自転車屋は無料で空気入れのサービスをするべきか?
少し前にtwitterでこんな話題を見つけたので少し考察してみようと思います。
そもそもなぜ、その自転車屋は「タイヤの空気くらい無料で入れろ」と言われてしまったのでしょうか。
そう発言した方はどうやら営業マンのようで、営業マン自身は営業の際、顧客に対して情報を無料で提供しているため、空気入れだって無料でやってほしいと感じたようです。
まあわからなくはない話ですね。
空気入れを有料にするべき?無料にするべき?
では実際にビジネスとして考えたときにどうなのか...
有料にした場合
まず自転車屋が有料で空気入れのサービスを提供する場合、当然のことながら、まずは利益を出すための価格設定をしなければなりません。
「空気入れをする際の人件費(時給1000円の人が5分かける場合、83円)」
+
「そのサービスに実際に使用する空気入れの1回あたりの使用料金(3000円の空気入れで300回使えるとしたら10円)」
が費用といったところでしょうか。
これにお店に入る利益を足さなければなりません。
これを考えると、1回100円では提供出来なさそうです。
しかし、冒頭の自転車屋は空気入れを100円で行なったところ、利用者である営業マンにtwitter上で文句を言われてしまいました。
一般に、商品を売る場合、その商品が競合他社の商品と比較して競争優位性があるのか、差別化ができているのか、ということを考えなければなりません。
ではこの「空気入れのサービス」を商品として提供する場合、他社との差別化ができるのでしょうか。
例えば質のいい空気を入れる、抜けにくい空気を入れるなどでしょうか...いまいちピンときませんね…。
今回の件で差別化をする場合、そのお店の経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報、技術)を活用することが必要になってきそうです。
空気入れをしている時間で、店員から客にとって有益な情報を与えるなどして、自社でしかできないサービスにしていくといいでしょう。
無料にした場合
一方で、空気入れを無料で行う場合、自転車屋はその間タダ働きをして、その客が自転車を買いに来る日を待たなければなりません。
これは全く現実的ではありませんね。
では、自転車屋はこの「無料で空気入れをする」ということをどう捉えればいいのか。
私は、販促費として捉えるべきであると考えます。
実際にどのようにするかというと、例えば、
空気入れをしている間に簡単なアンケートに答えてもらったり、
LINE等のお店のアカウントをフォローしてもらう、などが考えられます。
紙のアンケートに答えるのは、おそらく面倒くさがられるので、
QRコードを撮ってパッとフォローするというのが客にとって簡単でいいと思います。
それにより、お店のクーポンや情報などを顧客に直接送ることができますね。
ブロックされる場合もありますが、その場合相手は客ではないので諦めましょう。
結局大切なことは?
どちらにしても大切なのは、店員の接客スキルなのではないかと思います。
有料であろうが、無料であろうが、客にとって気持ちのいい接客をすることで、Twitterに有る事無い事書かれることもなくなります。
ダコタローカルコンサルティングでは、その接客スキルに必要な「傾聴力」や「営業力」のトレーニングを個別で行なっています。
ぜひチェックしてみてください。
www.dlcokayama.com