![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101957214/rectangle_large_type_2_737aff5dd0104d9a1fb0622d43aab52c.png?width=1200)
「あえて全て描かない」という選択肢を持っておきたい。
なんかネタはないものかとネットサーフィンをしていたら、こんな記事と出会いました。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』はどうして原作を知らない人にも刺さるのか。劇場で観客に取材したところ、興味深い感想があったといいます。
曰く「湘北の主力ではないキャラクターに惹かれた」
その観客は〝メガネ君〟こと、木暮公延が気になったそうです。
劇場版での見せ場といったら、試合終盤にベンチから精一杯の声援を送る場面くらい。孤立した赤木を支えてきたことも、陵南戦で劇的なシュートを決めたことも描かれていません。ところが……、
「試合中に安西先生から『赤木君と木暮君がずっと支えてきた土台の上に、これだけのものが加わったのが湘北だ』と言われてましたよね。『じゃあ、あのメガネ君にはどんな背景があるんだろう?』って気になるんですよ。あれで原作を読みたくなりました」
なんと、描かれていないからこそ、逆に想像力をかき立てられたというではありませんか。
実は僕、数日前にも同じことを〝ある小説のあとがき〟で読んでいました。
その作品には、ストーリーには全く絡まないけど、名前だけはちょくちょく出てくるキャラクターがいるのですが、どうして一度も登場させなかったのか?
あとがきには、このようなことが書いてありました。
🍀作者がデザイン系の専門学校に通っていたころ、同級生が先生からある指摘を受けた
🍀パーティーの様子を描いたイラストに対して「全員がきっちり画面におさまっているから、画面の外にもっと人がいるように思えない」
🍀つまり、物語に出てくること全てを説明すると、世界が枠の中におさまってしまう
🍀文字のみで表現する小説において、最強の武器となるのは読者の想像力
ほら、同じでしょう?
僕が働くテレビの世界では〝親切さ〟が重視されます。視聴者に「わかりにくい」と思われたら、チャンネルを変えられてしまうと考えるからです。
なので、一から十まで説明しがち。
しかし「あえて全て描かない」という選択肢を持っていてもいいんです。一から三くらいまでにおわせておいて、あとは想像させる。
これこそ、見る(読む)側から「なんか気になる」を引き出すテクニック。
逆の意味で思い出したのは、今年2月の記事です。
この中で、俳優のリーアム・ニーソン氏は『スター・ウォーズ』はスピンオフを作りすぎて、謎や魅力が損なわれているのではないかとコメントしています。
全てを説明することで、裏目に出る可能性もあるというわけですね。今後、よく考えていきたいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1680551156630-JrOH7xClJ6.png?width=1200)
最後に、僕が読んだという小説について。
その作品は、今から30年ほど前にシリーズ化されたライトノベルで、旅の魔道士である女の子が陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。アニメにもなって、林原めぐみさんが声を務めました。
名前だけちょくちょく出てくるのは、主人公の郷里でウエイトレスのアルバイトをしている姉。実は作中最強のキャラクターみたいなのですが……。
さーて、なんの作品かわかります?
どうしても気になる人はハッシュタグを見てね。
いいなと思ったら応援しよう!
![せき|放送作家|オリックス&ジャンプ好き](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/45591197/profile_b6861e52c5aa1459a914caa7d54d5538.jpg?width=600&crop=1:1,smart)