糖尿病専門医Dr.カーボオフ

Dr.カーボオフです。糖質オフが最良の食事療法と考え情報配信していきます。ぜひスキ、いいねお願いいたします。

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最近の記事

糖質制限の達人との出会い2

こんちには、Dr.カーボオフです。 前回の記事で糖質制限の第一人者である江部康二先生との出会いについて書きました。 その後をお伝えしたいと思います。 江部先生のメールには、理事長をされている高雄病院の外来に見学にきてもいいよと書いてありました。 喜んで伺う旨を伝えました。もちろん、病院で患者さんに提供される糖質制限の昼食の味見もお願いしました(500円実費)。 当日は車で高雄病院に行きました。 市内から嵐山に行く途中で北に向かい山道に入ります。10分ほど走ると古い大きな建

    • 多くの医者が糖質制限を嫌う理由

      前回の記事で、糖質制限を多くの医者が嫌っていると書きました。 その理由を考察してみます。 一般的な内科医を例に考えてみます。 医学部に18−20歳前後で入学して、解剖学や生理学・生化学といった人体の構造を学びます。次に全ての臓器について今わかっている病気について全て学びます。そのためかなり広く知識を覚え込まなくてはいけません。 内科医になってから分かるのですが、血液や遺伝の病気に遭遇することはかなりレアで年に何回もありません。反面高血圧や糖尿病、コレステロールの病気はかなり

      • 糖質制限の達人との出会い

        こんにちは、カーボオフです。 次は実際にお会いした糖質制限の達人について書いていきたいと思います。 さまざまな一般向け書籍を見てみると、江部康二先生の本が目立ちます。1冊手に取ってみると、そこには自分自身が実験台となり20年近く糖質制限をしていると書いてあります。 ブログも有名な様ですので、検索してみるとこちらも毎日休みなく10年以上続いている人気ブログでした。 そこには惜しみなく糖質制限の方法が書いてありました。具体的なレシピや外食した時の注意点が書いてあるので実践

        • 糖質制限との出会い

          お久しぶりです。2年前に記事にした糖質制限の記事がたくさんのスキをいただいているのにいまさらながら気がつきました。 いまぼくの活動の中心は、糖質オフを広く認知してもらう事ですのでいろいろな記事を書いていきたいと思います。 前の糖質制限の記事にも書きましたが、糖質制限との出会いは牧田善二先生の本でした。今ほどブームになっていなかった頃に、読書の一環で手に取った一冊です。糖尿病専門医を取得する時にたくさんの専門書を読みました。書籍コーナーも専門書しか興味が無かったので、一般向

          製薬会社の営業で糖尿病薬の処方が増える?

          今回はぼくの個人的な感覚から、糖尿病治療薬の処方への影響を考えてみたいと思います。前回製薬会社との癒着について書きました。 医者は、製薬会社に強力な営業をされて薬を使ってほしいと言われます。知識が乏しい若い医者や多くのエビデンスがきちんと理解できない医者がほとんどだと思いますので、営業力があるMRがいればかなり処方に影響があります。イコールそれがMRの給料に反映されることになりますので。 以下薬の大枠に分けて考えを簡単に書いていきます。 ①GLP-1受容体作動薬(注射)

          製薬会社の営業で糖尿病薬の処方が増える?

          医者と製薬企業の癒着?

          Yahooニュースで2ヶ月に1回くらい「製薬企業から医者に高額の謝礼が支払われた!」というタイトルでニュースになります。これはどのくらいインパクトがあることなんでしょうか。ぼくの経験もお話ししつつ解説します。 ぼくが医者になった15年ほど前は製薬企業が医者を接待するのは当たり前のことでした。高級フランス料理店や高級焼肉店、二次会の接待を伴う飲食(今風の表現)、行き帰りのタクシー代も全て費用は製薬会社もちでした。新薬が発売された時なんかは、帰りがけにエルメスのティーカップをい

          医者と製薬企業の癒着?

          エビデンスについて

          「エビデンスに基づいた医療」という言葉が10年ほど前から流行ってきています。「エビデンス」とはなんでしょうか。日本語訳をすると、「証拠」「裏付け」「科学的根拠」あるいは「形跡」などという意味になり、幅広い分野で使われる言葉になっています。 糖尿病学会が出版していた「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」という本がありましたが、2013年まで出版されていましたが、途中で名前を変えて「糖尿病診療ガイドライン」となり、最新版は2019年です。ネットでPDFで全文無料で公開され

          コレステロールについて

          「コレステロールが高いって健診でひっかかったけどそのままにしている」こういう人は多いかもしれません。 基準値を超えたら薬をすぐに飲む必要があるのでしょうか? 日本動脈硬化学会のガイドラインは読んでみてもよくわかりません。コレステロールの管理目標値を決めるのに、今のコレステロールの数字を用いる(統計学の試験なら落第レベル)というお粗末なガイドラインになっています。そしてこのガイドラインはネットで公開されておらず本で買うしかありません。そのくらいありがたいガイドラインなんでし

          コレステロールについて

          運動療法・節酒・禁煙について

          ・運動療法 実は運動で血糖値を下げるってかなり難しいんです。 食事療法単独のグループ、+運動療法のグループにわけても結果はおなじだったという研究報告があります。食事療法に運動療法を併用しても追加効果はなかったんですね。 また、有酸素運動、筋トレ、どちらもの3グループに分けた研究では、有酸素運動はHbA1c-0.73%、筋トレHbA1c-0.57%の分血糖値をさげました。両者を併用したグループは-0.51%でしたので併用効果はありませんでした。「運動は何をすればいいの?」

          運動療法・節酒・禁煙について

          糖質制限について

          ぼくは糖質制限食賛成派です。学生の時には、病気のことや薬のことは沢山勉強しますが、食事療法についてはほとんど勉強しません。専門医になろうと決意した時に、日本糖尿病学会が推奨する「食品交換表」による栄養指導法を勉強しました。 ところがぼくにはしっくりきませんでした。例えば表1に属する食品はご飯、麺、パンなどの炭水化物らしく、1単位というのが80kcalと決まっており表1の食品の中で交換出来るという考えです。栄養士からの指導を受けたことがある人はわかると思いますが、食品の模型を

          薬の話③

          前回の続きです。 ⑤DPP-4阻害薬 インクレチンというホルモンは血糖値を下げます。インクレチンを分解してしまうDPP-4という酵素をじゃまする薬です。値段はたかめですが、安全性が高いので日本でよく処方されています。効果はまずまずといったところですが、製薬会社が儲かるらしく営業が激しい薬です(苦笑)。⑥のスルホニルウレア剤と一緒に飲むと効果が1.5倍くらいになるので、狙ってつかうこともあります。サビ予防効果はわかっていません。 ⑥スルホニルウレア剤 強制的に自分のから

          薬の話②

          薬で糖尿病は完治しないというお話を書きました。今回は、薬の全体像について書いていきます。 糖尿病治療薬という枠組みでは以下が大きな枠組みです。①②は注射、その他は飲み薬です。 ①GLP-1受容体作動薬(注射) ②インスリン注射薬 ③ビグアナイド薬 ④SGLT2阻害薬 ⑤DPP-4阻害薬 ⑥スルホニルウレア剤 ⑦即効型インスリン分泌促進薬 ⑧チアゾリジン系 ⑨α-グルコシダーゼ阻害薬 私が役に立つと思う順に①から⑨まで番号をふっています。あとの記事で具体的

          薬の話①

          「健康診断でひっかかっちゃったな。病院いくの面倒臭いな、症状もないし。またあとでいっか」 こんな人は多いのではないでしょうか?ぼくが外来をしていると月に数人健康診断ひっかかりましたといって受診する方がいます。大抵数年前の健診の結果で、その時既に血糖値は悪いにもかかわらず放置しており、再検査してみると案の定メチャメチャ悪い(苦笑)。時間が空きすぎていることには触れず話を進めます。 その時結構な割合で「薬は貰えますか?」「薬でなおりますか?」と聞かれます。風邪のような病気をイ

          糖尿病の治療で一番大切なこと

          ぼくが考える一番大切なことは、それぞれの人の生活を大事にしてもらい、その中で”マズイ”生活習慣を変えてもらうことです。 昔ながらの偉そうにするお医者さんのイメージですと、「自分の言うようにしていればいいから」「この薬にするから」のように上から目線で命じられるままに薬をのんでいるだけという治療を想像する人もいるかもしれません(実際そういう患者さんも多いのかもしれません)。 しかし、それだけで糖尿病の治療がうまくいくことは稀です。患者さん自身がやる気になって、自分が自分の一番

          糖尿病の治療で一番大切なこと

          糖質制限食と”患者さんにとって”本当に意味のある薬物療法の情報提供をします

          はじめまして、糖尿病専門医と申します。 このノートでは私の糖尿病に関する治療についての知識や思いを共有し、皆様に役立てるような情報共有をしていこうと思います。得意とする事は、糖質制限食と”患者さんにとって”本当に意味のある薬物療法です。 はじめに自己紹介です。 大学卒業後、初期研修、後期研修を経て学生時代から興味があった糖尿病・内分泌を専門に選び、医師になって15年が経ちました。今は大学院でビッグデータを用いた糖尿病の研究をしています。 大学2年生の時に生理学という体

          糖質制限食と”患者さんにとって”本当に意味のある薬物療法の情報提供をします