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2025年円相場見通しのポイント~FRB:米金利編~
2025年も幅を利かす金利差議論
いよいよ今年も残すところあと1週間を切りました。今月は25年見通しシリーズということでお送りさせて頂いておりますが、今回もその一環です。今月に入り、2025年の円相場見通しのポイントをまず需給の観点から2回に分けて配信させて頂きました。非常に多くの反響がありました:
なお、こちらの論点に関する解説は先週22日のモーサテサタデーでも深掘りさせて頂いております:
ところで動画と言えば、今月から配信が開始されたnoteとの連動動画でもあるTBS「CROSS DIG with Bloomberg」は好調な出足で嬉しい限りです。チャンネル自体の登録者数も順当に伸びているようですので、引き続き皆様、温かい目で見てやって頂けると幸いです。なお、2回目以降は「CROSS DIG Economic Labo」という名前で定期配信される予定です。「エコラボ」のような略称で浸透していければ良いなと思っています。
さて、、本論に話を戻したいと思います。今回は、需給と並んでもう1つの重要な説明変数である金利の観点から見た2025年見通しのポイントを整理したいと思います。需給同様、金利の議論も前・後編の2本立て、厳密には米金利(FRB)編と円金利(日銀)編で分けておこうと思います。恐らく、その方が備忘録としても使い勝手が良いかと思うからです。(これで月6本目になりますが・・・そこは年末SPということで)
かねて議論しているように、筆者はあまり金利見通しの議論に時間を割くことをしていません。「データ依存(data dependent)」のフレーズが示す通り、金利を司る中央銀行とて神の目を持つわけではなく、その意味でその瞬間のモメンタムをフォローする存在でしかないと思います。
よって、金融政策運営ひいては政策金利の軌道から、端的には利上げ・利下げの回数を予想するゲームの一環として円相場の見通しを語ることに筆者はあまり大きな意味を感じない立場です。とはいえ、その挙動が相場変動を巻き起こすことも事実であり、「市場がそうリアクションしたから中銀もそう動く」という倒錯した展開も時に起こりえる世界です。
より丁寧に説明すれば「金利は非常に重要な説明変数であるが、過去3年弱にわたる円安局面を語るにあたっては、もっと大事なことはあった」というのが筆者の立場です。
卑近な話で言えば、FRBが計▲75bpも利下げしても150円台に定着しているという話は金利差で森羅万象を語ろうとする論陣において相当に意外なことではなかったでしょうか。その上で半年や1年という見通しに限って言えばて、内外金利差が2通貨間の相対的な強弱関係に与える影響は無視できないのも事実です。方向感を金利差が、水準感を需給が規定するようなイメージで筆者は考えています。この点も繰り返し色々な方面から議論しました:
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今回と次回を通じて、日米金融政策の展開、ひいては日米金利差から見た2025年のドル/円相場のイメージを明示しておきたいと思います。
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