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02 走性 【詩】

月明かり光る石段転けぬよう

手すり頼りに 上り往く

耳を澄ませば、風凪いで

カサカサ木の葉ゆらす音

月よりも強く誘う光目指して

虫たちは

バチッと命散らせ逝く


辺りには自然があった

肩で息吐き足を震わせ

カラダと空気結ばれる


上りきり街見下ろせば、

生活の光眩しく目を燃やす

真に月より強い光だ。

蛍光灯の下見れば、

此処でも虫が腹見せる


石段を 転んでいいと

手すり使わずくだり降り、

長息ののち

街に背いて 闇路をたどる

月明かりに照らされた家に向かって



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