私わたしワタシ
真っ暗な部屋に
ケータイの明かりだけが
ひっそりと浮かび上がる
風がビュービューと窓を揺らす音
寝静まった部屋の
静まり返った
あの脳に響く耳障りな
ギンギンする音
愛犬のスゥースゥーした息遣い
昼は気にならない時計の
チクタクいう秒針ですら
私の耳の奥を刺激した
静かな町の
静かな一角で
目をゴシゴシこすりながら
闇の部屋で
部屋の闇が濃い隅で
裸体は布切れに包まれ
まるで死体のように
冷たい布団と一体化するわたし
.
.
.
明日は寒くなりそうだ
そろそろ寝ないとな
一昨日とさほど変わらない昨日だったな
お昼寝しすぎたな
風が強いな
今日もあの子に負けたな
あの瞬間いっぺんにあれもこれも
考えていたと思う
..あの全ての音を耳にしながら..
そして考えすぎて
忘れてしまう
考えすぎて何を考えていたのかを
忘れてしまう
忘れていた
もうとっくに思い出せない
『なにか』を思い出すために
ゆっくりと目を閉じよう
.
.
.
おやすみ世界。
..っと
そう言えば誰かが言ってたな
ほらまた考え出しちゃった
.
.
.
おやすみ世界。