
フリン:椰月美智子:不倫祭
「フリン」(32/2022年)
世の中、不倫に溢れています。
不倫という言葉だと誤解されてしまうので、キレイな言葉に置き換えるならば「止められない恋」とでも言いましょうか。止められないから、落ちていくのです。6個の恋の物語です。
「葵さんの初恋」、二人目の血の繋がっていない「お父さん」が不倫をしているかもしれない。相手も知っている女性、葵さんだ。女子高生の主人公の心は揺れる、揺れる。
「シニガミ」、高校時代の同級生の男と同じマンションだったことから始まった、夫の不倫への当てつけという気持ちもあり、軽いノリでスタートした不倫。そんな彼女の前にシニガミが舞い降りた…。
「最後の恋」、オヤジの純愛ストーリー。不倫ファンタジーの傑作ではないでしょうか。これは実写化して欲しいな。こんなシンプルなラブストーリーを演技力で支えられるのは誰だろうか!?
「年下の男の子」、息子の友人の中校生にキュン!エステに通いながら妄想を爆発させるオバサンの恋物語。
「魔法がとけた夜」、不倫というよりも離婚の物語。今の奥さんが好きなのか、嫌いなのか、ということと不倫は別問題なのだと私は解釈しました。てか、結婚って何なのでしょうか?
「二人三脚」、ラストは非常に穏やかな不倫の物語。不倫した方、された方という切り分け方では処理できない問題を乗り越えた二人の波乱万丈の人生ストーリーです。
どれも椰月らしい穏やかな表面の下で燃えたぎる優しいマグマを感じることが出来ます、素晴らしいです。