レイトショー 上/下:マイクル・コナリー:この衝撃を味わってほしい
年間、文庫本で、小説ばかり、約150冊を読み続けているGGが、今年は読んだ本の読書感想文を書いていこうかと。
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「レイトショー 上」(027/2020年)
「レイトショー 下」(028/2020年)
痺れる新主人公登場。やり手の女性刑事、バラード、ちょっとカッコ良すぎなんですけど、初登場だから許す。これからの活躍、楽しみすぎ。
レイトショーとは深夜勤務のことを指す隠語とのこと。基本的には「吹き溜まり」的な感じらしく、バラードは上司のセクハラを訴えた仕返しに、レイトショーに島流しになったようです。ちなみにバラードの相棒は、奥さんの介護の為、全く余計な仕事をしないでも大丈夫(=定時出勤・退社)な環境を自ら選んだとのこと。
そのセクハラを訴えた際に、当時の相棒に裏切られたらしく。もちろん、相棒は出世したようですが、そんな警察内のパワーゲームに関係なく、事件は次から次へと起こります。
クレジットカード窃盗、半殺し状態での路上に捨てられた「女」、そしてクラブでの5人射殺事件、それぞれの事件に「レイトショー」なバラードは関わることは、基本的に出来ません、事件の最初に立ち会うだけ。その後の解決に向けた業務は昼の「普通」の刑事たちが取り組むのがルールなのです。しかし、並外れて優秀な刑事、バラードは、あの手この手を使って、事件に入りこみ、真相に迫っていくのです。
後半でバラードは「凄い」行動を取ります。今まで読んだクライムノベル、警察小説で、この展開はあったでしょうか?衝撃です、衝撃すぎます。ですが、コナリーですから、その衝撃も衝撃だけでは終わらせません。
ボッシュに匹敵する魅力と「闇」をもった主人公、今後、レイトショーから抜け出すことは出来るのでしょうか?いや、敢えて抜け出さずに「夜の女王」として君臨しちゃうとか、ありかも。