30年間こんな仕事をしていた結果•••

今日で3日間連続投稿となります。5日間を目指して頑張りたいと思いますのでお付き合い頂ければ嬉しく思います。

さて自身の職業と言えば所謂アパレル関係。初めて服屋さんという場所に立ち「いらっしゃいませ」を言ってから30年が経とうとしています。

現在は店頭にはおらずブランドイメージを作ったり、どんな商品をどんな時期に作れば良いか、何をすれば格好良いか、どこにお店を出せば良いかなどのディレクションをしながら、自身のお店は勿論多くのブランド様のお店を出店して来ました。
有名ファッションビルには何かしら僕のお店や僕が関わったお店があります。本日はそんなお仕事の話です。

では問題。
洋服屋を一軒作る時にどれぐらいの費用が掛かるのでしょうか?

それはおおよそ最低1千万円となります。大きなお店だと2千万円を軽く超えて来ます。

でもそれぐらいなら。と思いの方も多いと思いますがそれが洋服屋の落とし穴。
初めて公的な銀行融資を受けた時に銀行員から言われた言葉「この3ヶ月でアパレル企業が新規で保証協会を通ったのは初めてです」
ではなぜこんなメジャーな産業にそんなに渋るのでしょう?

理由は「運転資金の商品化」が起こるからなのです。

例えば新規のラーメン屋がオープンするとしましょう。
賃貸契約料 / 内装や製造機器の購入 / そして2-3日の仕入れ この3点が主な支出になります。先の二つは洋服屋も同じです。
最も違うそしてそれを危険に思う銀行員が多いという点、それが仕入れ代金です。

まず違う点は「掛け率」
一般的に洋服屋は6掛け仕事と言われ、メーカーからの購入代金は(定価の60%)が基準とされています。誰が言い出したのか分からないですが世界的な認識事項です。ただメーカーとの関係性によっては50%台と10%ほどの振り幅がある場合もあります。
飲食店に比べると非常に高い仕入れ代となります。

次にこれが最も危険な理由。それは
「半年前仕入れ」
どういう事かというと殆どの場合、洋服を作るには時間が掛かります。なので、半年以上前に予算を決めてメーカーに発注する必要があります。ピンと来ない方が多いですよね。
例えば1月の終わりに秋冬シーズンが終わりを迎えます。
多くのメーカーはこのオンシーズン中に次の秋冬商品のサンプルを製作します。
そしてサンプルを使い2-3月に小売店と契約し注文を受け、工場に発注した後に商品が出来上がり小売店に納品となるのが8月となります。

これが危険?そうなんです。とても危険で殆どの新規洋服屋にとっての大きな壁となるのです。

ラーメン屋に話を戻しましょう。半年後の今日の売り上げに予測を付けて必ず支払い義務のある発注を出来ますか?一年二年と経営したお店ならまだ可能だと思います。
では新規店では?とても難しいですよね。
しかし洋服屋は店内に必ず商品を置いておく必要があります。注文を受けて見せるわけではありません。
置いてある商品からお客様が選ぶのです。なので必ずオープンの日には何ヶ月分かの商品を置かなければダメですよね。それを半年前に決めるのです。

どんなお客様が来るかも分からないどんな気温かも分からない。もし予想と外れた場合も資金に余裕がないオープン時点ではそれを数ヶ月で売り抜いていかないと即閉店です。

どうですか?とても危険な取引ですよね?
運転資金を現金として置いておけない。数ヶ月前に資金を商品に変えないといけない。
この「運転資金の商品化」これが閉店の確率をグッと引き上げるのです。でもこれで終わりではありません!まだ負のスパイラルは続くのです。

現金化(売り上げが取れなかった)が上手くいかなかった新店舗には更に「3ヶ月問題」がのしかかってきます。夢のオープンが不幸の始まりに•••もうやめて!!と悲鳴が聞こえそうです。

では行きましょう!
読者の皆様は3ヶ月前の洋服を未だ来ますか?執筆時1月なのですが3ヶ月前は10月です。10月と言えば気候変動の影響もあり昨年はとても暑くTシャツやシャツ、ニットを着ていました。
ですが1月になりさすがに気温も下がり今はダウンやコートなどを着ています。
しかもセールになっている時期ですよね。「3ヶ月問題」つまりその周期で商品を入れ替える必要があるぐらいニーズが変わるということなのです。

街中を見回してください。眼鏡屋さんはずっとその場所にありませんか?そうです、理由は「3ヶ月問題」が無いからです。

商品が売れ残る→3ヶ月超える→現金化不可能

これが洋服屋を徹底的に苦しめるのです。新規店舗に関してはここで致命傷となり閉店を余儀なくされるのです。

新規店舗で初回オーダーを失敗し、売り易い顧客様もいない、3ヶ月が無情にも過ぎて行く•••

ここでいう初回オーダー。いやいや、オレはミスらないよ?という強気な方も多いと思います。

でも違います。

お客様の顔も見えない/お店の雰囲気がそのエリアに馴染むかも分からない/自身の選んだ物に需要があるかも分からない

その状態で初めはみんなスタートします。稀に上手く行く方も勿論いらっしゃいますが、逆に殆どが失敗からスタートするんです。

ここでタイトル回収ですが、30年間、成功したお店失敗したお店、こういうループを見続けて来たことで逆にこれだけをやれば上手く行くという三つの法則を見つけました。明日の記事はここからスタートします。

失敗を前提にスタートし、「三つの法則で立ち回りそして上手く行く洋服屋」それがテーマです。

有料記事にはしません。これから洋服屋を始めようとしている方、ブランドをスタートしようとしている方はそのオーダーをする前にこの記事に巡り会うことを祈っています。

洋服屋オーナーになる事が夢のような輝きのある出来事になりますように。
Thank you for reading and wishing you a lifetime of happiness!

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