運動療法・節酒・禁煙について
・運動療法
実は運動で血糖値を下げるってかなり難しいんです。
食事療法単独のグループ、+運動療法のグループにわけても結果はおなじだったという研究報告があります。食事療法に運動療法を併用しても追加効果はなかったんですね。
また、有酸素運動、筋トレ、どちらもの3グループに分けた研究では、有酸素運動はHbA1c-0.73%、筋トレHbA1c-0.57%の分血糖値をさげました。両者を併用したグループは-0.51%でしたので併用効果はありませんでした。「運動は何をすればいいの?」と聞かれたら「好きな運動で、長く続けられそうな運動」という答えになります。
国立健康・栄養研究所のサイトに運動量と消費エネルギーの表があります。
https://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf
https://www.nibiohn.go.jp/files/2015mets.pdf
目標としては3METs(メッツ)以上の強度のある身体活動・運動を1日60分、1週間に23EX(エクササイズ)以上です。無理のない範囲で運動しましょう。
・節酒
アルコール大量摂取は糖尿病になるリスクをあげます。ビール500ml程度毎日のむと糖尿病になるリスクを下げる報告もあります。
糖尿病になった人がアルコールを控えると血糖値が良くなるかどうかという報告はなくわかっていません。
ただしビール、日本酒、ワインは血糖値をあげます。蒸留酒(焼酎・ウォッカ)はぼくの患者さんにもOKしています。ただし量がすぎれば、低血糖、中性脂肪上昇、体重増加、肝障害などを起こしますので、アルコール量で25gまでをOKとしています(酎ハイなら500ml,5%でアルコール25gとなります)。
・禁煙
たばこは良いことはありません。お金もかかりますし周囲のひとにも迷惑だけでなく発がんリスクをあげてしまいます。
肺がん、肺気腫、心臓病、脳卒中、他のがんなどになるリスクを何倍にもあげます。ただし、禁煙すれば5年目からじょじょにリスクは減っていき、15年経つとリスクはほぼ元に戻ると言われています。
禁煙のやり方ですが、ストレスの少ない方法がよいです。ニコチンガムやパッチを使う、電子タバコで代用する、といった方法は禁煙率をあげたという報告がありおススメです。
まとめ
運動:できることからちょっとづつやるでOK
節酒:飲む量や種類を選べばOK
禁煙:たばこはいいことない
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