*この記事は #SaaSLovers バトンブログ企画の9日目としてお送りしております。
前回の#SaaSビジネスアドベントカレンダーに引き続き、デジマSaaS界隈で約10年BIZサイドをゼネラルにやってきました赤司(@DjLeap0229)が担当させていただきます。
今回のテーマに関して、なるべく前回のSaaSアドベントに寄稿された内容を踏襲できればと思い、ワードとして頻出していた「全体最適化に責務を追うCRO(売上責任者)」の立ち回りに関して寄稿させていただこうと思います。
CRO(売上責任者)の役割と今回寄稿の前提条件
SaaS業界人の参考書「THEMODEL」ではCRO(売上責任者)の役割に関して、要約するに以下のように明記されております。
つまり「マーケティング/インサイドセールス/セールス/カスタマーサクセス/などのBIZサイドの部門を横串で管掌し、顧客のサクセスにコミットしつつ自社の売上全体に責任を持つ役割」を指すのではと解釈しております。
実際に私も売上責任者としてSaaS事業のBIZ組織を管掌しており、その経験やトライアンドエラーの中で得られた重要だと思うことに関して僭越ながら6つご紹介できればと思っております。
今回は上流設計においてと日頃の運営においての2つに分けご紹介します。
全体の戦略設計と顧客とのコミュニケーション接点に一貫性を持たせることが重要
(参照:営業効率を最大化する「The Model」(ザ・モデル)の概念と実践)
まず売上責任者(CRO)が上流設計においてやるべきことの一つは、当たり前ですが「全体の戦略設計を担うこと」と「顧客とのコミュニケーション接点においてコンテキストに一貫性を持たせること」だと思っています。
【例】私がよく作成するWBSの参考例を一部ご紹介します。
全体並びにそれぞれの部門ごとにやるべきことを定義し、担当を決め、期日を切り進めていきます。これを立ち上げフェーズ、PDCAでいうCAフェーズ、またPDフェーズと常に最新版にし続け、「顧客課題・市場環境・競合環境」を加味し続けたWBSを運用していきます。
↓以下のように各部門用意
↓例えばセールス部門の立ち上げで想定されうる一例をご紹介します。
数字の見える化を行うためにSalesforceの設計にコミットすることが重要
次に売上責任者(CRO)が上流設計においてやるべきことの一つとして、もう私のnoteをご覧いただいたことがある方は何度目だよっと言われるかもしれませんが(笑)、数字の見える化を行うためにSalesforceの設計を自らコミットすることが重要だと思っています。
【例】何を可視化していけばいいのかという方もいらっしゃると思うので、Salesは以前の記事を確認していただければ一定記載しておりますので、マーケ/IS/CSの一例を今回はご紹介します。
※ちなみに私はミニマムで定常活用するダッシュボードが30個(構成レポート600個)で全体管理しており、もっと解像度あげるときはそれ以外のダッシュボードとレポートで可視化しています。全て自分で作ってます(笑)
↓(例)マーケだとリードソース毎のアポ率や有効商談率、受注率、受注金額合計、平均MRRなどの可視化はおすすめです。
↓(例)ISだと当然以下のようなアクティビティの可視化はもちろん、IS担当が創出した商談の受注金額や有効商談化率など、ISが一般的に追う獲得商談数のその先の数字を可視化し、そちらの評価をより重み付けすることをおすすめします。
↓(例)CSは当然更新率や解約率などの数字面はもちろんですが、実際のアクティビティの管理やヘルススコアの可視化をSalesforceで行い、CS人員のリソースのアロケーション最適化を実施し続けることをおすすめします。
まだまだご紹介したいアウトプットがたくさんありますがそれだけで終わってしまうので、次回のnoteなどでマーケ/IS/Sales/CSまで何を可視化すべきかの内容を全公開しようと思います(笑)
仕組み化と効率化、PDCAの運用サイクル構築にコミットすることが重要
最後に売上責任者(CRO)が上流設計においてやるべきことの一つとして、可能な範囲で業務の仕組み化・効率化を行い、PDCAがうまく回る環境を用意することが重要だと思っています。
【例】例えばCSのオンボードプロセスだと以下のような流れを仮に定義し、
何をもってそれらの行動を可視化するのかという方法まで定義しておくことをおすすめいたします。
もちろんそれぞれの業務フローにおけるアウトプットの統一化を可能な限り図ることも重要になります。
ここからは日頃の事業・組織運営において重要なことを簡単に紹介します。
組織間コンフリクトが起きないよう部門間連携を入念に行うこと
まず売上責任者(CRO)が日頃の事業・組織運営においてやるべきことの一つは分業化のデメリットである「個別最適化が走りやすい」という事象を防ぐために部門間の連携を入念に行える環境を整えることだと思っています。
【例】例えば対等な部門関係を構築する際に、IS側にIS側の読みを独自に持ってもらい、BANTをどれだけ抑えているかの割合で読みを定義します。
そうすることで、BANTを全部抑えていたのにSalesが仮に受注できなかった場合は、なぜ取れなかったかを相互で対等に議論できる状況になるので、全部門の力関係が均等になるような仕掛けつくりが重要になります。
各部門の良き参謀であり、売上に関わる重要な部分は全体最適化思考で自ら決断し、断行することが重要
次に売上責任者(CRO)が日頃の事業・組織運営においてやるべきことの一つとして、前半の上流設計で記載した通り、大局の戦略や戦術はリードしながら策定するが実際の詳細の戦略や戦術は各部門長に権限移譲し、あくまで相談役に徹することと、一方で全体を一番広く見えているのが売上責任者なので、施策の優先順位付けや実施可否の判断は、時には自ら判断し、断行することが重要になります。
顧客課題解像度を上げ続け、かつ短中長期で戦略と戦術の最適化を図り実行支援を行うことが重要
最後に売上責任者(CRO)が日頃の事業・組織運営においてやるべきことの一つとして、自身のリソースを数字状況に合わせうまく調整し、現場にいくのか社内で戦略を描くのかを適宜調整し、現場に行き顧客課題の解像度を上げ続けること、並びに短中長期で数字や変数の変動に合わせ、戦略と戦術をフレキシブルに最適化し続けること、そして評論家にならないよう自ら実行する、もしくは実行支援し続けることが重要だと思っています。
今回のまとめ
今回は、スタートアップSaaS企業の売上責任者(CRO)の立ち回りについて、私の経験上重要だと思うことを6つの要素で僭越ながらご紹介させていただきました。
上記の通り、まだ私も現状トライ&エラーをしている段階で有益な情報提供ができず大変申し訳ないのですが私自身の現時点での備忘録として今回売上責任者の立ち回りについて整理させていただきました。
少しでも今回の内容が、SaaS企業やSaaS事業の運営に関わってる方々にとって参考になる情報になってましたら大変幸甚に存じます。
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