもしれません。
そんなこんなで、会場にたどり着きましたが、初めての参加なので何をどうしていいかわかりません。とりあえず屈強な肉体の外国人集団にくっついて列に並んでいたわけですが、そこで1つの誤算が発生します。その集団はボランティアスタッフだったのです。私のアスペクト比を3倍にしてパンプアップしたような肉体の持ち主たちが選手ではなくまさかのスタッフ、ボランティア用受付列から抜け出し、気付いたら長蛇の列となっている選手用の列に並びなおしました。
紆余曲折あって、受付やらなんやらを済まして着替えを完了し、スタート地点に向かうためカメラマンにガッツポーズをして意気揚々とゴンドラに乗ったわけですが、ここで第2のトラブル発生、グローブをロッカーに忘れたのです。とはいえ私はすでにゴンドラの中、どうやったところでゴンドラは前にしか進まず、戻るためには一度目的地に到着しなければなりません。結局、ゴンドラでUターンして戻ったわけですが、2回目はカメラマンに見られないようにこっそり戻りました。
そしていよいよスタート開始の時刻、待ちに待ったあのセリフを力の限り叫びました。
MC: Who am I??
Racers: I’m SPARTAN!
MC: Who am I??
Racers: I’m SPARTAN!!
MC: Who am I??
Racers: I’m SPARTAN!!!
MC: What is your profession?
Racers: Aroo! Aroo! Aroo!
コールが終り、いざ、練習の成果(1ヶ月)を見せるべくスタートを切った私を出迎えたのは雪のないゲレンデでした、登り、登り、ひたすら登りです。
スキーに行く方は分かるとおもいますが、ゴンドラ乗り場前のゲレンデなのでそれなりになだらかではあるのです、ですがそれは滑る時の話、実際に上るにはそれなりの斜度と距離がある、この坂を上り終えるころには平地で12km走り切った自信なんか彼方にぶっとび、その後もひたすらと続く坂道に心が折れそうになりました。スタートからわずか数分の出来事です。
何個か坂を超えるころには前を走る人の後ろ姿が見えなくなり、第2の障害物に着くころには次の時間帯の選手に追い抜かされるほどにボロボロとなっていました。第2の障害物は雲梯系のやつだったのですが早々に失敗し、ここで初めてのバーピーです。この時点ですでに息も絶え絶えでした。
そしてしばらく、坂の上り下りを繰り返すうちに、辛いのは相変わらずではありましたが、最初の坂を上った時に比べて絶望感は無くなっていきました。また、障害物に着いても壁越え系のものが続いていたこともあり特に詰まることがなかったのが幸いしたのかもしれません。
そこからしばらくしてまた次の障害物が見えてきました。動画でもみたロープについた重りを吊り上げるやつです。ちなみに、このエリアには折り返して戻ってくるのかロープで区切った反対側に別の障害物があり、すでに障害物に進んでいる選手がいました。折り返し地点がどんだけ先にあるかはわかりませんが、もうそんなに進んでる人いるのかと驚きつつ、私は私で障害物に取り掛かります。動画では重い重いといっていましたがまあ行けるだろうとロープをつかみ、全体重をかけてみたところ、先ほどとはまた別の驚きを受けました。重りがピクリとも動かないのです。それどころか私の身体が浮きました。重すぎない?これは無理だとそうそうにあきらめてバーピーを始めたわけですが、ここで1つの不安が頭をよぎります。もしかして、重り持ち上げる系全部だめなのでは...?と。
次の障害物は綱登りでしたが、これは事前練習のとおり余裕で通過、思えばこれが最初にして最後のペナルティーあり障害物突破でした
またひたすら登っていくと、次は烈海王の砕岩みたいな岩がおいてありました。そう、40Kgの重りを運ぶ障害物です。汚名返上とばかりに岩の前に膝をつき、抱え込んで持ち上げようとしましたが、これまたピクリとも動かない。体感で1分くらいでしょうか、岩の前で正座をして岩に抱き着いていることしかできませんでした。当然バーピーです。
このあたりから雨が降ってきて過酷さが増していきます。
重い物系はこれもう全部バーピーかなーと思いながら次の障害物を目指して進んでいくと、砂利の入ったバケツを運ぶというこれまた重い物系の障害物が早速登場しました。私はこのレースで心が折れかけた障害物が2つあります。そのうちの一つがこの障害物なのです。重さ約20kgのバケツを運ぶという恐ろしい障害物ですが、それ以上に恐ろしいのが失敗時のペナルティーです。バーピーではなく「運びなおし」でした。そう、運ばずにバーピーに逃げることが出来ないのが何よりも恐怖でした。そもそも運べないのに運びなおしってなんだよ。
文句と悲鳴と血反吐をまき散らし、指に食い込むバケツの痛みに耐え、何度も途中でバケツをおろしながらクリアして次に進んだわけですが、私は思い出してしまったのです。重りを吊り上げる障害物地をやりながら横目で見ていた、サンドバッグを運ぶ障害物を....
そうなのです、この先にまだ地獄の重い物運搬がまっているのです。その障害物こそが私はこのレースで心が折れかけた障害物のもう一つ、約20kgのサンドバッグ運びです。地面は雨でぐちゃぐちゃの泥沼となり、先ほどのバケツ運搬でダメージを受けた体で運ぶサンドバッグ、辛くないわけがありません。ただ、幸いなことにバケツよりは持ちやすいため、重さ的には多少軽く感じましたがただそれだけ、辛いことには変わりありません。何度も何度も休憩し、休憩の度に泥まみれになるサンドバッグと体に思いをはせつつやっとの思いでクリアをしました。
その後も、やり投げとか有刺鉄線くぐりとかなんやかんやありましたが、何とかこなしつつ地獄のような坂をのぼっていきます。そして最後の下り坂、やっとゴールがみえてきました。
そしてスタートから約5時間30分、雨にも負けず、坂にも負けず、泥の重さにも負けずついにゴールを着ることができました。
雨については、おかげで熱中症にならなかったので天の恵みだったのかもしれません。
正直何度も心が折れかけました。それでも、レースの途中で見ず知らずの私に声をかけてくれた人たちに励まされながら、何とか完走することができたのです。
走っている最中はやはり辛さが勝っていました、終わってみるとまた参加したいという思いが強くなるのが不思議なものです。体を支える筋力と重い物を持ち上げる筋力、ここが一番の課題だということに気づくこともできたので、まずはこの辺から鍛えていければと思います。
最後に、やはチームで参加している人をみると楽しそうでうらやましいので、いつかチームで参加できればと思います。
とりあえず次に参加するとしたらSUPERかSPRINTのOpenですかね。いつかBEASTにもさんかしたいのですが、まずは全部の障害物をある程度こなせるようにすることを目標に頑張ろうと思います。
長くなってしまいましたが、ここまで読んで頂きありがとうございます。
初めてのnote作成だったので拙い部分はあるかとはりますが、なにかしら参考にしてもらえれば幸いです。
それでは、今度はレース会場でお会いしましょう。