Izy - Irene (2021)

　オーストラリア北部のケアンズで結成され、現在は南東部のメルボルンを拠点に活動する3人組のバンドIzyのデビューアルバム。メンバーは様々なバックグラウンドを持ち、ギター／ヴォーカルのRyo Montgomeryはオーストラリア出身の父と日本人の母の間に生まれた。今年3月にリリースされていたのに紹介が遅れてしまったが、これは間違いなく今年のベストアルバムに挙げられるだろう。bandcampのプロフィールでは自らをネオソウルのグループと説明しているが、90年代あるいは現行のネオソウルとはひと味異なる、音数を最小限に留めたアコースティックなサウンドは、類稀なメロディセンスと相まってたまらなく愛おしい。聴覚の集中力だけでなく心まで奪われるメロウな楽曲から、思わずサンプリングしてしまいたくなるようなファンキーなナンバーまで、個性豊かな10曲が互いの魅力を引き立てるようにバランス良く配置されており、アルバム全体の構成力も実に見事。とにかくセンスの塊のようなバンド／作品です！
　D'Angelo & The Vanguardの「The Black Messiah」(2014)や、Tony! Toni! Toné! "Thinking Of You" (1996) あたりが好きな人には確実におすすめ！既に次回作が楽しみな新人アーティストの登場！是非とも聴いてみて下さい！大推薦盤‼︎