あなたの文章に〝引力〟を発生させる、3つの問いかけ。
きょうは、書き手にとって大事な話をします。
まずは、あなたに質問です。
僕が仕事で原稿の相談を受けるとき、真っ先に考える良し悪しの基準ってなんだと思いますか?
言い回し? ……違います。
構成? ……違います。
テーマ? ……惜しい。
僕が真っ先に考えるのは〝引力〟です。
読んだとき、惹かれるなにかを感じたかどうか。「弱いな」「浅いな」「薄いな」となったら、その原稿は初動の段階でしくじっていることになります。
では、次の質問です。
〝引力〟の正体ってなんだと思いますか?
僕なりの答えはこうです。
〝引力〟とは、書き手の伝えたいことが、読み手に刺さったときに発生するものである。
〝引力〟に問題があるときは、次のような確認をします。
①伝えたいことはなにか。
②どのようにして伝えたらいいのか。
③それは相手にとって伝えられたいことなのか。
意外に思うかもしれませんが、①で躓くことも珍しくはありません。
伝えたいことがハッキリしていない人は、問いかけに対して一言で答えられません。書いてきたことをなぞってしまいます。
例えば『泣いた赤おに』で伝えたいことはなにかと問われて、あらすじを説明しているようなものです。この場合、友情とか、自己犠牲とか、多様性とかが答えになりますよね。
中には、こんな人もいます。
「伝えたいことはたくさんあるんだけど……」
もちろん、この時点でひとつに絞る必要はありません。挙げるだけ挙げてもらって、次の問いに進みます。
②で躓くことも、割と多いです。
伝えたいことはある。しかし、どのように伝えるかが決まっていない。料理に置き換えるなら、用意した食材に最適な味付けができていない感じでしょうか。
もちろん、そのままで美味しく食べられる場合もあります。しかし、もしも新鮮なネタではなかったら? 焼いてみるか、煮てみるか、漬けにしてみるか、蒸かしてみるか。調味料はなにが合うか。ほかの食材と掛け合わせてみたらどうか。工夫が必要になるでしょう?
文章も同じ。切り口はハッキリさせておきましょう。
さあ、最後に③です。ここが抜けている人はかなりいる印象です。
伝えたいことはある。どんな切り口で伝えるかも決めた。しかし、それって視聴者(読者)は必要としていることなのか。
プレゼントで考えてみてください。
好きな異性のために高級なアクセサリーを買った。ド派手なサプライズで渡そうと思っている。お金も手間もかけているけど、ちょっと待ってください。相手は本当に喜んでくれますか? 重く感じる可能性はありませんか?
文章を書くときは、どんな人たちに伝えたいかが大事になってきます。そこに刺さらないようなら、①と②を考え直しましょう。
「伝えたいことはたくさんあるんだけど……」
そんな人は、たくさんある中から伝えたい人物像になにが刺さるか考えてみてください。
①伝えたいことはなにか。
②どのようにして伝えたらいいのか。
③それは相手にとって伝えられたいことなのか。
あなたは文章を書く前に、この3つをハッキリさせていますか?
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