薬の話②
薬で糖尿病は完治しないというお話を書きました。今回は、薬の全体像について書いていきます。
糖尿病治療薬という枠組みでは以下が大きな枠組みです。①②は注射、その他は飲み薬です。
①GLP-1受容体作動薬(注射)
②インスリン注射薬
③ビグアナイド薬
④SGLT2阻害薬
⑤DPP-4阻害薬
⑥スルホニルウレア剤
⑦即効型インスリン分泌促進薬
⑧チアゾリジン系
⑨α-グルコシダーゼ阻害薬
私が役に立つと思う順に①から⑨まで番号をふっています。あとの記事で具体的製品名も挙げながら説明します。今回は概略のみ書きます。
①GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬の登場により劇的に血糖コントロールがしやすくなりインスリンが必要な人はかなり減りました。製剤によっては週1回注射でよくなったため負担もかなり減りました。内臓保護作用の可能性もあり、ぼくは最初にこられる方で飲み薬で血糖値が下がらなさそうな時には最初にこの薬を考えます。
②インスリン
糖尿病=インスリン=手遅れ!?のようなイメージのある薬です。よく「インスリン打ったら一生打たなくてはいけないのですよね?」とか「もうインスリン打つほどの重症なんですよね?」と聞かれます。いえいえ、血糖値が良くなればやめることができます。病院やクリニックでは注射をしてもらうと「在宅自己注射加算」というお金がもらえるので、積極的にやめましょうとは言われないかもしれません。しかも、打つ回数が1日1回以上だと多く儲かります。なんなんでしょうね、この仕組みは。患者さんにとって良くないと思っています。詳細は後日。血糖値を下げる力は最強です。量も上限はありません。
③ビグアナイド薬
もっともコスパがいいお薬です。そのため製薬会社から使ってほしいと営業を受けることはありません(笑)。1個8円ほど、医療費が3割負担なら2円くらいです。いいところばかりではなく
・65歳以上の高齢者
・腎臓がわるい
・お酒をたくさん飲む
こういう人は少なくするか、別の薬を飲んだ方がよいです。様々な研究報告があり糖尿病専門医は好んで処方しますが、一般の先生は上記の注意点と国家試験で間違えると一発アウトの「乳酸アシドーシス」に関連しているためあまり処方しません。
④SGLT2阻害薬
「おしっこに糖をすてる薬」です。原理は単純で、発売前に言われていた皮膚のブツブツとか足が腐ってしまう壊疽が起きやすいという副作用は日本ではあまり起きておらずまずまず安心して使える薬です。新薬なので値段がたかく費用を気にする人には処方しにくい薬です。体のサビはとれませんが、さらなる蓄積はしにくくする効果が外国の研究で言われています。そうした人には良い薬です。
次回につづきます
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