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新たな価値を創造し続ける組織づくり①

 1月は来年度方針や予算、中期経営計画など、今後の方針を決める大事な時ですね。人事、人財開発部門の皆さんも来年度方針策定で大忙しという方も多いでしょう。
最近、中期経営計画の中で『新たな価値を創造し続ける組織への変革』を打ち出している企業が多くなりましたが、『新たな価値を創造し続ける組織』をつくるにはどうすればいいのでしょうか?
2023年は『新たな価値を創造し続ける組織づくり』について連載でお伝えしていきます。

第1回 新たな価値創造は人がつくる

新たな価値を創造できるのは『人』です。
企業は、はたらく人全員が持っている能力を最大限に発揮できる環境や機会を提供し、その能力を最大限に活かすことで『新たな価値』を創造し利益を高めることに繋がります。

チャレンジしない硬直したタテ割組織

以前、私はクライアント先の社長からこんな相談を受けました。
「うちの会社はベンチャー企業的な事業内容なのに誰もチャレンジしない。
タテ割りで硬直した組織をチャレンジし続ける組織に変えたいんだけど」
当時その会社は大手企業のグループ会社という性質上、社長はじめ多くの役員や管理職は親会社からの出向です。出向者は3年で親会社に戻るため、新しいことにチャレンジして失敗するより、失敗しないことを選んでしまいます。こうしてチャレンジしない、硬直したタテ割り組織になっていたのです。

全員がチャレンジできる仕組みをつくる

チャレンジしない組織なら、チャレンジする仕組みを作ればいいのです。
タテ割り組織を壊すため、チャレンジしない経営幹部から順番に、全員に挑戦する『課題解決プロジェクト』を企画提案しました。
この企画が通り、『自ら課題を発見し、自ら主体となって周囲を巻き込み、強い意志をもって課題解決にチャレンジするというプロジェクト』をチームでサポートさせていただきました。
流れは下記のとおりです。

1.『課題解決研修プログラム』受講
2.組織の課題テーマを決める
3.現地調査(現場、関連部署、関連企業も含め、現地に足を運び自分で確かめる)
4.原因分析
5.対策を立てる
6.部門や会社の壁を飛び越えて周りを巻き込み課題を解決する
7.成果発表

成果発表には社長、役員、管理職、一般社員の希望者が参加します。遠方の拠点でもテレビ会議システムで誰もが発表を見ることができます。
この成果発表会は1度に16名が発表するので、本気で取り組んだのか、効果がどれだけ出たのか、そしてその人の能力も一目瞭然です。
このプロジェクトによって、埋もれていた人財がどんどん発掘されていきました。
2年目で発表された新規事業のアイデアは、その場で社長のGoサインが出てすぐに事業化されました。この事業は今では会社の収益の柱へと成長しました。
また、5年目には、中堅社員がプライベートでやっていた『eスポーツ』が未来を拓く新規事業として立ち上がりました。
今このプロジェクトは外部の力を借りることなく自走しています。
全員がチャレンジする機会があれば新たな人財の発掘も、新たなビジネスモデルもどんどん生まれます。

最後に

人は誰でもダイヤの原石です。
皆さんの組織で働く人の能力は、まだ一部しか発揮できていません。
実際、先ほどの『eスポーツ』事業を立ち上げた中堅社員の上司や同僚は、誰もその人の能力、熱意、企画力、リーダーシップに全く気付いていませんでした。
これからは、もっと一人ひとりの多様性を多面的に見ていく必要があります。はたらく人一人ひとりの経験(プライベートも含め)、価値観、嗜好性などその人のすべての能力を最大限に活かすダイバーシティ経営に本気で取り組むことが必要なのです。
次回は、お互いを尊重し、認め合う組織風土づくりについてお伝えいたします。

★ダイバーシティ経営のススメ★
ディ・マネジメント株式会社


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