遊戯王ARC-V!(絶望)
主旨:遊戯王ARC-Vの感想を書きます。
動機:全話リアタイ視聴したのに、オルガほど話題もあがらないのが悔しい
テーマ選びは最高だった
『エンタメデュエルで戦争を止める』というテーマは本当に素晴らしかったと思う。非暴力反戦運動がそれ自体興味深いのは言うまでもないが、そもそもこれほど重厚なテーマは、描写に十分な尺(3年間、即ち12クールだ)と適度なリアリティレベル(カードゲームで世界が滅びかけたり、警察が犯罪者をデュエルで拘束するシリーズだぞ!?)を兼ね備えた遊戯王以外のアニメでは扱うことが難しいだろう。
それに加えて、これを遊戯王という作品でやることにも意義がある。
これまで全ての揉め事を命懸けの決闘で処理してきた遊戯王シリーズの伝統に対して、「命懸けの決闘ではない、お遊びのデュエルで人の心を動かすことは可能か?」と問いかけるのはシリーズ20周年の節目に相応しい。
……にも拘わらず、なんであんな脚本がポンコツだったんだよ~~~~!!!!!!!
作中で、戦争を止める為に、目的をもった手段がとられることはなく、主人公たちは常に行き当たりばったりでデュエルを続ける。仲間が増えたり、真実に近づくのも全てたまたまで、結果的には戦争が止まることさえ、なりゆきの結果でしかない。どうして「デュエル少年兵に別の居場所を与えよう」とか「軍事デュエルディスクにボイコットをしよう」といった目的のための手段を取らないのか。本当にもったいない。
現実世界に参考になる資料は幾らでもあっただろ!?!?って思う。
非暴力不服従を掲げたガンジーは言うまでもなく、マラソンで世界の滅亡がかかったことは一度もないにも拘らず反戦と平和を掲げたベイルート国際マラソンなんてものもある。『カードが剣ならディスクは盾だ!』な遊戯王なら、古代ギリシャのオリンピアの祭典をモチーフにしてもいい。せっかく一世一代の、アニメ史に残るテーマを扱おうとしてたのに、どうして投げ出すんだよ! ふざけんな!!!
↑に比べれば些細なことだけど、数多くあるARC-Vの苦行ポイントの中に、アクションデュエルが雑というのもあって、これはあまり言及してる人が少なそうだから書き残します。シンクロ次元編以降、スマブラDXの戦場みたいな足場で、モンスターに乗らずにアクションデュエルするばかりになったせいで、ARC-Vのメインギミックさえ死んでいたのだ。まあEMの中でさえアクションデュエル向きのデザインのモンスターは少なかったし、魔術師とオッドアイズはアクション要素を何も考慮していない感じだったからね……(ただこれはOCG側との兼ね合いもあっただろうし、強くは言えない)。
それでもフィールドに工夫を凝らすくらいはできたと思うけどね???
余談(本編)
一時期は、他のアニメの視聴中にでも↑(最終クールOP映像)のような演出を見るだけで一気に憂鬱な感覚が蘇って本当に大変だった(具体的には、プリ☆チャンのメルティックスターのライブとか)。「へえ、トラウマって本当にあるんだな」みたいな……。
OP動画集を見ていても、初期OPから末期OPに進むにつれて気分まで落ち込んでくる。あの徐々にワクワクが濁っていった感覚が再現されるんだ。
鉄血のアークフレンズなんて言うけど、普通に面白かったけものフレンズは勿論、つまらなさをギャグに昇華した鉄血も裏切りのユダで、全話視聴がネタにもならないARC-Vだけが本物の使徒なんだよ。
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