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ADHDと診断された話

まあ,前からわかってはいた.
その傾向があることは,国家試験の勉強でADHDを勉強している時点で勘づいていた.
自分は衝動性もあるし,多動でもあるし,不注意もある.
精神科を初期研修でローテしたときに,自分の悩み(どうしても興味のないことで集中することができない)を相談したときに,ADHD傾向でそういう人がいるから,それかもね.と言われたときに確信した.
小学生の頃から,授業中に前を見ていることがほとんどなく,先生に怒られていた.中学生以降は興味がない授業中は起きていることができないから寝ているかもしくは内職をしていた.
ただ,ここまでなんとか自分なりに工夫をすることで生活をどうにか送ることができていたので,特に精神科を受診したりはしていなかった.
しかし4月から起業したことで衝動性・多動性が爆発し,何から手を付ければいいかわからない状態になってしまった.
色々やらなきゃいけないことややりたいことは思いつくのに,事業自体は期限があるものではないからどれからやればいいのかわからなくなり何も手につかないという経験をした.
そこで状況を変えようと思い,初めてメンタルクリニックを受診した.
家の近くのクリニックである.最近は首都圏だとどの駅にも駅前メンタルクリニックがあり,自分もそういうところを受診した(同期の精神科に進んだ友人曰くメンクリは全部ヤバいから気をつけて,とのこと).
色々検査や経歴など聞かれて,以前精神科ローテ中に心理士さんにしてもらったWAISの結果も見せて,正式にADHDの診断結果になった.
定型発達の脳内がどのようなものなのか興味があったので迷わず内服治療を希望した.
最初にストラテラ(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)がはじまった.
のみはじめて2週間くらいで効果が出ると言われていたが,自分は3日くらいで明らかに効果が出始めた.副作用として吐気や便秘もすぐに出始めた.想定外だったのは,自分は以前から尿意切迫感があり悩んでいたのだが,それが改善した.調べたところノルアドレナリン濃度が上昇することでβ3作動薬と同様のメカニズムで効くらしく,ほとんどいないが尿閉になるリスクもあるらしい.その他に自覚した副次的な効果としては,眠前に飲むことで朝の目覚めがよくなったこと(逆に言うと長い時間眠れなくなったこと)・サウナで整えなくなったことくらいだろうか.
抗ADHD効果としては,頭の中が静かになる感覚であった.普段5のことが頭の中に思いつく間に1個だけ思いつく感じで,他人の話にも集中できるし多動性もなくなり落ち着いた.気分の浮き沈みもほとんどなくなった(双極性障害の補助治療に使われることもあるらしい).不注意は衝動性多動性に比べるともともと控えめであったこともありあまり効果を感じた訳では無いが,調べたところ不注意優勢型のADHDにはコンサータがよく効くとのことだった.
しかし,便秘がかなりひどく,アミティーザやマグミットなどの副作用対策も内服したが,便秘はあまり改善せず,ストラテラ内服中止の方針となった.
代わりにインチュニブをはじめることになった.インチュニブも効き始めるまで2-4週かかる薬であり,これはのみはじめてもすぐはあまり効果を感じなかった.
むしろインチュニブは朝の目覚めを良くする効果がないので,睡眠前にのむメリットがなくなって服薬コンプライアンスがかなり悪化した(主治医ごめん).
そうこうしているうちに,環境調整が進み,ADHDと付き合って生きていくほうが楽しくない?という結論になって内服をやめた.
今は周りに迷惑をかけながら(本当に申し訳ないが,たまに叱ってくれないとわからないよ)楽しく毎日を過ごしている.
自分のようにADHD傾向がある人がどのように環境調整をすることで様々な問題を解決できるかについて,共有していきたいと思い,このように発信活動をすることにした.
次から自分がどのようにしてADHDをハックして行動しているかについて書いていくことにする予定である.
また医師である自分ならではの視点でも記事を書いていければと思う。

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