コレステロールについて

「コレステロールが高いって健診でひっかかったけどそのままにしている」こういう人は多いかもしれません。

基準値を超えたら薬をすぐに飲む必要があるのでしょうか?

日本動脈硬化学会のガイドラインは読んでみてもよくわかりません。コレステロールの管理目標値を決めるのに、今のコレステロールの数字を用いる(統計学の試験なら落第レベル)というお粗末なガイドラインになっています。そしてこのガイドラインはネットで公開されておらず本で買うしかありません。そのくらいありがたいガイドラインなんでしょうか。


海外のほうがありがたい!とう気持ちは全くありませんが、アメリカの心臓病学会などが共同で作成したガイドラインはわかりやすいです。コレステロールの数字を下げるのが目標ではなく、治療をしてどれくら心臓病などの血管が詰まってしまう病気にならないかというところを管理目標にしています。日本より患者第一のスタンスです。下記に記載します。

ACC/AHAガイドライン

(1)いったん血管が詰まる病気をした人は数字がどうあれ薬をのむ
(2)LDL-Cが190mg/dL以上の患者(一次予防)
(3) LDL-Cが70-189mg/dLの糖尿病患者(40-75歳)(一次予防)
(4)LDL-Cが70-189mg/dLで今後10年間の血管病変発症リスクが7.5%以上の患者(10年のASCVD発症リスクは計算式がネットで公開されています)。

そして、スタチン以外の薬剤によるリスク低下のエビデンス(証拠)はない、LDL-Cやnon-HDL-Cの治療目標値を設定できるようなエビデンス(証拠)はないと明記しています。スタチンはジェネリックがありますので値段はそこまで高くなりません。別の種類の薬でコレステロールの吸収を抑える効果の薬がありますが、こちらは値段の割に効きが良くなく製薬会社の営業も多いものです。スタチンでどうしても下がらなければ使っても良いでしょう。


中性脂肪は?

コレステロールとは別物です。あまりに高いと急性膵炎になり死亡する場合もあるので、ぼくは900mg/dlなら処方します。下げることで得られるメリットが少ないので欧米のガイドラインでは重要視されませんが、日本では新薬が出たこともあり営業がうるさい薬です(苦笑)

果物の食べ過ぎ、お酒の飲みすぎでも上がってしまうので思い当たることがある人は減らしましょう。それだけで十分下がりますよ。


モチベーション維持のため、♡をクリックしていただけると嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?