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あの手紙、どこへやったかな。
「たんす」
あの手紙、どこへやったかな。
僕は昔から今も変わらず手紙は大事に取っておくというか、もらうのも好きな方だ。(なんならとっ散らかってしまって意味わからなくなって伝わらないよねごめん、みたいな熱量のある長文が好きだ。)
高校のときに付き合っていた子が、当時まだ何者にもなろうとしていなかった僕に、"本当に孤独を感じたときにはじめて読んでね"とフェルト生地の手作りお守りに忍ばせてくれた手紙を、あるときついに読んでどこかに隠してしまった。
確実にどこかにあるのに、未だに見つからない。
その頃は感情も散らかっていたので心ここにあらずの状態でどこかへしまったのだろう。
それを読んだのは、本当に辛い思いに浸り切って脱出できなかった頃だ。
読んだあと枕に顔を押しつけて咽び泣いたのは憶えている。
手紙には、"これを読んだということは耐えられないほど辛いことがあったのでしょうか。そうじゃなくて、もう必要なくなったから興味本位で、なんていう理由だといいな。"みたいな内容が記されていた。
蛇足だけど、思い返せばこれまでいい関係にあった女性は言うまでもなくみんな素敵な方だった。
今、全員が幸せであってほしいと心底から思ってる。そして中には幸せそうな姿を見せてくれる人もいてほっこりしている。
話は戻って、とことんほぼ無償の愛をくれたそんな人からさえ離れてしまった自分を愚かだったな思うことがある。
バンドをやって、調子にノッていたのだろう。これを若気の至りなんて言うのだろうか。
ろくでもない。(ごでもない)((言ってしまえば呼んでもない))
さんざん辛い思いをさせた相手に、自分が辛い思いをしたときに救われてしまった、みたいな罪深げな経験ってないだろうか。
実際にはここに表れないほどしょうもないエゴの塊で人を傷つけていたのだ。
恋だの愛だのにとどまらず、色んな感情や思考を経てのちにそれが歌や詞に生まれ変わる。
それらすべての経験が、点であり続けることなく、線になって情景を描いてくれることを有り難く思う。
誰にだっていい格好したいのは本音だが、調子のいい、都合のいい、ダメ寄りのダメな人間が僕だ。
と伝えてなお信じてくれる人や傍らに寄ってくれる人を大事にしたいと思った。
あーだこーだしてなんだかんだして結局隠しきれないや。
"おしまい"
デビューアルバム「Sain'o O」から「たんす」について書きました。
記事を気に入ってくださった方はぜひ楽曲もご試聴ください。
https://soundcloud.com/roku-records-japan/8j2smqfzh3sp
CD予約販売も承っております。
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