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社会の変化に合わせ、価値を提供し続ける組織に。DMMBoostコーポレートメッセージ策定の裏側

2022年11月、DMMBoostはメンバーに大切にしてほしい“働く哲学”をまとめた「エッセンス」と、会社のあり方を示す「コーポレートメッセージ」を策定しました。

会社の使命・理念・行動指針を表す「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。ですが、DMMBoostではあえてMVVという形にはしませんでした。

その背景には、どのような思いがあったのでしょうか。代表の横関に、「エッセンス」と「コーポレートメッセージ」を策定した理由とそれぞれの言葉について詳しく聞きました。

「私たちにMVVはいらない」事業転換を経験してたどり着いた会社のあり方

株式会社DMM Boost代表取締役 横関 秀樹

——もともとDMMBoostには、MVVがありませんでした。あえて策定していなかったのでしょうか?

はい。DMMBoostの前身であるハッシャダイ時代にはMVVを定めていたのですが、コロナ禍によって人材ビジネス領域が停滞してしまい、事業転換を迫られました。

次は、コロナなどの外的要因に左右されず、世の中から必要とされる強いプロダクト開発を事業の軸に据えよう。その考えから生まれたのが、「DMMチャットブースト for EC」というサービスです。

このサービスがPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成するまでは、あえてMVVとして会社のあり方を言語化する必要はないと考え、成長のためのアクションを打つことに専念していました。……というか、正直にいうと、私個人としては、もともと「MVVは作らない」と決めていたんです。

——そうだったんですね! なぜでしょうか?

MVVは、「会社としてこういった社会的課題を解決したい」「世の中をこうしたい」という思いを込めるものです。そうすると、おのずと短期的な目標達成ではなく、20年先、30年先を見据えて実現したい未来を描くことになりますよね。

ですが、今の時代は社会の変化スピードが歴史上かつてないほど速く進んでいます。誰もコロナを予測できなかったように、不確実性も増しています。

実際に私たちも、コロナ禍で大きな事業転換を経験しました。これからも、既存の事業に固執しすぎず、世の中に必要とされる新しいプロダクトをどんどん作っていくと思います。

そうなると、今決めた「20年先に実現したい未来」は、そのときの状況や世間のニーズに応じて変わっていく可能性が高いのではないか。ならば、固定の目標を掲げるよりは、時代に合わせて組織や事業をチューニングしていくほうが、社会に対してより“DMMBoostらしく”価値を提供できるだろうと考えたんです。

——では、なぜ今回「エッセンス」と「コーポレートメッセージ」を掲げるに至ったのでしょうか?

ここ最近、採用候補者や社内のメンバーから、“会社の方向性”を問われる場面が増えたのがきっかけでした。

現在のDMMBoostは、事業がようやく安定してきたフェーズにいます。これまでは、わき目も振らずに「DMMチャットブースト for EC」というサービスの成長だけを考え、メンバーと一丸となって具体的な施策を実行してきました。

しかし今は、もう少し先の未来を見据える余裕が、いい意味で生まれてきたのではないかと感じていて。そこで、2022年夏頃から「会社の未来を示すためのメッセージを、しっかりと発信しよう」と決めたんです。

働く哲学を「エッセンス」、社会への決意表明を「コーポレートメッセージ」に

——改めて、完成した「エッセンス」と「コーポレートメッセージ」の紹介をお願いします!

まず、社内のメンバーに対しては、DMMBoostで働くうえで大切にしてほしいスタンスやコンピテンシーを「エッセンス」として3つ掲げました。

【DMM Boost Essence】
・問題解決ができるか
・内発的動機付け
・不確実性への耐性

先ほどもお伝えした通り、私たちは社会に価値を提供し続けるために、数年後にはまったく違うプロダクトを作っている可能性があります。つまり、一つの手段に固執しすぎずありとあらゆる可能性を考慮して、予想外の変化にも適応できることが、DMMBoostで働くうえで必要不可欠なんです。

このスタンスに共感してくれる人とぜひ一緒に働きたいと思い、3つの言葉に落とし込みました。反対に、特定のプロダクトに愛着を持って10年20年と携わりたい……と考える人には、DMMBoostはあまり合わないかもしれません。変化を楽しめる、モチベーションに変えていける人と一緒に仕事をしたい、という思いを込めました。

ただ、このメッセージだけでは未来の方向性が見えづらいですよね。そこで、社外にも発信できるコーポレートメッセージとして掲げたのが「変化を、味方に。」です。

この言葉は、実際に前の事業から撤退せざるを得なかったピンチをチャンスに変えた私たち自身をそのまま表したものです。

これからも、変化が起こることを前提に「不確実性の高い現代社会において必要とされる存在として生き抜こう」という意思表明でもあります。

コーポレートメッセージは、他の2つの案と合わせて全社で投票を行いました。

こういったメッセージは、トップから「これに決まりました!」と伝えるよりも、本来ボトムアップで形成されたカルチャーをベースにするべきもの。だからこそ、メンバーと一緒にメッセージをつくるプロセスを共にしたいと考えたんです。

——「エッセンス」と「コーポレートメッセージ」を策定した後、社内で感じた変化はありましたか?

とくに「コーポレートメッセージ」については、社内外でおおむね良い反応をもらえていると感じます。採用面接の場でも、候補者の方にうちの会社らしさをうまく届けられているのではないでしょうか。

実際に、社内で定期的に実施しているエンゲージメントサーベイでも「事業への共感」に紐づく項目のスコアが上昇してきているんです。やっぱり、言葉にして伝えるのは大事だと実感しましたね。

2023年の組織づくりは、“データ思考”と“心理的安全性”がテーマ

——会社として大切にしたい考えや姿勢が全社に浸透しつつある今、これらの言葉を体現し続けるためにどのような取り組みを行っていますか?

これまでメンバーには、日々の業務を通じてさまざまなスキルや能力を伸ばしてもらっていましたが、加えて社内研修や人材育成にも注力しています。

とくに「エッセンス」の中で、「問題解決ができるか」はトレーニングによって鍛えられる要素が大いにある領域です。

2022年10~12月には、営業・CS(カスタマーサクセス)部門を対象に戦略を立てるための実践的なブートキャンプを実施しました。

事業上の課題を正確に把握し、根本的な原因を突き止め、改善のための打ち手を仮説立てたうえで実行していく。そのために必要な、“データ思考”を身につけてもらいたい狙いがあります。今後も継続的に実施して、メンバーのスキルの底上げにつなげたいと思っています。

——メンバー一人ひとりの育成は、全体の組織づくりにもつながる取り組みですね。改めて、今後どのような組織を目指していくのでしょうか。

最終的には、心理的安全性の高い組織を目指したいですね。

ただ、この言葉って日本だとちょっと誤解されているような気がしていて。本来は、心理的安全性だけが高ければいいわけではないはず。仕事における高い目標設定や仕事の基準を掛け合わせることによってはじめて良いパフォーマンスを出せる組織になるんです。

「心理的安全性」という言葉が一人歩きをすると、ぬるい環境で実行責任を持たない人ばかりが育ってしまうかもしれません。そうではなく、一人ひとりがオーナーシップをもって常に成長し続けられる環境を提供したいと考えています。

——お互いに学び、成長し続けられる組織ってワクワクしますね! 最後に、DMMBoostに興味持ってくださっている候補者の方にもメッセージをお願いします!

今後は、データの活用をより重視して、問題解決と価値提供を行う組織になっていきたい。そこで、DMMBoostは物事を客観的・定量的に考えられる人を求めています。“仮説思考”や“データドリブン”という言葉にピンと来る人には、楽しめる環境を必ず用意できると思いますよ。

その際、仮説を精度高く立てることはあまり必要ではありません。たとえ仮説が外れても、失敗だと思わずに「この仮説が反証された」という発見を喜べるかどうかが大切なんです。

今のDMMBoostには、たくさんの変化の中で、仮説を立てて検証していける機会が豊富にあります。ぜひ一緒に、そのプロセスを面白がってもらえたらと思います。

取材協力:CASTER BIZ recruiting

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