海軍兵学校入試 - 代数(昭和11年)
見どころ
今の大学入試でも見かける類の問題 … (1)
今の大学入試では見かけない、パズルみたいな、解いてて面白い問題、良問 … (5)
(5)本当に面白いので是非トライしてみてください!
目次
問題(現代語訳)
(1) x=-1 が三次方程式 Ax^3 + Bx^2 + Ax + C = 0 の重解となるとき、B=2A かつ C=0 であることを証明しなさい
(2) 方程式 x^2 - 2(a+√5)x + 4a^2 + 3 = 0 の2解の差の平方が最大となるaの値に対して、sqrt(2/3(1+a)) の値を小数第1位まで計算しなさい
(3) a,b は整数でかつ a>b のとき、aとbとの間にあって5を分母とするすべての分数のうち、整数ではないものの総和を求めなさい
(4) 周囲24m、面積24m^2 の三角形の3つの高さが調和級数をなすとき、この3角形の3辺を求めなさい
*調和級数 … 現代の調和数列のこと ?
(現代の)調和級数 … lim(n->∞) Σ(1,n) 1/n のこと、無限大に発散する
調和数列 … 1/(a+(n-1)d) で表せられる数列のこと
(5) 道路上に街灯を背にして立っている人がいる、このとき自身の影が路面に写っているのを見て、その方向に6歩前進したところ、影の長さは最初の2倍になった。次に歩幅を15cm増やして同じ方向に10歩前進したところ、影の長さはさらに2倍になった。このとき、最初の歩幅は何cmであったか?
問題(原文)
ヒント
(1)
f(-1) = 0 までは出てくると思います、でもそれだけでは使っていない条件がありますよね…? その条件を数式にどうやって落とし込みましたっけ…?
(2)
基本的だけど抜けがちな操作の繰り返しです 問題が良く練られていて、割と簡単な式の連続になりますよ
(3)
(4)
調和数列の分母の a+(n-1)d とはどこかで見覚えのある式ですね
(5)
sin, cos, tan は考えない方が簡単に解けるかもしれません
筆者拙解
(1)
f(x) = Ax^3 + Bx^2 + Ax + C とおく
x=-1で2重解を持つことから f(-1) = 0 かつ f'(-1) = 0 となるので、
-A+B-A+C = 0 かつ 3A - 2B + A = 0
整理して、-2A + B + C = 0 ・・・ ① かつ 4A - 2B = 0 ・・・②
2×①+②より、2C = 0 、よって C=0
これを①に代入して -2A+B=0、つまり B=2A (終)
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